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シン・ウルトラマンを観た感想



 皆さん、こんにちは。幼少期の自分の記憶を遡る限り、最初のヒーローはウルトラマン。木賃もくちんふくよし(芸名)です。


 さて。運良く初日初回にタイミングが合ったので、観て参りました。


 「シン・ウルトラマン」


 お陰でお金ないけどね。

 いやはや、正直言って庵野秀明監督作品が好みではない(主にエヴァ)ワタクシですが、「シン・ゴジラ」で見せつけてくれた現代の政治劇と怪獣という組み合わせは素晴らしかった。

 本音を言うと、「シン・エヴァンゲリヲン」はアレな感じだったと思ってるが、「シン・ウルトラマン」は観てみたいと思っていたのだ。

 ワタクシは幼少期、ウルトラマンが大好きだった。いや、今でも好きだが、当時は「大人になったら何になりたい?」という大人の質問に、「ウルトラマン!」と即答して「そうじゃない、、、」って顔をされるぐらいにウルトラマンに憧れていた。


 怪獣消しゴムを集めまくり、怪獣百科を読み漁り、ワタクシにとっての最初のヒーローが「ウルトラマン」だった事はおそらく間違いない。


 「シン・ゴジラ」を観た時、ワタクシは「ああ、これを観たかったんだ」と思った。

 ウルトラマンに憧れたガキんちょは、成長するにつれ、「アレは嘘っぱち」「いつまで怪獣だ、ウルトラマンだ、って言ってるんだ?」と心の片隅で思うようになってしまったのだ。

 いや、コレは正確ではない。そうやってヒーローや怪獣を嫌いになった訳ではないからだ。

 半世紀近く生きて、結局アメコミ大好き人間になってしまった訳だから、ウルトラマンも怪獣も嫌いな訳がない。

 しかし、それまでに周囲から向けられた「子供が見るもの」「嘘っぱち」という視線が、自分に影響を与えなかった訳ではないのだ。

 無論、創作物は創作物。作品を楽しむのに、年齢なんて関係ない。嘘っぱちは嘘っぱち。それはそれとして楽しんでいるが、心のどこかで、周囲から向けられた冷ややかな視線を避けたり、おもねったりした部分がある。

 「所詮は子供騙し」と冷笑する自分自身が、たとえ、ほんの1%でも存在していたのだ。


 だからこそ、科学を勉強して「何が嘘っぱちなのか」を知ったり、世間が望む「年齢相応のもの」に触れたりした。それはそれで大好きになったが。

 そして、「物語なんて嘘でいい」「リアルなのも面白いし、ファンタジーも面白い」「リアルでもつまらなけりゃ意味がない」と思えるようになった。


 その上で、自分が望んだものは何だったのか。


 それは「大人が触れても面白い空想ヒーロー」だったように思えるのだ。

 ワタクシで言えばサム・ライミ版「スパイダーマン」がそれだったし、バットマン「ダークナイト」がそれだった。「キック・アス」がそれだったのだ。

 大人が触れても「馬鹿馬鹿しい」と言い切れないリアリティとドラマ性。ある意味で、余計に引きずっている気はするが、「特撮ヒーローなんて子供騙し」と言う人たちを黙らせるに足るだけの、

 「大人騙し」


 を望んでいたのだ。

 邦画界において、それを「政治劇」という形で見せてくれた「シン・ゴジラ」は、実に素晴らしい作品だったと思う。

 無論、賛否両論あるだろうし、完璧でもないんだけれど、ワタクシにとって「シン・ゴジラ」は、ちょうどいい科学考証、ちょうどいいリアリティ、ちょうどいいドラマ性、ちょうどいい娯楽性の、まさに「大人騙し」だったと思っている。


 似た所では、「大怪獣東京に現る」も面白かったが、「シン・ゴジラ」はあれのシリアス版という所か。


 その庵野秀明監督が、ウルトラマンを撮る。観たくないはずはない。

 いや、正確に言えば、庵野秀明のウルトラマンが観たい訳ではないのだ。

 ワタクシにとってちょうどいい「大人騙し」のウルトラマンが観たいのである。それであれば、監督は誰でもいい。

 単に話題や予算やセンスや実力の関係から、今、最もそれに適しているのが庵野秀明である事は否めないが。


 ネタバレは避けたいので、結論だけ言うと、


 「大怪獣のあとしまつ」の

 20000倍面白かった。


 ってツイートしたら、割と本当に混乱した人がいた模様で、


 (;´・Д・)」 えっ? ごめん。


 ってなったので、順位的には、


 1.シン・ゴジラ

 2.シン・ウルトラマン

 3.大怪獣のあとしまつ


 と補足したのだが、やっぱりまだ誤解してる人がいるみたいである。いや、コメントしてくださってる大半は「ネタはネタとして理解した上で乗っかってる」のだと承知していますが、中にはごく少数ながら、どうしても「大怪獣のあとしまつ」を許せない人や「シン・ウルトラマン」が気に入らなかった人などもいる模様。


 まあ、ワタクシの真意としましては、


 「大怪獣のあとしまつ」は、ただ2時間スベり芸を見せつけられるだけで、別に世紀の駄作ってほどではない。いや、充分につまらなかったけど。

 じゃあ、作中に光るものがなかったかと言うとそんな事もないし。いや、かなり少なかったけど。

 なので、ワタクシにとって「大怪獣のあとしまつ」は、0点ではないし、マイナス点でもないのだ。


 (´・Д・)」整数に届くかと言われると悩みますが。


 なので、ワタクシにとって「シン・ウルトラマン」は充分に楽しめた映画でした。


 個人的に、ネタバレなしで評価するなら、「シン・ウルトラマン」は「大人騙し」ではなく、


 当時の子供だった大人を楽しませる「大人騙さない」だったと思う。


 何と言うか、良く言えば「童心に帰らせる」なんだろうけど、童心ってんじゃなくて、


 子供は子供なりに、

 あの原理はどうなってるんだ?


 って疑問を抱いてなかった訳じゃなくて、100%ウルトラマンを信じてた訳でもなくて、子供なりに「んんん???」って綻びを感じてた訳ですよ。

 ガイガンの腹のノコギリはどうやって回ってるんだ? とか、手裏剣を放つギロンの体はどうなってるんだ? とか。

 今回の「シン・ウルトラマン」は、そーゆー部分をあえて残していると感じた。隠せるのに、隠してない。わざわざそうする必要がない事をしてる。


 だから、子供騙しでも大人騙しでもなく、


 

 「大人騙さない」



 シン・ゴジラを凌駕する面白さ!とか、特撮界の革命!とか、そんな大仰な事じゃなく、


 (´・Д・)」 面白かった。

 (´・∀・)」 楽しかった。


 それが嘘偽りのない感想である。


 ところで、この記事を書いてる際に「シン・ウルトラマン」って毎回毎回書くのが面倒で仕方なかった訳なんですが。

 「シンマン」と略すと、「帰ってきたウルトラマン」の愛称の一つである「新マン」と重複するから避けたいんですよね。「シンウル」とか間抜けだし。

 ちなみにワタクシ、「帰ってきたウルトラマン」は「帰ってきたウルトラマン」と略さず呼ぶか、「新マン」派なのですが、


 公式的には「ウルトラマン・ジャック」らしい。


 こう呼んでる人をほとんど見た事がないけど。


 他は「ウルトラマンⅡ世」とかあるんだけど、別に初代の息子じゃないからなあ、とか。他には割と、


 (´°Д°)」 帰りマン


 って呼んでる人が多かったりするけど、「かえりまん」って気の抜けた響きが好きじゃない。

 もっと酷いのだと、


 (´°Д°)」 かえマン


 ってのがある。かえまん。うーん、、、。なんだろう。うーん、、、。


 (´・∀・)」 かえまん。

 私の好きな言葉です。


 ※ この記事はすべて無料で読めますが、今月は「ドクター・ストレンジ」「シン・ウルトラマン」に続いて「トップガン・マーヴェリック」にも行かなきゃいけないんで、投げ銭(¥100)での支援をお願いします。
 なお、この先にはネタバレではないネタバレ感想が、ほんの少しだけ書かれています。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。