見出し画像

記憶を改ざんしたので、私は大人になった。

子どもの頃の記憶。

私のいちばん古い記憶は、工作をしていて親指をカッターで切ったことだ。幼稚園児だった。

幼稚園児や小学生の頃、毎日NHKの教育テレビ(今はEテレ)の子ども向け番組を見ていた。

大好きだったのが、工作番組「つくってワクワク」だ。

ワクワクさんとゴロリ(着ぐるみ)が登場する。
「つくってあそぼ」または「つくってワクワク」ときけば、知っている人も多いだろう。

毎回、ワクワクさんが今日はコレを作るよと言って、ゴロリに教えていた。視聴者の私も同じように作っていた。

紙1枚の簡単なものから、テープを使ったもの、トイレットペーパーの芯やお肉のパックを使った工作もあった。
家庭にあるような材料で工作ができる、工作が好きな子どもには最高の番組だった。

いちばん古い記憶の私は、工作に使うためにペットボトルのフタに穴を開けようとカッターを使っていた。

幼稚園児がカッターを使うのかと思うが、バリバリの工作好き幼児だったのでハサミもカッターもなんでも使っていた。

ペットボトルのフタって、なかなかかたい。幼児には無理だと思う。
何故穴を開けたかったのか分からないが、ワクワクさんだったら大人の人にやって貰ってねって言っていたはずだ。

案の定手を切って出血してびっくりして……というところで記憶はなくなっている。

カッターで親指を切ったことしか覚えていなくて、あとは子どもの時はすごく工作してたなぁ〜くらいの印象。

何となく昔のことは覚えているような気がしていたが、もっと歳を重ねたら、さらに忘れてしまうのだろうか……。
もっと都合よく記憶を改ざんして、忘れてしまうこともあるかもしれない。

つい最近、小学校と中学校の成績表を捨ててしまった。毎学期に渡される成績表、通知表。中学の定期考査の成績表。

捨ててしまったと書いたが、1ミリも後悔していない。

なんかもう要らないな〜見ないし。
なんか思い立って断捨離。

このくらいの感覚と勢いで捨てた。

捨てる前に成績表を見てみたら、小学生の成績表には毎回「もっと積極的に意見言えたらいいね」のようなことが書いてあった。

うわぁーーーー嫌だーーーいつもこれ!

お察しの通りの子どもだったので、はぁ……

中学の定期考査の成績表を見たら、うん。なかなか勉強してたね私。素晴らしい成績でした!

ほんとうに素晴らしい成績だったのか。今はもう成績表は捨ててしまったので、事実は今後永遠に分からない。
こうやって都合の悪いものは捨ててしまえば、過去のことはなんとでも言えるのだ。

(素晴らしい成績はホントです。)

私は自分で成績表を捨てておきながら、大人はこうやって都合よく記憶を改ざんしているのだなぁと思った。

人間の記憶なんかあやふやで、すぐ忘れてしまう。

脳内にデータを置いておくだけだとすぐに忘れる。だから紙に書いたり、スマホでメモしたり、誰かに話したりして記憶を定着させているんだろうな。

…と、当たり前なことを考えていた。

小中学生の思い出すとうわぁーー!となる記憶は改ざんし、これからは昔は素晴らしい成績の生徒だったことにしちゃお。

参考

テーマ Day5 昔はどんな子どもだったのか
いしかわゆき さんの書籍 「書く習慣」 からのテーマです。#1ヶ月書くチャレンジ をやってみます。

いろいろ書いてみるので、他の記事も覗いてみてください✨