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【PIECES × We are Buddies コラボ企画 】自分語りの対話会 Vol.1 ~CforC参加者・おとなバディたちが、自分の体験を語ります~ イベントレポート

人と人とが出会うこと、自分を見つめること、相手の背景を想像すること、自分も相手も大事にすること。
そうしたことに真摯に取り組んでみると、つたない記憶、新たな感情、これまで見えていなかったものなど、それぞれの心の内には自然と何かが生まれてきます。
その変容は、後生にまで語り継がれるような劇的なものではないかもしれません。
しかし、今この瞬間もひっそり、じんわりと、一人ひとりの心になにかが芽生えています。

このイベントでは、私たち一般社団法人We are Buddies(以下、WAB)と、想いを共にする仲間であるNPO法人PIECES(以下、PIECES) それぞれの活動に関わる人たちに、活動を通して芽生えた感情や変容について語ってもらう、ということをしてみました。

著名人の語りではなく、ひとりの市民としての、些細で、でも確かな手触り感に満ちた、唯一無二のストーリー。
イチ参加者としてその場に居た私(WABのかなはです!)、みなさんの語りの最中に何度も言い表せない感情の塊が体内をせり上がってくる感覚になったり、自分でも理由のわからない涙が溢れてしまったりと、ひとりひとりの語りのエネルギーの威力にやられてしまったんですよね。

今どきちょっとめずらしく(?) 対面のみのイベントで、その語りの威力はその場かぎりの特別さをもっているとは感じつつ、できるだけおすそわけできたら…!と思いながら綴っていきます。

想いを共にする、PIECESとWe are Buddies

PIECES、WABに関心のある10名の参加者、自身の体験談をお話してくれる3名の語り手、ファシリテーターがごちゃまぜにひとつの円になって、イベントがスタート。
様々な方に関心をお持ちいただき"はじめまして"の方も多かったのと、「これはどんなイベントなんだ??」という得体の知れなさ(笑)から、ちょっぴりの緊張感が会場に漂っていました。

ゲストも参加者も運営も、垣根なく全員で円をつくる

まずは、PIECES、WABそれぞれの活動紹介。
PIECESは、子どもの日常に関わる人たちの市民性の醸成・エンパワメントを通じて、さまざまな背景を有する子どもたちに対して柔軟で主体的なアクションを生み出すためのプログラム Citizenship for Children(以下、CforC)を運営しています。
WABでは、これからおとなバディをやろうとしている方たちに向けこのプログラムをアレンジし、対話型の研修をしているんです。
子ども、そしておとなバディになろうとするその人自身の、心の奥にある願いを探る出発点となる、大切にしてきたプロセスです。

PIECESとWe are Buddies。
社会に届けるかたちは違えど、"子どもの心の孤立"と向き合いながら、"できることで、できるときに" ”関わる人自身の声や願いも大切に" 社会にあたたかい循環を生み出したい、という想いを共にしているんだなということを再確認した時間でした。

2団体の想いがじんわり広がり少し場の空気がほぐれたところで、チェックインとして、『感情カード』を使ってこの場に集まったみなさんの胸に今在るものを場に出しあいました。

70種類のイラストと言葉で感情を表す感情カード

子どもとの関わりを通じて表現したい ”人生で大切にしたいこと”

ここからは、語り手に順番に時間が渡されます。
語り手のみなさんには、10分間ご自身のストーリーを語ってもらい、その場にいる他の全員が耳を傾けます。
なるべくその場でわき出たものを話してもらうため、あえて事前の準備はせずに場に来てもらいました。

1人目は、CforC 2023の修了生である、みやこさん。
テーマは『わたしの人生とCforC』。
このテーマで話すには息子の存在が欠かせない、と彼との関係や、療育や学校での経験を通して感じたことから話し始めてくれました。
CforCとの出会いは、その中でつのってきた"私の人生で大切にしたいこと"を、どうしたら表現できるだろうと探し求めていた中でだったそう。

参加者の前で自らの体験をその場で言葉にして伝え、みんなで耳を傾ける

この半年間のCforCでの対話を通して、息子さんとの関係によい変化があったと感じているとのこと。
それは、毎日の息子さんとの生活の中で起きる様々な出来事への捉え方だったり、そんな時ひとつ立ち止まってから彼に声かけをするようになったりと、ほんのちょっとの自分自身の変容なんだといいます。

また、現在プログラムは、対話を通して探求してきた自分なりのアクションを形にする、実践の段階に入っています。
ここ2~3年「自分の思っていることを形にしたい」とずっと思っていながら、ひとりぼっちだと諦めてしまったり、実際には動けないという時間を過ごしていたというみやこさん。
急かされるのでもなく、締め切りに追われるでもないけれど、考えていることを聴いてもらう場があることが、大切だと実感しているそうです。

おとなバディのりよさんが、語りをグラレコで描きとめてくれました!

そして、みやこさんのストーリーを聴いたみなさんに、話がひらかれます。
「誰かに対して強い願いを抱くことは、それだけ強い葛藤を生むけれど、それ自体が尊いもののように感じた。自分はそんな経験をあまりしていないけど、それってどんな感じなんだろうと好奇心が湧いた。」という聴き手。
さらにその言葉に対して、
「みやこさんの話を聴きながら、子どもに対して"がんばる"という言葉を使ってしまう自分を反省していたけど、それは自分の中にその子どもに対する願いがあるからで、それが尊いと言ってもらえて救われた感覚」
と今この場で生まれた気持ちが交わされます。

ただひとつの関係が、人生に与えること

続いて、おとなバディとしてWABの活動に参加している、やましゅうのストーリー。
テーマは『わたしの人生とおとなバディとしての経験』。
この春小4になったこどもバディとは、出会って1年ちょっと。
バディをやってみて、劇的に自分の人生が変わっているかといえばわからないけど、「微妙に変わってる」と表現していました。
バディをはじめる前には思わなかったこと、目もくれなかった場所、日々街をみるまなざし。
こういった微妙な変化が、もしかすると10年20年経つと、人生に影響をもつのかもしれない、といいます。

本当に準備してこなかったから、何から話し始めるか決めてなくて(笑)とスタート

また、はじめた時より今の方がより"フラットな関係"で在れている気がするというやましゅう。
はじめのうちは、参加前に受けた前述の研修での学びを意識しながら彼と関わっていたけど、今は、それをベースとしながらも意味や目的を超えて彼と「シンプルに会っている感覚」だそう。
申し合わせたわけでもなく、あうんの呼吸でキャッチボールがはじまり、お喋りがはじまり、自転車に乗って家に帰る。
自分自身のライフステージの変化の話を、会社の人や友人より、一番よく知っている。
この関係をなんと言ったらいいかわからないし既存の関係に分類できないけど、とにかく「いい」のだそうです。

2人の"あうんの呼吸"、ミートアップを覗きにいった時に体感しました(笑)

たくさんの彼とのエピソードに会場が"ほっこり" "じんわり"な空気に包まれる中、10年後20年後をたのしみにできる存在がふいに人生に現れたことは、自分の人生にとって大きなことかもしれない、と話をしめくくりました。

そして、ふたりが出会う少し前のそれぞれの人生から目撃しているコーディネーターの私。
そこからふたりの人生が交わり、ふたりのただひとつの関係が築かれていること、その出会いからさらなる広がりが生まれていることが改めて身に染みて、尊さが溢れ出しました。笑
私もふたりの10年後20年後がたのしみでしかたない!

"こだわり"や"願い"を自覚し立ちもどりながら…

最後の語り手はふっくん。
なんと、おとなバディをした後に、CforCに参加したという、ハイブリット体験をしています!
テーマはもちろん、『わたしの人生とCforC/おとなバディとしての経験』。

ふっくんは自身の子ども時代を、どこも居心地が悪い、逃げ場がないと感じていたと振り返ります。
WABの活動を知った時、子どもの頃バディのような存在が欲しかった、自分が誰かにとってそういう存在になりたい、と思い活動をはじめたのだそう。
しかしこどもバディとの関係は、最初順調にみえましたが良い関係でいることができなかったといいます。

なんでうまく関われなかったんだろう?体系立った知識を学んだり専門性を得ることが必要なのかもしれない、と考えていたときにCforCを知り参加を決めたのだそう。
プログラムに参加する中で、逆に専門職ではなく市民として子どもに関わることに惹かれる自分に改めて気づいたり、自分自身が持っていたこだわりや強い願いが削ぎ落とされていった、といいます。
それでもこだわりや願いは出てくるものだけど、その時々で自覚し立ち戻りながら相手に関わっていくことはできるのではないか、と感じたそうです。
この春からまた新たな子どもとの関係をはじめることにしたそうで、「もうちょっと力を抜いて関われるんじゃないかな」とやわらかい笑顔を浮かべました。
WABで出会ったこどもバディとも、「どこかでまた会えたらいいなと願ってる」そうです。

最近、だんだんと会社のメンバーとの関わり方も変わっていっているというふっくん

おわりに

3人の物語を聴いたあとは、場が全員にひらかれ、思いのままに参加者どうしで対話する時間となりました。
「人の話をここまでじっくり聴くことって案外少ない。質問をはさまずにどこに辿りつくかわからないストーリーを聴き続けて受け取るものが多かった!」と感想があったように、"ただ聴く"ことで生まれたエネルギーが、会場にあふれていました。

それぞれの表情を眺めながら一人ひとり声を発する
グラレコを眺めると、その時あふれた感情が再燃して、ダイアログがまた盛り上がります
最後にみんなで。

このイベントは、Vol.2に続きます!
語り手全員が入れかわり、どんな会になるのか…!
その場かぎりの"語りの威力"を感じたい方、会場でお待ちしています。


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We are Buddies って?
子どもと大人がバディとなり、遊んだり話したりしながら、細く長い関係性を築きます。保護者の方だけが子育てを頑張るのではなく、多くの大人が関わり、登場人物みんなが力を抜いて、優しい気持ちになれる社会を目指し立ち上げました。

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