ドヤ顔でWebデザイナー気取りする無能紙デザイナーは消えろ

色んなWebプロジェクトに関わっていると、たまにWebデザイン担当するデザイナーが紙出身だったりする。僕自身、紙のデザインもちょっとやってたし、キャリアのスタートはチラシやポスター、看板とかを作ったりもしていた。でも僕はWebが中心だったから、紙のデザインってそこまで得意じゃないんだよね。

紙のデザインの世界って結構すごくて、Webデザインよりずっと歴史が長い。しかもWebみたいにすぐに文字を直すみたいなインスタントなやり直しが効かないから、文字校とか超厳しいのな。
昔、紙出身の出来るデザイナーさんと仕事をご一緒したことがあって、そりゃもうダメ出しされまくった。カーニング設定の甘さとかバンバン突っ込まれた。でもあれは本当にためになった。Q数って言葉もその時に初めて知ったんだ。今でも感謝している。だから僕は今でも紙のデザイナーさんには一定のリスペクトをもっている。


その一方で、WebデザインにはWebデザインならではのやり方みたいのがあって、それは紙デザイン中心でやってきた人にはちょっと分からないことも多いと思う。

すごく分かりやすいところだと、紙ってのはA4なりB5なり決まったサイズの中にデザインをしていく。だから結果もある程度予想できるし、レイアウトもそのサイズの中ならある意味自在だ。
だけどWebの世界だとそうはいかない。ユーザが見ている環境はPCかもしれないしタブレットかもしれないしスマートフォンかもしれない。当然だけどディスプレイのサイズも縦横比も違う。

フォントもそう。紙のデザインならアウトライン化して印刷してしまえばフォントが何だろうが反映できるけど、Webデザインだとユーザの環境に依存する(Webフォントもあるけど日本語だとファイルサイズめっちゃでかい)。WindowsかMacかAndroidかiOSかでも違うし、使うブラウザによっても計算方法が違う。更に言えばユーザが目が悪くて文字サイズを大きく設定していることもある。

一言で言えばWebは可変する世界だ。


紙デザイン出身の人でも、この辺のことをちゃんと理解している人ならエンジニアとちゃんと話が出来るし、ある程度の余裕をもって考えることが出来る。

でもこれが無能な紙デザイン出身者で「俺、WebデザインもできるんだZE」くらいの勘違い野郎のゴミだったりすると始末におえない。1px程度デザインカンプとずれていることに必死になったり、デバイスサイズごとに違う改行が異なることを気にしてギャーギャー喚いたりする。
それはWebのことを何も分からず、紙デザインと同じ観点でデザインを作るからだ。Webの特性も事情も何も考慮されていない

昔は「1pxにこだわる(キリッ」とか「ピクセルパーフェクト(ドヤァ」みたいな決め台詞を色々聞いたもんだが、ハッキリ言ってオワコンだ。
もちろん「神は細部に宿る」といって1px単位の工夫をすることは悪いことではない。そうした小さな工夫がクオリティを上げるのは事実だ。

でも、レスポンシブデザインが主流となりアクセシビリティやユーザビリティを考慮する現在となっては1pxの誤差を直すより、1pxの誤差を許容できるデザインをそもそも作るべきだ。こだわるポイントを間違えてはいけない。

厳密に16pxの文字と16pxのアイコンサイズを決めるより、1remの文字サイズと1remのアイコンサイズを決めること。そしてユーザが18pxの文字サイズに引き上げる選択をした時に、Webデザインがちゃんとその選択を尊重し許容できるものになっているかどうかがWebデザインの世界では大切になるし、それこそがWebデザインにおけるクオリティでもある。


なんとなくWebサイトっぽいデザインを描けるからってWebデザイナー名乗る様な無能紙デザイナーはいらない。違う国に旅行に行ったら、そこの作法は守るだろ。それと一緒だ。

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