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雨模様

今日は夕方から雨が降る予報らしい。
そっか。
彼と会う時に、ちょうど雨が降ってくれたら嬉しいな。

彼はいつも鞄に折りたたみ傘を入れてる。私が天気予報に疎くて、よく雨に濡れてることを心配して、朝、雨の天気予報をLINEしてくれる。

”おはよう。今日は夕方から雨みたいだよ?傘、ちゃんと持っていくんだよ!”
”おはよう😊はーい!ありがとう🙋‍♀️わかった!”
”今日○○駅18時くらいには行けると思う!”
”私もそのくらいだと思うから、着いたらまたLINEするね💕︎”

でも、実は雨に降られたのなんてほんの何回か。職場に置き傘をしてるし、折りたたみ傘だって持ってる。たまたま予報が外れた日に、何度かちょっと雨に濡れてしまっただけ。その時に、私がそれを話しながら、くしゃみをしたらしい。本人も覚えてないが。それを聞いた彼は、なぜだかとても心配してくれて、それから雨予報のLINEをくれる。

付き合いだしてから”おはよう”LINEなんてしたことなかったし、そもそも彼は事務連絡並のLINEしかしない。マメかどうかさえわからないくらいだった。
なので私は、この変化に便乗して、本当のことを言えずにいるのだ。


本当はちゃんといつも傘持ってる


予報通りに、夕方から降り出した雨。
実は私にはもう一つ秘密がある。

「お待たせ!ごめんね、バス結構遅れちゃって」
「お疲れ様!大丈夫だよ、俺もさっき着いたばっかだから。それより、なんで傘持ってないの!朝言ったでしょ?」
「あ、いやぁ…出る時降ってなかったから、大丈夫かなーって🤔邪魔になるし。」
「いや、降りそうだったでしょ!」
「バス降りても濡れないし、貴方がいるからいっかって思ったの。」
「まったくもう!絶対そうだと思って、俺傘買ってきたんだよ!今日は結構降りそうだったからさ。」

彼の手には大きな傘が。

「え?わざわざ買ったの?なんで?折りたたみ持ってるでしょ?」
「君がこの前言ってたでしょ?傘が壊れたって。絶対買ってないと思ったからプレゼント!」
「え?ありがとう!とても助かる!」
「助かる笑。どういたしまして。じゃ、ご飯行こっか!」

私たちは真新しい傘に一緒に入って、夕飯に向かった。彼が買ってくれた傘は、とても大きくて、私の身長からすると大ぶりだ。きっと長身な彼がいつも買うサイズなんだろう。

「これだったら、俺が傘を忘れることがあっても、2人で入れるでしょ?」


………
え???
彼が傘を忘れるなんて絶対にありえない。

なーんだ。バレてたのかも、私の秘密。

私は何だかんだと理由を付けては、傘を持ってこない。


だって、一緒の傘に入りたいから。

だから、雨の日に会いたいって思うの。


こんな傘もらっちゃったら、ちゃんと持ってくるよ。そんで、私の傘に入れてあげるって言うの。
雨の日の楽しみが増えたかもな。










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