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環境にやさしいエネルギーの価値を評価することに思うところ

たまに、ふと疑問に思うことが出てきます。その疑問は大抵曖昧な言葉なので、具体化するためにネットで調べて、自分の疑問が無知からくるものなのか、それともちゃんとした疑問になっているのか調べたりしています。

この記事は、そんな疑問を調べた結果の忘備録です。ですので、意見というものもなく、結論もない、ただの思考の記録です。


脱炭素で話題の水素ですが、SDGsの観点からいうと、「どれだけ環境負荷をかけずにエネルギーを無駄にせず水素をつくれますか」という指標で水素は評価されなくてはならないのではないか?と考えました。

円/Nm3で評価しようとすると、「現在の」製造技術毎の良し悪しの判断になり、ポテンシャルの判断ができません。また、環境負荷については全く表現されてません。現在の貨幣は、タイムリーにこれらの価値基準を表現できていなそうです。このことは、こちらで思考していました。


ここでは、ではどんな評価指標がよさそうなのか?を考えてみました。

エネルギーが無駄になっているかどうか、を判断するためには、まずはどの範囲で考えるのかを決めておかなくてはならないと思います。例えば、自分の家でお風呂に入って排水した時、「家」でくくると水を消費していると言えますが、「地球」単位で考えると水は消費されてないですよね。ということで、ここで思考する範囲としては、「地球上」という範囲でエネルギーが無駄になってないかを考えることが良いのかなと思います。

地球上に外から入ってくるエネルギー、、、やはり太陽エネルギーですね。それと地球の内部からくるエネルギーがあります。地熱エネルギーですね。地熱エネルギーの由来は太陽なのかな?と思い、「地熱 エネルギー源」で調べてみたところ、どうやら地熱エネルギーは

・地球ができた重力による圧縮による放射性元素崩壊
・地球に隕石が衝突したときのエネルギー

なんてものがエネルギー源なんだそうです。太陽エネルギーではないのですね。Wkipediaによると、太陽エネルギーの1/2500程度なんだとか。そうすると、太陽エネルギーが、地球上に入ってくるメインエネルギーであると考えてよさそうです。

風力だって、もともと太陽エネルギーで生じた、地球上の大気の温度差で起こるでしょう。自転エネルギーあるかもしれませんが、大きくなさそうです。光合成は紛れもなく太陽エネルギー。波も風由来となれば、もともとは太陽エネルギー。水力だって、水が高いところに持ち上げられているのは太陽エネルギーで揮発しているから。自然エネルギーと呼ばれているものは、皆、ほとんど太陽エネルギーが大元のようです。

では化石燃料はどうでしょうか?もの凄く長いスパンで考えれば、これも太陽エネルギーで形成されたもの、といえそうなそうでもないような。「太陽のエネルギー 石炭」で調べると、そういった解釈が正しいことが分かりました。つまり、太陽エネルギーを植物として蓄積し、その植物が長い年月をかけて、おそらく地熱エネルギーを使いながら石炭や石油となっている、と解釈できそうです。ちなみに「石炭のでき方」で調べると、確かに地熱エネルギーも貢献していそうです。

とするとです。すべてのエネルギーは太陽エネルギーと地熱エネルギーをベースに考えることができるのでは?という仮説が成り立ちます。石炭だって、石油だって、風力だって、元々このエネルギーが源なのですから。

ところで、石炭や石油が形成されるのはどのくらいの時間がかかっているのか?について疑問に思ったので「石油のでき方」で調べてみました。5000万年~2億年くらいのようですね。地熱エネルギーは太陽エネルギーの1/2500であっても、刹那的な太陽エネルギーに対して、石炭や石油は長い年月をかけて地熱エネルギーを蓄積してきているのですね。

例えば、です。もし、石炭や石油の使用量が形成される速度と同じくらいだったら、持続的になりませんか?そう思い、「石炭と石油の埋蔵量」をしらべてみました。

石油:1兆7,339億 バーレル(50年で枯渇、2019年調査)/350億/年
石炭:1兆696億トン (132年で枯渇、20219調査)/81億/年

産業革命1900年頃から石油を使用し続けているとすると、使用119年経過しています。多めに見積もるとして、この119年間も同じ割合で使っていたとすると、石油の地球埋蔵量は約6兆バーレル。約石炭は1.5兆トンとなります。年々埋蔵量が発見されてますから、この10倍はあるかもしれません。これが少なくとも5000万年で作られていた量です。とすると、一年間の消費量でバランスする量は下記になります。

石油:1,200,000バーレル/年 (3,300バーレル/日)
石炭:300,000kg/年(820kg/日)

当たり前ですが、、、やはりこの仮定条件下での使用可能量は非常に少ないですね。「120万バーレル」って産油国の一日減産調整量と同等くらいです。。。資源枯渇の点からも、石油石炭に変わる代替エネルギーは必須ですね。ただ逆に、植物や微生物を原料とし、石油や石炭の形成スピードを5000万年から早める技術があれば、大きな前進になるかと思います。「年間石油消費量 世界 バーレル」で調べると、9,819万バレル/日が現在の使用量だそうです。9,819万/3,300 = 約3万倍、石油が植物から作られる速さをアップすればよいことになります。5000万年/3万倍=1,666年!約1500年かけて、植物から石油を形成させる技術があればいいですね。こういう観点で技術開発されていないかと思い、「石油 生成 促進 植物」で調べてみると、植物プランクトンから燃料を生成する研究がヒットしました。考えている方は常に先をいってますね。

思考を元に戻します。太陽エネルギーをベースに考えると、水素の評価には「どれだけ太陽エネルギーを無駄にせず有効に使って水素をつくれますか」ということになります。

この文章を改めて俯瞰してみると、太陽エネルギーを効率よく使う手法は水素なのだろうか?という疑問がでました。仕事をするエネルギーは電気エネルギーが一番優秀だったと思います。「電気エネルギー 特徴」などで検索すると、合っていそうです。水素も、そのまま燃やす場合もあるでしょうが、電気エネルギーに変換して使用するのではないでしょうか。この観点で、私の知るの電気エネルギー獲得方法を太陽エネルギーで表現してみました。

【太陽光発電】
・太陽光発電で、今の太陽エネルギーを直接電気に変換。

【風力発電】
・地球上に過去に降り注いだ太陽エネルギーが風力に置換され貯まっている力を風力発電で取り出して電気に変換

【水力発電】
・地球上に過去に降り注いだ太陽エネルギーが海面から水を揮発させ、位置エネルギーを得て水の流れとして置換され、水力発電で取り出して電気に変換

【化石燃料燃焼発電】
・地球上に大昔に降り注いだ太陽エネルギーが植物を育て、さらに長い時間かけて地熱エネルギーにより石油や石炭に変換されたものを燃焼させて電気に変換

【水素発電】
・水素を作るのに上記の太陽エネルギーで獲得した電気を使うか、化石燃料の改質か太陽エネルギーで水を分解し、その上で燃料電池で電気に変換

太陽エネルギーを効率よく消費する、という観点でいうと、石油や石炭は不利ですね。長い年月をかけてエネルギーをため込む必要があるからです。この点を効率評価において無視することはできません。化石燃料に関して「脱炭素」というキーワードが出ていますが、この太陽エネルギーを効率よく使っているのか?という観点からも、効率が悪いために、持続的発展のためには使用は控えた方が良さそうです。

水素も、何やら電気に変換するまでの経路が迂回しすぎていて効率が悪そうです。水素をつくるには、電気分解か化石燃料の改質か太陽光で水を分解するか、なのですが、「太陽エネルギーを効率よく」ということを考えると、太陽光発電で直接電気を作った方が良いでしょうし、風力などで得られた電気を使うにしても、風力で得た電気を水素製造でなく直接使った方が効率が良さそうです。化石燃料は、、、どうでしょう、直接そこから電気を取り出した方が効率が良いのではないでしょうか。

ところで、この「効率よく」という表現を上手く数値化できないものでしょうか。どれだけ有効に太陽エネルギーを使えたのか。有効エネルギーのような感じですね。有効、反応で使えるエネルギーというと、化学工学屋としてはギブスエネルギーを連想したので、「有効 ギブスエネルギー」で検索すると、エクセルギーという言葉が検索結果にできました。なんだこれは?ということで、「エクセルギー」で検索してみます。これを使うとすると、「与えられた太陽エネルギーからどれだけ電気エネルギーとして取り出せたのか」というようなイメージでの評価ができそうです。この言葉はSDGを評価するのにいいのでは?と思い「エクセルギー SDG」で検索してみました。一番上にヒットした論文!結構私の思考結果と似ています!太陽エネルギーという言葉も使っています。この考え方はエマジー理論、というらしいです。この理論中で、石炭や石油の形成のために使用した太陽エネルギーを考えたときの時間軸の評価方法なんかを知りたい、調べたいですね。ただ一般社会へは、「有効に使われた太陽エネルギー」という表現はピンとこないと思います。有効に使われたものがあるならば、無駄になったものがあるはず。投入された太陽エネルギーの総量がわかっているから有効なエネルギーが計算できてるはず。太陽エネルギーの総量から有効エネルギーを引けば、無駄になったエネルギーが計算できるはず。太陽エネルギーが無駄になった量を使うと、分かりやすそうです。例えば食事量を評価するときにkcalでの評価があるかと思いますが、あんな感じで、この車は〇〇kcalしか太陽エネルギーを無駄にしていないのでエコだ!という表示で、購買行動と連動できるかもしれませんね。エマジー理論でこれが論じられているか?は、、、。ここまでくると、専門家に質問したほうが早そうです。

こうした太陽エネルギーベースでの評価をした場合、各水素の製造方法もこれで評価できそうです。ただ、製造方法によって多少影響は受けるかもしれませんが、電気エネルギーにたどり着くまでのプロセスが長いので水素は効率が悪そうです。ただ、水素にもメリットがあるはずです。浮かんだのは2点です。

①エネルギーを蓄積できる

②爆発的に一気にエネルギーを使用できる

水素 メリット」の結果も似たようなものでした。①は蓄電のイメージですね。ただ、他の蓄電技術も開発されていると思います。水素蓄電はなにが有利なのか。「水素蓄電技術 比較」で検索すると出てきた情報があります。勉強していこうと思います。

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②は電気エネルギーにない水素独自のメリットではないでしょうか。電気でロケットを打ち上げることはできませんよね。

こうして考えると、脱炭素=水素社会=SDGsに直結、というイメージがありましたが、水素を化石燃料の代替だと考えてしまうと見落としや勘違いがありそうです。難しい分野ですね。いろいろな資料を自分の視点を持って、検証しながら読んでいく必要がありそうです。

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