中国はキャビア大国


中国、輸出・内需ともにチョウザメ養殖が伸びる

一般的にはキャビアとはチョウザメの卵を指すが、チョウザメの乱獲によってここ数十年で天然キャビアの禁止されている。最近のキャビアのほとんどは、アメリカ、フランス、イタリア、イランなどで養殖されているチョウザメから生産されている。しかし香港の英文メディアSCMP(サウスチャイナ・モーニング・ポスト)によると、今もっともキャビア生産が伸びてるのは中国であると言う。今や世界の商業キャビア養殖場の半数以上が現在、経済成長著しい中国に本拠地を置いており、特に江省東部の湖では養殖が盛んだという。中国産養殖キャビア生産メーカーHangzhou Qiandaohu Xunlong Sci-tech Co., Ltd. は「カルーガクイーン(Kaluga Queen)」のブランドで約200,000匹のチョウザメ養殖キャビアを養殖、年間売上高は2億2,000万元で300人の従業員をかかえ、顧客にはドイツの航空会社ルフトハンザと上海の2つのミシュランの星付きレストラン、アテリエデジョエルロブションなどを抱える業界のトップリーダーだ。経済成長の果実で裕福になった中国人は、フォアグラ、黒トリュフ、高級チーズなど、高級な外食を食べることが増えており、中国チョウザメ協会によると 2020年までに、中国は毎年100トンのキャビアを消費すると予測されている。現在、世界のキャビア生産量は年間約200トンであることを考えればそのインパクトは計り知れない。また、中国はキャビアの大量消費こくであると同時に主要輸出国でもあり、キャビアの生産を手がける地元企業は急成長しているのだという。 キャビアは長年、イランとロシアがカスピ海で漁獲した野生のチョウザメの卵が主流だったが、中国のチョウザメ養殖が劇的のそのシェアを伸ばしている。2012年から2017年の間に、中国のチョウザメ養殖業者は150トン近くのキャビアを輸出した。カルーガクイーンだけでも昨年、86トンのキャビアを生産し、そのほとんどは輸出向けで、その半分は欧州連合、20%は米国、10%はロシア向けだという。現在のキャビア市場はこうした中国業者による大量供給を受けて価格が下落傾向だという。

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ttps://www.wsj.com/articles/somebody-call-a-sturgeon-caviar-prices-are-flatlining-11552914000

世界の市場規模も拡大へ

英国の調査会社Technavioによれば、世界のキャビア市場は2021年までに15億5000万ドルに達するという。レポートによれば中東及びアフリカ地域が伸びを牽引するとされており、中国にとっては大きな輸出拡大のチャンスである。

世界のキャビア市場

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https://www.businesswire.com/news/home/20170510005940/en/Global-Caviar-Market---Drivers-Forecast-Technavio

貿易戦争の影響も見逃せない

主要なキャビア消費国のアメリカが米中貿易摩擦の影響で中国産キャビアの対米供給が不安視されており、中国の輸出好調に水を指す可能性もある。

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