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note036/私の日本語雑記/私の本棚(1)から

 この本の著者は精神科医の中井久夫氏。2010年3月28日に岩波書店から第1刷が発行されて以来、2015年11月4日に第5刷が発行されるまでになっています。下の枠内に、この本を一言で説明する部分を記します。表紙裏の説明を参考に記していますが、引用や抜粋の形ではありませんので悪しからず。

エッセイスト、翻訳家としても知られる豊かな言語経験を初めてまとまった形で書き綴ったオリジナルな日本語「隋論」。

 最初は知人の紹介で読みはじめました。ただ、当時は何かと気忙しくて拾い読みにとどまっていました。なので、今回、ここで取り上げることにいたします。

 というのも、翻訳というものを考えるときに、日本語と外国語を比べて考える場面がいくつも出てきます。そういった場面でなにをどうしたら良いのか迷いがちな経験をした方はおいでだと思います。そのような時に助けとなることが易しい言葉で綴られていると思えるためです。

 まず、目次を並べます。18に分かれており、それだけを並べても長いので、最初の5つに絞ります。

1間投詞から始める
2センテンスを終える難しさ
3日本語文を組み立てる
4動詞の活用形を考えてみる
5言語は風雪に耐えなければならない



「間投詞」の項目を読んでまず思い出すことは、会話を書き起こしするときの「あー」とか「えー」などの言葉の処理です。会話している人にとってちょうど良いテンポで話している様子がわかったり、間投詞の使い方にその人柄が出ていたりして、削るのは気が引ける場合があります。

 仕事柄、スピーチや対談の原稿を書き起こすことがあるのですが、書き出していてまず気がつくことは、

人によっては「あのー」などの間投詞がかなり多い場合がありますね。そのまま起こす場合もあるかもしれませんが、字数制限があるとそうは言っていられないことになりますね。

 同じ息継ぎでも、考えながら話すために口にするのであったり、ご本人も気づかずに口癖になっていたり。間投詞をほとんど入れずに話す人もあるでしょう。それをプラスに受け取るか、そうでもないのかは話し手と利き手の心の余裕がどのくらいかによって異なってくるように思えます。

 今のご時世のように、人との距離を十分に保つことになると、そのような言葉以外の情報が会話全体の雰囲気を醸し出していて、やたらに削るのも悩みどころ。

 そんなことを考えさせられる項目でした。


ここまでお読みいただきありがとうございます。

はじめましてのかたは、【自己紹介させてください】へどうぞ。




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