見出し画像

【PIECES × We are Buddies コラボ企画 】自分語りの対話会 Vol.2 ~CforC参加者・おとなバディたちが、自分の体験を語ります~ イベントレポート

こんにちは。事務局のあやかです。一般社団法人We are Buddies(以下、WAB)と、想いを共にする仲間であるNPO法人PIECES(以下、PIECES) がコラボで行っている自分語りの対話会vol.2を2024年5月16日に行いました。その様子をレポートとしてお届けします!(Vol.1 のレポートはこちら

「自分語りの対話会」とは
一般社団法人 We are Buddies (WAB)に参加しているおとなバディと、市民性を醸成する活動に取り組むNPO法人PIECESが行っているプログラムの参加者が、活動を通して芽生えた感情や変容について語ってもらう、対話型のイベントです。

はじめに

最初は、PIECESとWABのそれぞれの活動紹介からスタート。

PIECESは、子どもの周りに信頼できる他者を増やすことで、子どもが孤立しない地域をつくることを目指しています。子どもの孤立が深まる前に、地域の中で子どもを見守り、子どもに寄り添う市民を増やすための市民性醸成プログラム Citizenship for Children (以下、CforC)を行っています。

このCforCのエッセンスは、WABで大切にしていることともつながっています。WABに参加するおとなバディの方は、こどもバディとマッチングをする前に必ず研修を受けます。その研修が、CforCの内容をベースにWAB向けにアレンジしたものなんです。普段から想いを同じくして、連携しながら活動しているWABとPIECESが一緒に場をつくったのが、この自分語りの対話会です。今回は、第1回のときと同様に、一部WAB・PIECESのことをどちらも初めて知ったという方も参加してくれました。こうしてイベントで新たな出会いが生まれるのはとっても嬉しいです。

それぞれの団体の活動内容や大事にしている思いを受け取った後は、参加者同士の今の気持ちをシェアしていきます。前回に引き続き、感情を表す言葉と、美しい色合いで様々な模様が描かれた『感情カード』を眺めて、1枚選び、それを選んだ理由を一人ずつ話してもらう、チェックインを行いました。

みなさんカードを掲げながら、今の気持ちやこのイベントに来た背景をぽつりぽつりと話し出しました。今回は、カードに書いてある感情を表す言葉ではなく、カードの色彩や模様を直感的に選ぶ人がほとんどでした。日々感じられている思いや違和感など、みなさんが今日まで抱いてきたものと、このイベントがここで交わったことを感じられて、なんだか胸がぎゅっとなりました。

みんなの気持ちをシェアした後は、いよいよ3人の語り手のトークです。

みんなに愛と勇気を届けたい

1人目の語り手は、小学校1年生の女の子とバディを組んで半年ほどの、かすみん。

『わたしの人生とおとなバディ』をテーマに、その場で浮かんできたことを10分間語ってもらいました。チェックインと同じように全員で輪になったまま、かすみんにはその場で話してもらい、みんなで耳を傾けました。

テーマをみて、「みんなに愛と勇気を届けたい」「できるだけ自分が関わる人にハッピーでいてほしい」「アンパンみたいな存在でいたい」という気持ちがある、と語り始めてくれたかすみん。

かすみん自身もシャイで、困っていても、困っていると言い出せないこともよくあるみたいで、自分で解決するしかないのかなと葛藤したこともあったようです。そんなときに助けてくれたのは身の回りの人たち。家族よりも身近すぎず、ちょっと遠くにいるけど見守ってくれていた人の存在に助けられたとのこと。そんな経験から自分も誰かにとって、そんな存在になれたらいいなと、おとなバディを始めた思いを話してくれました。

実際にバディを始めてみて、最初は相手のこどもバディが、お母さんの後ろに隠れてもじもじしているようなシャイな様子だったようです。最近は、学校で作ったものを見せてくれたり、いろんな話をしてくれるようになったとにこやかに話してくれました。

今では、こどもバディが帰り道に寄り道をして、いろんな話をしながら、少しでもかすみんと一緒にいられる時間を延ばそうとしたり、自分の気持ちを前に出してくれる様子も増えてきたそう。そんな関係性になってきて、かすみん自身も相手に合わせるだけでなく、自分が純粋にやりたいことを提案したり、相手も自分も大事にするということを実感できるようになってうれしいと、話してくれました。

語り手のトークが終わった後は、それを聴いていたみんなで感じたことを少しずつシェアします。「愛と勇気を与えられる人でありたいという、その言葉が、私はすごくカだと感じた」「その気持ちを持ちながらバディをやっているんだろうなと想像して、とても尊いな」という声が聴こえてきました。

子どもの「ために」ではなく、子どもと「ともに」

2人目の語り手は、CforC2023の修了生であるライドさん。

CforCに参加した経緯は、自分の根っこに、「いい父親になりたいな」という思いがあったと語り始めます。もともとあんまり人と接するのが得意ではなく、システムエンジニアの仕事を選んだそう。普段の仕事はチャットベースのやりとりばかり。得意なことでお金を稼いでいるけど面白味がなく、もっと人とふれあってみたいという思いが芽生えてきたそうです。そんなときに、知り合いに荒川区にあるまちの図書館『なにかし堂』という居場所を紹介してもらい、そこで週に1度ボランティアを始めたそうです。

なにかし堂でのボランティアは、とても楽しかったけれど、自分は「大人」でそこで出会う子どもたちは「子ども」というフィルターが抜けられなかったんだそうです。「彼らに何を与えられるか」というのを考えていたときに、店主の人からCforCを紹介されたとのことでした。

そんなきっかけでCforCに参加してみて思ったのは、「与えるとかではない」ということだったそうです。いかに子どもたちと自分は一緒に楽しく過ごせるのか、子どもの「ために」ではなく、子どもと「ともに」を考えるようになったと、清々しい表情で語っていました。

ライドさんの話を受けて、CforCに参加する前から半年以上ずっとライドさんのことを知っていた筆者のわたしは、胸がいっぱいに。これまでは、子どもとのかかわりや居場所づくりについて、葛藤し頭を抱えているライドさんの姿が印象的でした。この場では、ライドさんが問い続けることの大切さを体現されている様子をみて、私自身がとてもエンパワーメントされました。

自分を掘って蓋を開いてきたからこそ、出会えた関係性

3人目の語り手は、詩麻(しあさ)さん。CforC2022に参加した後、おとなバディとして活動を始めた方です。

20代の頃は、演劇が生活の中心だった詩麻(しあさ)さん。お稽古やオーディションの合間に、夜勤で働いていた頃は、街中や職場で補導されていた未成年をいっぱい見てきたそう。自分自身も身近な人に助けられていたからこそ、そんな未成年の姿が忘れられなくて、自分も彼ら彼女らの身近な存在になりたいと思ったと話してくれました。

未成年の姿がきっかけとなり、中高生専用の公共施設での勤務を始めたようです。子どもと関わることには門外漢だったため、なにか学んでみよう!と、いろいろ調べていたときに見つけたのがCforC。さっそく参加したとのことでした。CforCに参加して様々な人の話を聴くなかで、WABに出会い、ピンときたようです。

今は、小4の女の子とバディになって2年目。1年目は、なかなかフラットな関係性が難しく、試行錯誤していたそうですが、最近は相手のこどもバディといるときに、詩麻(しあさ)さん自身のその日の体調が、素直に出るようになったそうなんです。頭が痛かったり、眠かったり、おなかがすいたり、そういうのを素直に感じて、こどもバディにも素直に話せた。こどもバディもそれを聴いて、マシュマロをくれたり。そんな瞬間に、最初の1年間は仕事の延長で、こどもバディと会うことに割とコンディションを整えていたのかも、と気づいたそうです。そして、今ようやくフラットになってきたんだなと実感したとのこと。2年目がとても楽しみ、と微笑んでいました。

WABに出会ったのもCforCがきっかけで、CforCで自分のことを掘り返して、蓋を開けていったことで、今があるんだなと。今後も相手のこどもバディとは、自分なりの新しい関係性ができたらいいなと感じているそうです。

語りを聴いた直後の感想共有では、みなさんそれぞれに自分の経験と照らし合わせたり、響くことがたくさんあったみたいです。聴き手のなかからは、演劇をやってきた詩麻(しあさ)さんならではの感覚や人とのかかわりについて、「自分らしさをどうとらえていますか」など、問いが投げかけられ、その場での対話が続いていきました。

おわりに

3人の語りと感想共有を経て、なんだか心がもういっぱい。最初と同じように、感情カードを用いて、今の気持ちを一人ずつ話すチェックアウトを行いました。

わくわく、ざわざわ、歯がゆさ、愛おしさ…。3人がこれまで歩んできたストーリーを聴いて、みんないろんな気持ちを味わっていました。みなさんがチェックアウトで話している様子を見ると、3人の語りによって、それぞれ自身のなかでも、いろんな記憶や感情が呼び起されていることがとても伝わります。

「嬉しい気持ちと、葛藤、強い気持ちと、いろんな気持ちみたいなのを抱えつつ、みなさん日々を生活をしてるんだなっていうことを感じた。いろんなものを持ちながら走るというか、生活を営んでいくっていうのは、なんか悪くないのかなって思いました。」という感想もあり、一人一人の語りを聴くというのは本当にパワフルなことなのだなと、肌で感じ、心に刻んだ時間となりました。みんなでともに時間を過ごせて、本当によかったです!!

今後も、みなさんの体験談を聴く対話会やイベントを開いていけたらいいなと思っています。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
We are Buddies って?
子どもと大人がバディとなり、遊んだり話したりしながら、細く長い関係性を築きます。保護者の方だけが子育てを頑張るのではなく、多くの大人が関わり、登場人物みんなが力を抜いて、優しい気持ちになれる社会を目指し立ち上げました。

【寄付のご協力、お願いいたします!】
ウェブサイト↓にて「寄付する」をクリックすると、3分間以内に手続き完了いたします!
上記バースデードネーションだけでなく、日頃からスポット寄付も、マンスリーサポーターも募集しています。
https://wearebuddies.net/?openExternalBrowser=1

【SNS各種、フォローお願いします!】
Website:https://wearebuddies.net/?openExternalBrowser=1
note:https://note.com/wearebuddies
Instagram:https://www.instagram.com/we.are.buddies/
X:https://twitter.com/wab_buddies?t=Hhmq4wMkaZvR1odjBpKtug&s=09


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?