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落ちこぼれ帰国子女
初めての投稿で自己紹介をしなかったので、自己紹介。
私は平成生まれのアラサー。
生まれたときから今日まで、人生の半分近くを海外で過ごしている。
そう、私は所謂「帰国子女」。
帰国子女と呼ばれることは個人的には好きではない。
だって、生まれたときから海外なんだから、両親の母国に戻ったからといて、私にとっては帰国でも何でもない。
私にとっての日本は、異国の地だった。
それでも日本語的には帰国子女であることは間違いない。
帰国子女だと言うと、多くの人から「羨ましい!」と声を高らかにあげて言われる。
けれど、帰国子女の苦労を知らないだけだといつも適当に相槌を打つ。
そりゃあ、全く苦労しなかった帰国子女もいるのかもしれないけれど、大抵の帰国子女はどこかできっと苦労している。
私はというと、生まれ故郷でも、日本でも、苦労した口だ。
生まれながらにして恥ずかしがり屋な性格も相まって、現地の学校に通っていたにもかかわらず、現地語であった英語は全く喋れなかった。
先生やクラスメイトが話している内容は、多分半分も理解していなかった。
当然、授業についていくことは難しかった。
だから成績はいつも悪かった。
友人も、ほとんどいなかった。
寂しいから、自分の得意なことを自慢しようと調子に乗ると、いじめにあって、友達はますますいなくなってしまった。
孤独に押しつぶされそうになるたびに、私は心の中でつぶやいた。
「いいもん、日本人なんだから、日本語ができればそれでいい。」
日本に引っ越してから、小学校に通い始めると、母国語であるはずの日本語が半分くらいしか理解できなかった。
それでも授業は、なんとなくついていけた。
でも、友達が使う「スラング」や話題としてあがる漫画やテレビ番組、ゲームの話は全くついていけなかった。
だから私は話を理解しているフリをした。
そのフリはいつまでももつわけがなく、気が付けばいじめにあっていた。
私の英語力は、当時の日本の中学生が学ぶ内容であれば、理解できるレベルではあった。
でも、文法をきちんと学んだわけではない私は、次第についていくことができなくなり、中学時代に英語の成績で上位にいた私は、高校生になった頃には、すっかり真ん中近くにまで落ちていた。
私は、落ちこぼれ帰国子女だ。
常に劣等感に駆られて生きてきた。
小学生の時に生まれ故郷で恋をした同じ日本人の女の子には、はっきりと「私、自分より頭がいい人が好きなの」と言われた。
小学生ながらにして、重い失恋を経験したと思っている。
周りの日本人は、ある程度英語ができたのに、私は一番できなかったのだ。
子どもの頃の英語力の差は、大学受験にまで表れた。
同じ帰国子女仲間は、日本の上位大学・有名大学に受かるも、私だけは中堅大学止まりだった。
帰国子女という言葉は、呪縛のように纏わりついていた。
「帰国子女羨ましい!」と言われるたびに、心の中の闇が渦巻いた。
けれど、
今、多分、帰国子女仲間の内、私が一番海外に出ている。
一番、世界を周っている。
英語を使って、世界で働いている。
親にも落ちこぼれ扱いされてきたけれど、私は今、苦手な英語をフルに活用して、世界を渡り歩いている。
世界中の人たちと知り合って、仲良くなって、恋をした。
そして、きっとこれからも、そうやって生きていく。
このnoteではそういった私の国際的な経験を綴っていく。
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