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こし餡のおいしさの秘訣/技術をつなげるか?

近所に小さな和菓子屋さんがある。
笑顔が素敵なおばあちゃんが、いつもお店に立っています。

私はこのお店の水羊羹と水まんじゅうが大好きです。
昨年、初めて食べてから、「この世にこんなにおいしい食べ物があったんだ!」と感銘を受けて、複数の店舗の食べ比べをしてみた。

すると、
どこもおいしいけれど、「このお店はなにかがちがう!」と実感した。
餡子の甘さが控えめで、繊細な味です。

ぷるんとした食感がたまらない水まんじゅう

先日お店に行ったときに、
ふと「職人さんは何人いるんですか」と聞いてみた。
看板に「50年以上の実績」と記載があったので、今は何代目なのだろう?と気になったからだ。

するとおばあちゃんが「おじいさん一人ですよ」と答えてくれた。
京都で修業をしたおじいさんが50年以上一人でずっとたくさんの和菓子を作り出していたのでした。80歳を超える高齢だそう。

跡継ぎのことを聞くと「誰も継ぎたがらないから、おじいさんが初代で最後!」と明るく答えてくれた。


こし餡づくりは「こす」作業が大変

こし餡を作る工程はとてもたくさんの作業や重たい物を運ぶことが必要。
そして、おじいさんは昔ながらの製法を守って、ずっとご自身の味を守っている。定休日は週に1回。それ以外毎日朝早くから餡子と向き合っている。

まさに職人の技術。
素敵な技術があると次につないで欲しくなりがちである。
だけど、その人にしかできないこと、こだわりもあるならば、
「その代で完結すること」も素敵なことなのではないか。

「あと何回この水まんじゅうと一緒に夏を過ごせるのだろう。」
そんなことをを考えながら堪能するのでした。

夏の食べ物がおいしい気候になったきた