Webプロジェクトをゴミにしたくなければ全員これを部屋に貼って毎日復唱しろ

僕はしがないフリーのWebデザイナーだ。デザイナーといっても、デザインもやればディレクションもやるしHTMLやCSSも書くしJSやPHPもいじるという、Webのことは何でもやらされていた、いわゆる古いタイプのWebデザイナーだ。分業化や専門化が進んだ今となってはどこのポジションでも中途半端にしかならない。

無駄に10年以上もこの業界で仕事をしているおかげで、大した実力はないくせに色んな場面だけは見てきた。良い感じにまとまって今でも元気に運用中のプロジェクトもある一方で、デスマーチになったり炎上したりして結果的にゴミみたいなプロダクトが出来あがったなんてことも日常茶飯事だ。

願わくば自分の関わったプロジェクトはゴミにしたくない。このプロジェクトを通じてクライアントさんやユーザが少しでも幸せな気持ちになってほしい。たぶん誰だってそう思ってる。反りが合わないあのディレクターも、いつも一言多いあのエンジニアも、何かとジョブズはと言い出すあのデザイナーも、きっと自分の仕事が誰かの幸福に繋がってほしいと心の中では思っているはず。はず。

だけども、実際には上手くいかないことはよくある。もしかすると上手くいくケースより上手く行かない方が多いかもしれない。原因は色々で、単にリソースやスキルが不足していることもある。
でもな、10年以上やってきてそうじゃねえなと思うことも多々ある。どんなに天才的な連中が集まったチームでも瓦解してしまうことはある。

失敗してゴミが生み出されるプロジェクトによくあること。
それは「目的を見失う」ことだ。

Webプロジェクトに携わった人なら分かると思うが、プロジェクトで生み出されるものは何らかの目的をもって生み出される。そのはず。
企業のブランディングか、製品のPRか、そのプロジェクトによって目的は異なるが何かしらの目的がある。

某デザイン入門書などにも冒頭にこんな様なことが書かれている。

だれに、なにを、なぜ、いつ・どこで、どのようにして

これはWebプロジェクトに限らず、何かプロダクトやサービスを生み出そうとするときに必ず通る大事なところだ。だから某入門書にも冒頭に書かれているのだろう。

だけど、時々その目的は見失われる。

好みで構築されたアーティスト気取りのデザイン
独善的で独りよがりな実装
その場の思いつきで決まったアイディア

こうなると、いかに関わっているメンバー一人ひとりが天才的でも出来上がるのはゴミだ。
目的を忘れてはいけないのだ。ディレクターも、デザイナーも、エンジニアも、そしてクライアントも。プロジェクトに関わる人は以下の文章をデスクの横にでも貼り出して、毎日復唱でもするべきだ。

だれに、なにを、なぜ、いつ・どこで、どのようにして

あなたが今関わっているプロジェクトをゴミにしたくないなら、目的を思い出すべきだ。プリンタが無いならデスクトップ画面でもアラート設定でもなんでも良い。毎日目に入るところに置いておくべきだ。沢山のゴミを生み出すことに加担してしまったことがある僕だからこそ強く言いたい。

もう産廃を生み出すのはごめんだ。

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