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会社を興すのは簡単ですか?

どうも、かずきちです。

会社を興す

というのは、大抵の人にはとても敷居が高く感じるんじゃないですかね。僕もそうでした。

会社を興すのは結婚をするくらい人生の一大事

くらいなイメージ、怖さを持っている人も多いんじゃないでしょうか。

でも、僕自身がそこから起業して会社経営をしている中で皆さんに伝えたいのは、

会社を興すのは簡単だよ

ということです。

会社は箱でしかない

僕は最近、会社を買収してさらに大きくしたいなと思ってM&Aに取り組み始めているんですが、そこでは

会社は一つの商品

として扱われています。M&Aには2種類あり、

•事業を売る、買う
•会社を売る、買う

という大きく2種類があります。事業と会社って同じじゃないの?と思うかもしれませんが、会社というのは色々な事業をやっているケースがありますよね。多角化経営なんて言ったりもしますが、GMOなど典型でレンタルサーバー事業もやってれば株など証券会社の事業、クレジットカードなり、色々な事業をやっています。

実際GMOはグループ企業として会社がそれぞれ分かれていて、それぞれの会社で分野を分けて事業をそれぞれ行なっていますが、中小企業だと一つの会社で色々な事業をやっている事が多いでしょう。

別に飲食店で始めた会社が飲食店しかやってはいけない決まりもないので、洋服屋やったって良いわけです。ライザップなんかは元々は健康食品の販売だったのがパーソナルジムになり、今ではライトオンを買収して洋服屋もやっているわけです。(ライトオンは会社自体が別ですけどね。

そういった一つの会社の中に複数の事業があった場合に「この事業だけ売りたい!」と売る事もできますし、「会社まるごと売りたい!」と売る事もできるわけです。

M&Aで買い手も売り手も一番楽なのは「会社まるごとの売買」で、事業だけの売買となると

会社の中のどの資産が売却対象なのか

を売り手も買い手もきちんと定めておかないと困ってしまい、そこを定めるのが面倒だったりするわけです。

このボールペンは今回売買する事業の備品?

みたいになるわけですね。さすがにそんな細かくはやらないですが、極論そういう事です。

流動資産と固定資産、流動負債と固定負債

ちょっと簡単な財務の勉強にはなりますが、会社の中には「資産」と「負債」と呼ばれるものがあり、資産には現金や株券の様な「流動資産」と呼ばれるものとパソコンや車、土地やら機械といった「固定資産」と呼ばれる2種類に分かれます。

負債にも、客先に商品買ったけどまだお金は払っていない場合に計上する「買掛金」やら短期借入金(ざっくり一年以内に返済予定の借金)といった「流動負債」と銀行からの長期の融資など「固定負債」があります。

会社を興して事業をやるためにパソコンを買えば資産ですし、営業車を買えば資産、自社サービスなりホームページやブログといった「メディア」を持てば資産ですし、銀行からお金を借りれば負債です。

そんな中で、

どこまでが今回売買する対象のものか

を事業売買では決めなければならず、

「この車は対象?このサーバー契約は譲渡するの?他の事業でもこのサーバー使ってるけど売るの?売るなら相乗りしてる他のサービスは移管しないといけないよね?借金は今回売買する事業に関してのものなの?」

といった細かい目録を作って契約をしていく必要があり手間も多いんですが、

会社まるごと

であれば、その点お互い楽は楽なわけです。もちろん、「この会社のこの事業が欲しいんだよな。でも、会社まるごと売ってるから他の事業はいらないんだけど。」という事もあるわけですが、要はM&Aの世界で見れば

会社は箱

会社は中身の見える福袋(いらないものは買ってから捨ててもいいし、あげてもいいし、中身だけまた単品で売ってもいい)

会社はマクドナルドのセット

という事です。もちろん、創業者の想いであったりもありますが、根本は「ただの事業の入った箱」に過ぎないって事です。

なぜ会社を作るのか?

ベンチャーの一部なり大層な志を持っている人は別として、大抵の経営者の目的は

節税

です。(というか、ほぼ99%は最初そこから始まるでしょうね)なぜなら、会社でなくても大抵の「事業」というのは出来ますからね。個人事業主であっても人を雇う事は出来ます。(ベンチャーで出資受ける場合は法人にしてないと株の譲渡出来ないので出資側もメリットなくて出資しませんが)

もちろん、


社会的なステータス
社会的な信頼性
財布が分けられる


といったようなメリットもあります。

法人というだけで取引出来る出来ないもありますし(事業にもよるだろうけどある程度大きくならないとさほどそんな機会はないけども)、求人を見て従業員が応募してきやすい(◯◯株式会社とかってついてないとなかなか働く側も周りに言いづらいですよね)ですし、個人事業主だと個人の支出なんかと一緒になりやすく税務署から指摘されやすい経費も法人化する事で回避が出来るから〜なんて事で法人化する人もいるようです。税理士もよく勧めてますね。(まぁ、これも節税に近い?のかもしれませんが)


こういったメリットもありますが、とどのつまり

節税

として多くの経営者は会社を作っているわけです。特に零細企業はそうですね。

なぜかって、

個人でお金を得た場合には税率がmax55%(所得税45%+住民税10%)

だからです。

個人事業主の場合、売上からもろもろの経費を引いて残ったお金に対して税金がかかり、最後に残ったお金が「事業主のお金(会社員で言うなら、給与的な物)」になります。

売上 − 経費 − 税金 = 自分の給料

ですが、個人事業主から法人化(将棋に例えて、「法人成り」って巷では呼ばれています。)した場合、「役員報酬(社長の給与のことを役員報酬と呼びます)」として社長に支払い、残ったお金を「会社にプールする」ことが出来るわけです。

売上 − 役員報酬 − 経費 − 税金(法人) = 会社に残るお金

では、法人の場合の税率は?というと

法人の実効税率は大体30%

※実効税率というのは、法人税以外にも法人住民税、地方法人税、法人事業税といったもろもろの税金を含めて考えた場合の税率のこと

なので、簡単に言えば

25%も違う

ということになります。

細かくは、社長の役員報酬にもさらに所得税など個人の税金がまたかかりますが、社長の役員報酬を下げてるとその分個人所得税などが低い税率で済みます。するとトータルで見た場合に法人にして役員報酬を低くしておいた方が「お金が残る」事になるわけです。

もちろん、残ったお金というのは「会社のお金」ですから勝手に私用で使ってはいけませんが、「役員貸付」として会社から社長へお金を貸し出す事も出来るので、お金が足りなくなったら「会社から借りる」が出来るわけですね。

(極端な話、死ぬまでずっとお金を借り続ける事も出来ちゃいます。会社へ借金してるとして相続時に嫁子供が相続する事になりますが、他に相続させたい資産もないのなら相続放棄してしまえばよいという。)

なので、結局のところ大抵の会社というのは

社長の第二の財布

税金を安く抑えてお金を残すための手段

というのが実態なわけです。


統計なんかで年収1000万円代が多いのも、中小零細企業の社長が「あえて」お給料を貰っていないだけなんですよね。でも、実際もっとウハウハだったりするわけです。よく

社長の実態給与は額面給与の2、3倍

なんて言われたりするんですが、こういったところからなわけです。取引先や従業員の手前、ウハウハに見せると従業員から不満が必ず出始めますし、取引先も「稼いでるんならもっとまけてよ」と値引きだったり「うちの払ってる金でいい思いしやがって」的な八つ当たりも必ず出始めますからね。(正当な事業で貰った金で遊んで何が悪い。って話ですが)

なので、話戻りますが

会社というのは単なる箱、単なる節税の道具、紙切れ

としてしか見ていない経営者も世の中多いという事です。

そこに対して、尻込みして「重大ゴト」のように捉える必要もないわけです。

単なる紙切れ

ですから。

もちろん、その紙切れ、箱の中で

どんな事業をやるか

は大切ですが、事業が稼げなければ紙切れを破棄するだけ。新たに事業をしたければまた紙を書くだけ。です。

中古車販売屋は崇高な想いがあって会社を設立したのでしょうか?不動産仲介屋は?既存の製品をちょっと改良しただけのものを中国で作って何億、何十億と儲けている会社は?

大抵は「崇高な志があるように見せる」事をしなければ従業員が応募してこない、長く勤めないから後付けでそれらしいものをつけているだけです。

株式会社なら20万ちょっと出してパパッと作るだけですし、合同会社なら6万ほどでぺぺっと作れてしまいます。

わざわざそこに想いだのどうのだのという事がなければ興してはいけないものでは全くありません。

そんな事を考えていたんではいつまで経っても先に進みませんからね。世界一になったボクサーも最初の動機は「女の子にモテたいから」です。

崇高なものなんてのは後から考えればいいことです。

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