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私達は何にでもなれる。2020年夏

テレビドラマを最近は見なくなってしまった。

生活の時間が昔と変わったり、テレビ以外のことに興味を持ったり、わざわざリアルタイムで見ようとしなくなった。

自分の気持ちや行動が、昔と比べると変わってしまったのも要因としてある。

テレビ離れ、ドラマ離れ、な私。テレビでさえもあまり見ていないのに、映画はもっと見ていない。
理由は単純で、映画を見に行くのがめんどくさいと思うからだ。

基本、めんどくさいのだ。
映画の公開CMを見て、面白そうだなぁとは思う。ただ、行動に移すのが非常に大変だった。

映画を見るハードルはめちゃめちゃ高い。

面倒だと言って布団から出てこない私だが、映画館へ出向いて見てよかった映画が一つだけある。

コンフィデンスマンJP プリンセス編

2018年に放映されたテレビドラマ「コンフィデンスマンJP」の劇場版第二弾。私はこのプリンセス編を映画館で見た。

映画を見るハードルがめちゃめちゃ高い私が、なぜ映画館に行ったのか。

それは… 三浦春馬さんが出演するから。

天才恋愛詐欺師 ジェシー役。これがもう、さいっこう。
ジェシーという天才の役にぴったりハマっていて、あれはもうすごかった。

ファンだった。今でも一番好きな俳優さん。
きっと私が老婆になっても、三浦春馬はいいぞって言うだろう。

この映画は好きな俳優が出演することと、コンフィデンスマンJPという作品が面白くて好きだったから、重い腰を上げて見に行った。

面白くて好きな作品に好きな俳優が出演するから見に行って、ただそれだけだったのに。
私はこの映画のことを今でも忘れず、ずっと心の中で温めている。

コンフィデンスマンJPを超簡単に
ダー子、ボクちゃん、リチャードという3人の信用詐欺師たちが、欲望にまみれた人間たちから大金をだましとる、スケールが壮大すぎる詐欺(コンゲーム)を描く。 毎回奇想天外なトリックで視聴者もみんな騙される、スカッと爽快見れば見るほど病みつきになる作品。(個人的見解)

プリンセス編のあらすじ(公式HPより)

世界有数の大富豪フウ家の当主レイモンド・フウが亡くなった。
遺産を巡り火花を散らしていたブリジット、クリストファー、アンドリューの3姉弟の前で執事トニーが発表した相続人は、誰もその存在を知らない隠し子“ミシェル・フウ”だった。
ミシェル捜しが続く中、10兆円とも言われる遺産を狙い、我こそはミシェルと世界中から詐欺師たちが“伝説の島”ランカウイ島に大集合!
そして、ダー子、ボクちゃん、リチャードの3人も、フウ家に入り込み、華麗に超絶大胆にコンゲームを仕掛け始める…
はずが、百戦錬磨のコンフィデンスマン・ダー子たちに訪れる最大の危機!
誰がフウ家の当主の座を射止めるのか!?世界を巻き込む史上最大の騙し合いが始まる!!

映画の公式HPより引用
https://confidenceman-movie.com/princess/


コンフィデンスマンJPはどの回を見ても面白い。

このプリンセス編は他の作品と比べると、どんでん返し部分が弱いというレビューもあるが、私はそこは問題ではなかった。

これは、「シンデレラストーリー」だ。

莫大な遺産を狙い、我こそはミシェルだと世界中から詐欺師が名乗り出る中、ダー子たちももちろんフウ家に。

ダー子がフウ家に相続人のミシェルとして送り込んだのは、コックリという身寄りのない陰気な女の子だった。
コックリはひょんなことからダー子に拾われ、子猫ちゃん(手下)としてダー子のチームに加わった。

何を聞かれても無言で頷くので、コックリと名付けられた彼女。
最初は陰気でオドオドしていたコックリだが、ダー子の手によりプリンセスに仕立てられていく。

プリンセスさながらのコックリを本物のミシェルだと送り込んでも、この映画はコンフィデンスマンJPだ。相手は大富豪フウ家、世界中の詐欺師が狙っている、騙すのはそう簡単ではない。

ネタバレになってしまうといけないので、どこまで書くか迷ったが…… そう簡単ではないところが面白く、コンフィデンスマンJPらしい展開があるのでぜひ見て欲しい。

この物語はコックリのもつ優しさ周囲の人間の幸せを願う純粋な気持ちが物語を動かすカギとなっている。

これでは、よくあるシンデレラストーリーではないか。
良い話だった〜とTwitterに感想を呟いてすぐ忘れてしまうところだが、

物語の終盤 ダー子の言葉が、私はずっと心に残っている。

私達は何にでもなれる。なりたいと思ったものになれる。
本物も偽者もない。信じればそれが真実。

あの子は偽物のプリンセスか?
わたしは、本物のミシェルになれるのか?

なりたいと思ったものになれる。
わたしは、ミシェル・フウ……


私たちは、何にでもなれるのか……
上映後も、ダー子の言葉は私の内側に残ったままだった。

私も、なりたいと思ったものになれるのだろうか。

当時はどこか自分の中で毎日モヤモヤしていた。
映画が公開された夏は、私の中で処理しきれない物事が多く重なり、気持ちに余裕がなかった。

大きく穴が空いてしまった感覚。
現実を直視できない。
悲しいことや怖いことには背を向けて。
心と自分の行動が分かれているような何か。

ダー子の言葉は私の中に入ったまま、何度も思い出しては自然と泣いていた。


今でも苦しくなると思い出す。

私達は何にでもなれるんだ。
プリンセスにだってなれる。

信じればそれが真実。
自分が信じなくてどうする。

苦しくなって思い出す度に、ダー子の言葉を自己解釈し、色々付け足している。

私にとってこの言葉はお守りのようだ。
あの夏を大切に取っておくための言葉でもある。

ただ好きな人が出演するし、面白い作品だからと見に行ったあの日。

今でも映画館に行くのはめんどくさい。ハードルが高い。
でも、たまには行ってみようかな。


参考

テーマ Day15 誰かにオススメしたい本・映画・アニメ・ドラマ
いしかわゆき さんの書籍 「書く習慣」 からのテーマです。#1ヶ月書くチャレンジ をやってみます。

いろいろ書いてみるので、他の記事も覗いてみてください✨