坐禅、やってみた
鎌倉へ行ってきた。
北鎌倉駅そばの円覚寺(えんがくじ)にて行われる坐禅会に参加するためだ。
坐禅会は14時30分から行われるため、午前中には二つほど寺を回れた。
鎌倉が一望できるほど高いところにある、長谷寺(はせでら)。
鎌倉五山の一つである建長寺(けんちょうじ)。
梅がきれいな長谷寺
長谷寺は梅が見ごろだった。そのためカメラを梅に向けている老若男女が多かった。印象的だったのは、スマホではなく、みなカメラを使っていたことである。年配の方が多かったが、なかには若い女性も、その華奢な手に不釣り合いな大きく黒いカメラを持っていたのであった。
とても大きな建長寺
バスを降りてまず目に入るのは、とても大きな木造の門だ。
昭和のころに改築されているとはいえ、15メートルほどだろうか、巨大な門はそれだけ威厳にあふれていた。
境内も広く、ハイキングコースもあるようだ。片道20分かかるそうで、5人ほどのハイキングの格好をしている人たちもいた。
円覚寺での坐禅
さて、メインの坐禅会である。
15名ほどが間隔を1メートルほど空けて座布団に座る。
ただ座るのではない。結跏趺坐(けっかふざ)といって、足を太ももの上にのせ、両膝と尻の三点で体重を支える。
これが難しい。なので普通にあぐらで座った。
そして、最初は10分、ひたすら呼吸に意識を向ける。
まずはゆっくり細く息を吐ききる。空っぽになった身体に新鮮な空気を、これもゆっくり吸い込む。
このゆっくりと、が大事なのである。
手本の雲水さんによれば、「日ごろから私たちは多くのことを考え、悩んでいる。頭の中で文字にして考えている。それをこの坐禅会ではやめるのである。
日ごろ生活している自分から離れ、考えることを止める。そうすることで心の平穏を取り戻すのである」
10分、トイレ休憩をはさんで15分、また休憩をはさんで15分というスケジュールである。
長くも感じたし、あっという間でもあった。
15名が話さずただじっと座っているのはとても奇妙な感覚だった。緊張してしまい、右腕が攣りそうになったほどである。
そんな空間で集中できる時間は短い。
けれど集中がきれたら「あ、きれたな。じゃあ戻ろう」という意識で再び集中する。その繰り返しを10回ほど繰り返すと、15分はあっという間である。
一歩引いて、平静になる
最後の雲水さんの言葉が印象的だった。
「今、国内外は大変なことになっている。増え続けるコロナ感染者、西の戦い。移り変わる情勢に私たちは振り回されている。けれどそんな時こそ、一歩引いて物事をよく見る。感情的にならず平静に見極めなければならない」
坐禅をしている間は確かに世界の情勢は一切入ってこなかった。そのためか心穏やかに過ごすことができた。
坐禅会が終わってTwitterを開いた時など、あらゆる情報が目新しくうつった。
せわしない現代において、坐禅の価値というものはあらゆる人々が気づき始めているらしい。海外の方も、国外で坐禅をしているというのであるから、その影響力は計り知れない。
良い体験ができた。考えごとで頭がいっぱいで苦しいという人ほど、坐禅をおすすめする。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?