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「目の前の面白いことに挑戦したい」複業で仕事を企画できる人材に

<複業ワーカーのご紹介>
「ワークデザインラボおおすみ」は、鹿児島県の大隅半島にて、地域活性化を目標に活動しています。今回は小売業界の知識を活かして、複業にチャレンジしている鹿野島さんを紹介します。

「面白いことが待っているから」と、複業の世界に飛び込んだ鹿野島さん。インタビューを通して、プロジェクトに携わる想いをお聞きしました。
(インタビュー;2022年6月)

1.プロフィール

ーまずは、これまでのご経歴を教えてください。
大学の法学部を卒業後、大手百貨店に入社。そこから約20年間、店舗作りや経営企画など、さまざまな業務に携わっています。

ー20年!長いですね。
はい。地方10社の企業再生を担当していた経験もあります。

ーさまざまなお仕事を経験されていますが、私生活はどうですか?
多趣味な方だと思います。読書や旅行、サーフィンが好きですね。あとは、過去に自転車競技をしていました。

2.鹿児島/大隅半島について

ー大隅半島を訪問した経験は?
たまたま他の複業プロジェクトで、大隅半島の大崎町に行く機会がありました。2021年6月の話ですが、先進的なリサイクルの取り組みの見学ツアーに参加。一般社団法人Work Design Lab(ワークデザインラボ/以下;WDL)としては、その1ヶ月後の7月に参加したのが初めてです。

ー最初に大隅半島を訪れたときは、どんな思いがありましたか?
最初は、まじで田舎だなぁ!(自然があふれている!)と思いました。悪い意味ではなくて、自分がいかに普段モノに囲まれて生活しているか、というのを感じました。
あと大隅半島は緑が濃いですね。初めて訪れたときは、あいにくの雨だったんですけど、いい場所だなと思いました。

ー回数を重ねる毎に気持ちの変化や感じ方に変化はありましたか?
訪問する度に特別感は薄まっていくんですけど、だんだん自分に馴染んでいくような感覚があります。4回目ぐらいから「大隅半島に帰ってきたな」って感じるようになりました。

ー大隅半島プロジェクトの方向性は?
現在メインで関与している南州農場さんとのプロジェクトでは、都市部のファンを作るために、夏に向けてBBQの企画を練っています。コミュニティを作るうえで大切なのは、「誰かに話したくなる何か(体験)」を作ることだと思っているので、そんな企画にしたいですね。

3.複業に出会ったキッカケ

ー今の複業に出会ったキッカケを教えてください。
まず前段階としてWDLに出会ったところからになるんですけど、2018年に仕事関連で参加した複業関連の横浜でのイベントがキッカケですね。そこでWDL代表理事の石川さんと出会い、名刺交換しました。その後もメールでやり取りは続いていて、2020年に社内起業プログラムのことで石川さんに相談する機会があり、その縁からWDLのプロジェクトに関わるようになりました。

WDLに関わるうちに、ワークデザインラボおおすみにも携わる伊藤さんに、声をかけてもらって。そんな流れですね。

ーなるほど、人との繋がりがキッカケなんですね。
複業の求人って、検索して応募するのが一般的なんですけど、WDLは違うんですよね。やりたいことを提案する人がいたとしたら、そこからワイワイ人が集まる自然発生型なんです。
僕もそうですけど、自分で手を挙げて、みんなで役割を決めていく流れでプロジェクトに参加する。そこがWDLの最大の特徴で、魅力でもあると思います。

4.なぜ「WDL」「ワークデザインラボおおすみ」を選んだのか?

ー今の複業を選んだ理由は?
僕は金銭的報酬より、何かを学びたいと思ったのが理由です。面白い人の近くにいると、面白いことが待っているんですよ。未来の計画より、手前の面白いことを信じて進みたいなって。まずは何でも動いてみて、その先に学びたい要素があると思っています。やりながら学びたいことを探すみたいな。

ここは、一般的な副業と真逆の考え方かもしれないですね。副業といえば、自分のスキルを提供して、金銭的価値をもらう考えがあるので。

ー本業との進め方は?
複業を始めてからは、常に時間管理のことを考えています。まずは本業を効率化して、複業の時間を生み出して、効率化して…。限られた時間をいかに丁寧に使うかを意識するようになりましたね。

5.これからやりたいこと

ー今後のビジョンはありますか?
WDLに関わってから1年経ちますが、まだ何も成し遂げていないような気ががしています。今はまだプレーヤー側なんですけど、自分がネットワークを作るキッカケ、HUB(ハブ)役になりたいと思っています。複業のパラレルな生き方を通して、外の成功体験を本業に活かせるような人が増えて欲しいです。

あとは大隅半島の良さをたくさん知っているからこそ、みんなに伝えたいですね。

ービジョンを叶えるために、おこなっていることは?
会社の同僚に複業の良さを伝えて、実際に3名が複業を始めました。地域に仲間をつれていくツアーを企画したりしていますが、シゴトに繋がらず、ただ「楽しい」で終わってしまうことが多く難しさを感じています。

仕事と同様の対価や、責任がないと難しいのかなと思います。複業に対する「出口」をはっきりさせないと、モチベーションがなくなってしまうこともあるところが難しいですね。

ー複業の良さを伝えるためには、何が必要だと思いますか?
関わった方が魅力的に感じるような対価を用意して、「出口」を作ることが必要だと思います。そのためには事業者さんと関係を結び、仕事を作る「関係案内人」を用意しなくてはいけません。しかし、人材に関しても、ゼロイチから仕事や企画を作れる人が足りていないように思います。

ーなるほど。企画力が必要なんですね。
本当は、本業でも鍛えられるスキルなんですよ。もちろん大企業の大きいプロジェクトと比較して、フレームの深さは違いますが。でも、ある程度のフレームは一緒だと思っています。同じフレームに乗っ取って、課題整理から解決まで、タスクをマネジメントする能力が大切だと思っています。

とはいえ、いきなり複業に身を委ねられない人もいると思います。だから最初は観光寄りのワ―ケーションでもいいと思うんですよね。その時間のなかでちょっとだけ地元の人とのワークタイムを用意するだけでも、気付きのキッカケになるはず。少し先を見据えて、関係性・人材・エリアの関わるタネを貯めておいて、いつでもプロジェクトに入れる状態を作っておくことが大切だと思っています。ミスマッチも減りますし、自分の空いた時間を活用できる世界観があると面白いですよね。

ー最後に、今後のプロジェクトの予定があれば教えてください。

今は、茨城県で関係人口を作るプロジェクトにも取り組んでいます。ここでは僕たち40代のチームと、学生が活動しているプロジェクトもあります。チームのメンバー5名は、全員複業として活動していて、茨城県に何らかの関わりがある人が集まっています。

夏以降に、茨城に関わりを持てるプロジェクトを立ち上げていくので、興味のある方はぜひご連絡ください!

ーすでにハブ役として活動するなかで、難しいことはありますか?
やっぱり仕事を企画して、作ることが難しいですね。みんな頭を悩ませながらやっています。自分たちでノウハウを囲い込むよりも、どんどん企画が作れる人を増やしていきたいですね。


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