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巷にコーラを売るごとく


 皆さん、こんにちは。僕らが求めた売上だ。木賃もくちんふくよし(芸名)です。
 さて。本日は前回の続き。


 こちらを読んでいただくのが早いのですが、念のためにダイジェストしますと、

 ワタクシが制作に関わったクラフトコーラを売り込みに、東京のイベントに乗り込んだワタクシと社長。
 しかし、初日から夜行バスが渋滞で遅刻。
 2日目は、卸先を求めに来た社長の目論見が大きく外れ、来客はファミリー層がメイン。
 社長は他のブースに営業に行っちゃうし、ワタクシはワタクシで、運良く行列の出来るブースを作り上げる事に成功するも、


 (´°Д°)」 全然
 売 れ な い の。


 どうしてだ!? 何故だ!? 試飲してくれた人の反応は好評なのに売れない。
 このままじゃワタクシ、どーなっちゃうの!?


 はい。そんな訳で、運良く隣のブースが空いてくれたお陰で、ウチのブースに「行列を作る」という事に成功したワタクシですが、「美味しい!」と驚いてもらえるも、購入には至らない。
 どっちを向いてもfeel so good.
 だけど売上には至らない気分はどうだい? TOUGH BOY TOUGH BOY TOUGH BOY

 コレまでの経験上、この反応なら10組に1人は買ってくれる手応えなのだ。なのに売れない。何故だ? 何が足りない? それとも東京人はグルメ番組の見過ぎで「お〜いし〜い!」って演技が上手なのか!? 京都人より腹黒く、肚の底では「大したコトねぇな」って思ってるのか?
 いや、そんな筈はない。一応、30年近く飲食に携わってきて、自分のコーラの出来には正直、自信がある。
 それに東京ビッグサイトは以前の展示会でも経験済みだし、代官山でも出店してるから、知ってる。東京人にはそんな腹黒演技は出来ない。
 それに、そもそも相手はファミリー層だ。演技するはずもないのである。
 てか、小学校低学年以下のお子様を含むファミリー層が多いのだ。小学生までもが「めちゃ美味しい!」って言ってる事が演技であろう訳がない。


 だが、それでも売れないのである。


 何故だ? 行列が出来て、数は捌いている。そりゃ全員の好みに合うとは言わんし、好みなら全員が買う訳でもない。しかし、この数なら少なくとも関西なら売れているはずの客数なのだ。
 しかも、財布の紐が固い関西より、関東人の方が金払いはいいはず。それでも売れない。売れないのだ。何故だ。わからない。それでも客は行列を作る。意味がわからない。売れないのに試飲を続ける意味はあるのか?


 そこで再び、潮目が変わった。


 いや、潮ならば満ちるか引くかだ。今満ちているのだから、引くしかない。だが違う。
 トンボロだ。トンボロ。日本語では陸繋砂州(りくけいさす)と言う。
 そう。引き潮とともに、島と陸を繋ぐ道が現れる事である。

 その時、並んでいたファミリー客が言ったのだ。


 (´∇`) 「先程、試飲して
 美味しかったので、買いに来ました」


 (´°Д°)」 なんと!?


 イベント開始から2時間を経過した頃から、同様に、


 戻って来て購入するファミリー層が爆増。



 (´꒳`) 美味しかったから、
 戻って来ちゃいました!


 (╹◡╹) この子が、
 ここのコーラが
 「一番美味しかった」
 って言うんで買います。


 (・∀・) 色々飲んだけど、
 ここのコーラが
 一番美味しかったよ!


 ってな感想とともに舞い戻って購入してくださるお客様が!が!!ががが!!!


 (´°Д°)」 え? 何コレ?
 漫画とかで主人公チームの
 心が折れかけた瞬間に、
 それまでの敵が応援に
 駆けつけて来るヤツ、、、?


 マジでそんな空気になって潮が満ちる。

 そして、ワタクシはその瞬間に開眼する。少年ジャンプ漫画で言うなら、突然秘めた力が解放されて、今まで苦戦していた敵の動きに「スローすぎてあくびが出るぜ」とか言っちゃう感じ。
 そう。その瞬間、ワタクシは悟ったのだ。

 今日は土曜日。休日を利用して「イベントを満喫しに来ているファミリー層」が多いのである。
 せっかくのクラフトコーラが20社も集結するイベントなんだから、そりゃ沢山のブースを回りたいよね?
 つまり、クラフトコーラや、その他あっちこっちのブースを回って、子供や親が疲れて帰宅を考え出すのが、


 (´・Д・)」 2時間後。


 そう。ファミリー層メインだとか、クラフトコーラが一挙集結なんてイベントが未経験だったので読めなかったのだ。このリハクの眼を持ってしても!
 そして、コレが関西人だと、「その場で買わなかったら90%は戻って来ない」のである。いや、そもそも関西人は行列に並ぶのを嫌うしな。

 だが違う。東京は違ったのだ。


 2時間前に蒔いた種が、
 2時間後に芽吹くのだ。


 (´°∀°)」イヤッホゥ!


 アイシテマーストーキョー!
 (LIVE IN JAPANのバンドっぽく)


 そして、この時よりワタクシは掴んだ。流れと、それを御する方法である。
 コレまでは、なるべくちゃんと試飲してもらいたい、という気持ちがあったり、せっかく並んでいる人が待ちくたびれて列を離脱するのを逃したくない、という気持ちと葛藤したりしていた。そして、

 ウチのコーラは通常の炭酸割りよりも、牛乳で割る方が人気なのである。


 なので、炭酸割り→牛乳割りという順番で2種類を試飲していただき、意外性に驚いてもらうのが一番の売り方だったのだが、この瞬間から変えた。


 (´・∀・)」 お2人様ですね!
 炭酸割りと牛乳割りの
 1杯ずつでいいですか!?


 と半分強制的に渡していくのである。すると、交換しながら飲んでもらえて、飲み比べもしてもらえる。しかもサンプルに出す量が減る。完璧。
 しかも通常なら「いや、牛乳割りはチョット…」って人や、「牛乳は苦手なんで…」って人がいたりして敬遠されるが、ファミリー4人だったら、1人ぐらいは牛乳割りにチャレンジするのである。
 すると、「牛乳割りがすごく美味しい!」という感想が出る事により、アレルギーや「乳製品はとにかく苦手!」って人を除いて、舐める程度は味見してもらえる。しかも好評だったりするのだ。コレもう完璧オブ完璧。


 更にワタクシは声のボリュームをもう一段階シフトアップ。


 列の後ろに並ぶ人たちへも聞こえるように説明する事により、説明の時間を短縮。
 コレにより、並んでいる人たちは「え? コーラの牛乳割り? ええっ? しかも、飲んだ人が喜んでるぞ???」となって期待感が上がる。


 (´°Д°)」 完璧オブ完璧オブ完璧。


 制した。完璧に制した。ワタクシは今、コーラの覇者、マスターズ オブ ユニバースとなったのだ!!

 そんな訳で、売りました。持ってきたコーラをほぼ全て。



 (´・∀・)」 2日目なのにィ?


 (´・∀・)」 明日、売るモノ
 な〜い〜じゃ〜〜ん!?


 そこに、色んなブースへと営業に回っていた社長が戻って来て言った。


 ( ´_ゝ`) 心配するな。
 明日、現物がココに届く。


 (´°∀°)」 さすが
 敏腕イケメン社長!


 ワタクシが売る事を見越して既に手配済み! そこに痺れる憧れるゥ!


 (´・Д・)」 てな訳で、コーラ売り込みの話は3日目に続く。


 あと、この記事を読んでウチのコーラを飲みたくなった人はここから買ってね。




 ※ この記事はすべて無料で読めますが、投げ銭(¥100)でコーラ売り込みもnote記事を書く事にも気力が満ちますので、よろしくお願いします。
 ぶっちゃけコーラの販売ではまだまだ稼げてないので。ええ。
 なお、この先には明日の予告ぐらいしか書かれてません。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。