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あなたが知らないホントの台湾

はじめに
皆さま初めまして!
WEIN.TEAMママ部隊のメディア担当の大槻です。

WEIN.TEAMママ部隊には世界各地で子育てをされているママがたくさんいらっしゃいます。
国が違えば文化や教育のあり方、価値観も様々。
そこで海外在住経験のあるママに、旅行ではなく現地で生活したからこそ得た気づき・学び、そして日本との違いや海外から見た日本を教えてもらう企画をスタートさせました!
在住経験者ならではのエピソードや想いに触れて、少しでもあなたの世界が広がれば嬉しいです。

月イチで世界各地のママから届いた各国のリアルな情報をお届けしますので、ぜひフォローお願いします!

それでは...記念すべき第1回目は山本綾子さんに台湾のリアルを教えて頂きます!

【もくじ】

①綾子さんプロフィール
②台湾を目指したきっかけ
③台湾はとにかく〇〇〇がすごい!
④ママが手抜きできちゃう理由とは?
⑤教育が超ハード!-いじめはあるの?PTAがすごいってどういうこと?-
⑥台湾はアレが世界一!


綾子さんプロフィール
・台湾在住15年、現在は帰国して千葉県在住
・台湾人のご主人様と小1、4のお嬢様の4人家族
・日本語教師歴20年、オンラインスクール設立6年目


台湾を目指したきっかけ
就職活動の時期がちょうど就職氷河期と言われていた時期で、自分を見つめ直すきっかけになりました。
卒論を書きながら日本語教師養成講座に通っていましたが、実際に日本語教師として教壇に立つには実務経験年数などの条件があり、それなら海外に行った方が早く日本語教師として働けると思い行動に移しました。
結果的には台湾にずっといることになったのですが、当初は色んな国を点々として日本語を教える予定でした。
初めに台湾を選んだのは、中国語も身に付けられるし、親日国だからです。

台湾は多様性がすごい!
日本と台湾で文化的に大きく違うなと感じたことは、日本は「みんなで無理しよう」という国民性なのに対し、台湾では「多様性を認めている」ということです。
その背景には、台湾がかつて諸外国の植民地であったことなど、様々な文化との接触が避けられなかったということがあります。

良くも悪くも遠慮がなく、友達の友達も自分の友達というフレンドリーさ。結婚式には普通に知らない人がいます。
日本では遠慮して聞けないような家庭内の事情もズバズバ聞かれますし、親同士で「お子さん、同性愛者でしょ?」と当たり前に聞けるオープンな空気感があります。

とにかく質問のタブーがあまりないと思います。
土地柄(南北や都会か田舎なのか)で事情が異なるところはあると思いますが。

LGBTに関しては、アジア初の同性婚が合法化されたり、毎年10月にパレードが行われています。
中高生の同性カップルも街中で堂々としています。

「自由の国 台湾」を守ろうという意識が強いのも日本との大きな違いですね。
台湾人は政治への関心が高く、2020年1月に行われた4年に1度の大統領選挙の投票率は74.9%でした。
(ちなみに2019年に行われた日本の参議院選挙の投票率は48.8%です)
世界各地に住む台湾人が投票の為に一斉に台湾に帰国するので、台湾行きの航空券が取れないほどでした。
これほどまでに政治への関心が高い理由は、政治が生活に大きく影響する・政治が生活に直結しているからです。
各地の政治集会はお祭りのように盛り上がり、家庭内でも支持政党が違えばケンカしたりすることはよくあります。
もちろん勝敗が決まった後は、お互いの健闘を讃えて仲直りします。
そして、報道、言論、集会の自由の状況は他のアジア諸国と比べて良く、市民が抗議すれば政府が耳を傾けてくれるのも理由のひとつだと思います。


ママが手抜きできちゃう理由とは?
食事に関しては外食文化が発達しているので家庭での食事の準備がラクなことが特徴です。
ママが3食きっちり用意しないと!とかじゃないです。
賃貸のマンションやアパートではキッチンが付いてないところもあるぐらい。
朝ごはんですら、朝ごはん屋さんがたくさんあるので、通勤通学の途中で買って職場や学校で食べる人も少なくありません。

教育に関しては、まず幼稚園の預かり時間が長く、日本のように共働きだから保育園、そうじゃないから幼稚園というようなしばりがありませんし、祖父母がお世話をする家庭も多数あります。
私も子どもが小さい時は義両親にたくさんお世話になりました。
家庭内学習に関していうと、塾がたくさんあるので、そこは割り切ってプロにお任せしている家庭も多いです。


これ教育が超ハード!-いじめはあるの?PTAがすごいってどういうこと?-
幼稚園から高校まではめちゃくちゃ詰め込み教育で、なんと幼稚園から宿題があります。
日本人はなんで幼稚園から詰め込みで教えないの?というくらい当たり前の文化で、ほとんどの子どもは小学校入学時には自分の名前が漢字で書けます。
我が家の長女は台湾の幼稚園を経験したけれど、次女は日本の幼稚園だけなので、「お姉ちゃんは幼稚園の時から宿題があったのよ」とうらめしそうに次女に話しています。

中高生は大学受験を見据えて毎日の授業前にテストがあったり、夜も21時頃まで学校で授業や補習をしていることもあり、3食を学校で済ませることも多いです。

勉強が忙しいからか、詰め込み教育が当たり前すぎてか、いじめや不登校はあまり無いかもしれません。体操服登校だから私服がきっかけで起こる問題たかもあまり無いです。

ハードな中高生時代を経て大学生になって初めて自由になるので、遊びたい!と思ってる人が多い印象です。
大学院へ進む人もいますが、遊んでいられる期間を延長したいからという理由の学生が多い印象です。

日本では頭を悩ませる親も多いPTAですが、高収入高学歴の親がクラスの代表や本部に先生から推薦されてやる、というわかりやすい仕組みです。
そして代表に選ばれた人は学校に寄付をする習慣があり、PTAをやっている親が運動会の時にみんなへ飲み物を差し入れたり、なにかとお金を使ってることが多いです。
周囲もそれが当たり前なので、お金がある家庭はお金を出す、ない家庭はそれぞれでできることを、という文化です。
(地域でシステムが異なるようです)


台湾の起業家精神は世界一!
以前スイスのある調査機関が調査したところ、台湾の起業家精神は世界一という結果が出ました。
日本では安定したイメージのサラリーマンですが、台湾では待遇が悪く安定しないというのがサラリーマンのイメージで、一生サラリーマンは嫌だと思ってる人が多いことが理由のようです。
逆に、日本では転職を繰り返すことは悪い印象ですが、台湾ではよりよい場所を目指してのことだと判断されるのでプラスになります。
また、学歴や家庭環境関係なく中小企業のBOSSになれるチャンスが多くあることや、独立する大人が多いことが子どもにとっても当たり前になっていることが、なんの違和感も無く起業を選べる環境にしています。


最後に
イベントでの発表後、気づいたことがありました。
それは、台湾人には「この自由が、いつもいつまでもあるという保証はない」という想いがいつも根底にあるのではないか、ということです。
これまで植民地としての歴史、独裁政治、中国の脅威などの経験していることから、常に自由が損なわれることへの危機感があるのかなと思います。
だからこそ、本当にたくさんの人が政治に関心を持ち、参加する。
そして、何よりも今ある自由の下で「今を楽しみ、自分以外の人も同じように楽しめるように尊重する」ということを大事にする価値観につながっている気がします。

私も含め現代を生きる一般的な日本人は、
生まれた時から「自由が制限される」ということを経験したことがありません。
その辺りの経験や考えからくる違いが大きいのではないかと思いました。

「台湾を知り日本を考える」
私の経験を通じて、皆さんに少しでも気づきがあれば幸いです。
ぜひ感想やお考え、アイディアなどをシェアしていただけると嬉しいです!

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文責:WEIN.TEAMママ部隊 大槻真実

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