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書評02 『すぐやる人』と『やれない人』の習慣/塚本亮

・何をやっても長続きしない
・なかなか行動に移せない
・どこかで怠けてしまう

こう思っている人って結構多いんじゃないかなと思います。そういう私もその一人です。やらないといけないのは分かっているのに、なかなか行動に移すことができません。

「もっとやる気を出そう」「みんなやっているし」「根性が足りないんだ」

こういう精神論で自分を奮い立たせようとしている人もいるかもしれませんが、これでは、ただ同じことを繰り返していくだけです。時には、精神論が必要な場面ももちろんあります。しかし、一番重要なことは

自分を動かす「仕組み」を知ることです。

その仕組みを理解し、少しづつ行動に移していけば、「継続」していくことも可能だと思います。

筆者は、この仕組みを以下のように考えています。

意志×環境×感情

自分の意志だけでなく、すぐやってしまう環境、すぐやるための感情の3つの要因を作り出すことが、「すぐやる」ための仕組みだということです。

この本は、1〜7章に分かれていて、全部で50の項目から「すぐやる人」と「やれない人」について解説しています。
全ての項目を紹介するのは厳しいので、私がいいと思った項目や当てはまる箇所を少し紹介したいと思います。

第1章 〜思考〜

ここでは、意志や気持ちの面から説明しています。

・モチベーションは「やりたい!」と思った時が、鮮度のピークである⇨鮮度が高いうちに0を1に変えておく!

「ツァイガルニック効果」と呼ばれ、人間は中途半端にしていることに関して強い印象をもつため、一歩でも動いていれば気になってしまう、ということ。

「逆算思考」の考え

逆算思考とは、予めゴールを設定することです。

最初にゴールを設定して、それを達成するためのプランを考える→自分が何をすればいいか明確になる→逆にやらなくてもいいことも分かるので無駄がなくなる

この無駄を排除するということは、個人的にかなり大事なところだと思います。実際、作業などをしていても、無駄なことに時間を割いている時ってかなり多いです。私は、作業するのが遅いので特にここは意識したいところです。

・「すぐやる人」は考えるために行動し、「やれない人」は行動するために考える⇨やれない人は、あぁだこうだ考えて"結局行動しない"

(Do)小さくてもいいから、まず初動を起こす
(Check)何かしらの反応が返ってくる
(Action)改善策を練る

↪︎このフィードバックこそがモチベーションを作ることに繋がります。最初は少し踏み出してみるだけでいいです。それを繰り返していくことで自信に繋がり、いつか「楽しさ」に変わってきます。そうなれば勝ちです。

第2章 〜自分を動かす〜

・やるしかない環境を作ること

やらなければならないのに、スマホやゲーム、漫画などの誘惑に負けてしまう、そういう方も多いと思います。だったら、いっそのことその要因であるものを遠ざけることを考えてください。誘惑に打ち勝つよりもよっぽど楽だと思います。

・まず小さな石を動かすことから始める

継続できない人の特徴として、いきなり大きな石を動かしてやろう!と考える人がいます。結局動かすことができず、断念してしまい動かすこと自体を辞めてしまうのです。

筋トレで例を出せば、全く腹筋をしない人が、急に腹筋100回なんてできるわけがないです。でも、10回だったらどうでしょうか?できる気がしますよね?それを毎日こなし、慣れてきたら20、30回と徐々に上げていけばいいのです。そうすることで100回を達成できるようになって行きます。まぁ腹筋100回て慣れててもかなりきついですけどね(笑)

第3章 〜周囲を動かす〜

・選択肢を3つ用意する

相手に予定を尋ねる時、「いつが空いていますか?」このような聞き方をしていませんか?これでは、相手からすると選択肢が多すぎて決めきれないということが起こってしまいます。

そこで、「11月15,23,28でどこか空いている日はありませんか?」このように3つに絞らせることで、検討しやすくなり、相手からのアクションを起こしやすくすることができます。

・期限を自分で設定する

期限を与えられたままやるのではなく、期限を自分で再設定することで、適度な緊張感を持って取り組むことができます。期限が残りわずかであれば時間に対しての緊張感はある程度持てます。しかし、時間があればあるほど、後回しにしてしまいがちで、結局時間がなくなってしまうのです。夏休みの宿題がいい例ですね。

第4章 〜感情マネジメント〜

嬉しい気持ちや楽しい気持ちがあれば、自然とワクワクして行動力は高まってきます。しかし、イライラしたりストレスが溜まると、思わぬ行動を取ったりしてしまいます。反面、「見返してやる」「一泡吹かせてやる」こういう怒りの気持ちは、行動を促してくれるとも言えます。

このように、感情と行動は切っても切れない関係にあるのです。

感情は自分の中だけに溜め込まず、そのまま吐き出してやることも必要です。感情をそのまま紙に書き出してもいいし、自分だけしか見れないSNSで書き込んでもいいです。そうすることで気持ちの整理をつけることができ、自分を見つめ直すこともできます。

・根拠なき自信を持つ

「自信がないから、やらない」ではなく、「やるから自信がつく」のです。最初は誰しも勇気がでないのは当たり前です。しかし、自信をつけるためには、まず動いて見なければ始まりません。

初めて自転車に乗った時って本当に怖かったはずです。でもそれが、最初は補助輪付きだったのが片方になり、最終的には、二輪で問題なく走れるようになっていますよね?それは、何度も転けて転けてそれでも続けて、徐々に乗れるようになっていき、自信がついたからです。だから自転車に乗るという行為に抵抗もなく恐怖心もなくなったのです。

第5章 〜体調管理〜

・朝を効率よく使う

人間の脳は起きてから2〜3時間後が一番活発に活動します。ですのでこの時間はクリエイティブな時間に適しています。

・睡眠をとる

これは言わずもがな知れたことですよね。6時間未満の睡眠は、意志力の回復を妨げ、誘惑に負けてしまう可能性が高くなります。

あの俳優の哀川翔さんが「早寝早起きは、間違い。早起き早寝でしょう」とおっしゃっていたらしいのですが、本当にこの通りですよね。早く起きるから早く眠たくなるのであって、急に早く寝ようと思っても、寝られませんよね。

第6章 〜時間・目標管理〜

・数字のある目標を定める

第1章で、逆算思考の考えを説明しましたが、その目標設定の際に、具体的な数値を設定することで、計画が立てやすくなります。1週間で7㎏痩せるという目標があるとしましょう。ざっくりその目標を細分化すれば、1日で1㎏痩せればいいということになります。そうすれば、目標までの計画を立てやすくなりませんか?人は具体的な数値があれば、基準を定めやすくできるのです。

・1日のスケジュールに余白を作る

あなたは、1日のスケジュールにどれだけ余裕が持てていますか?どこかで、時間を作っていれば、もし不測の自体に陥った時も、対処する余裕があります。しかし、予定を詰め込んでいたら、それに対処する時間がなくなってしまうわけです。私も営業をしていた頃は、客とのアポをつめすぎてしまい、急な私当ての来客に対応できなかったこともあります。

・優先順位を決めて仕事を進める

すぐやる人は、自分のやるべきことを以下の図に落とし込んで考えています。

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① 緊急かつ重要なこと
② 緊急だが重要ではないこと
③ 緊急ではないが、重要であること
④ どちらも低い

ここで重要なのは③です。
この緊急ではないが、重要であることにしっかりと時間を割くことができるように、優先順位を付けていくことです。
④はあまり意味のないことなので、可能であればできるだけやらないようにしましょう。

・いきなり100点を目指さない

これは前回の『アウトプット大全』での書評でも述べましたが、やれない人は、いきなり満点を目指そうとします。しかし、いきなり頂点を目指しても、結局満点も取れず、締め切りにも間に合わない、そういう自体が起こります。
ですので、まず70点でもいいので完成させてみる。それから改善を重ねて、100点に近づけていく。最初から満点なんて取れるわけがないのです。

・断ることも必要

頼まれたことを断れずに、全て引き受けてしまう人っていますよね?私も以前の職場ではそうでした。しかし、それで時間に追われてしまい、仕事で詰まっていても助けてもらえるわけでもなく、結果自分の首を締めているだけでした。
特に若手であれば仕事を断るなんてしたくないと思います。しかし、せっかく引き受けても達成できず、悪い評価を受けてしまうことほど馬鹿なことはありません。
断ることは、短期的にみればマイナスかもしれませんが、長期的に見ると別の形でいい関係が生まれるかもしれません。たった一回断っただけで離れていくようであれば、むしろ見限っていいのではないのでしょうか?

第7章 〜行動〜

・マネすることに抵抗を感じない

経験がないことをする時って、やり方がわからなかったりするので、なかなか作業が進まないことがあります。そういう時は、上手な人のマネをすることです。マネを何度も繰り返すことで自分だけのオリジナルが生まれます。

・誰に出会うかで環境を選ぶ

何を学ぶかではなくて、誰に出会うかで環境は選ぶべきです。その理由は、行動力の高い人たちの中に入ることが、大きなモチベーションを生み出すからです。自分からやるしかない環境を作ることが重要です。

・インプットマニアにならない

これも『アウトプット大全』で述べた内容と被りますが、インプットをするだけでは成長はできません。インプットした内容をアウトプットすることで、記憶にも定着しますし、頭の中を整理することができます。
アウトプットすることは、インプットすることよりも重きをおく必要があるのです。
比率は、インプット:アウトプット=3:7の割合で行っていきましょう!


「すぐやる人」になるためには、気持ちや意志の精神面だけではなく、「仕組み」を理解する必要があります。この本では、その仕組みを50の項目に分けて説明していますが、全て実践する必要はありません。「これが足りないな」「これを実践してみようかな」そう思える項目を試してみればいいです。そして少しづつ「やれなかった」自分を「すぐやる人」に変えていきましょう。


とここまで、いいところを述べてきましたが、全てが読者に当てはまるわけではありません。「すぐやる人になるため」のコツを、考え、行動、感情、体調管理や時間管理などから説明していますので、人によって捉え方や考え方は違いますし、あくまで参考として読むことをオススメします。
科学的に裏付けされた人間の思考などは、共通で参考にできる内容かなと思いました。


とはいえ個人的にはよかったので、機会があればぜひ読んでみてください!


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