Wataru
国際協力の仕事やキャリアについてのお話。
落ちこぼれと呼ばれ続けた私が夢を叶えて世界を舞台に仕事をするまでのお話です。
ウクライナ危機を受けて、寄付をしたいという人が大勢いることはとても良いことだと思う。 多くの人がクラウドファンディングや援助団体・ウクライナ大使館への寄付を行う一方で、ツイッター上では個人ボランティアへの寄付も多く集まっていることが見受けられる。 個人ボランティアの中には、自分の貯金を切り崩して直接支援を届けている人もいて、それはプロの人道支援家からしても本当に勇気ある素晴らしい行動だと思う。 一方で、個人ボランティアたちの間で「大手支援団体は何をやっているのか?」、「
2010年、私は大学生になった。 英語のクラスのレベル分け試験が行われたその日、まだ誰も知っている人がいない中、私は一人で大きな会場に入った。 試験開始前にトイレに行こうと立ち上がり、後ろを振り返った瞬間、階段を一人降りてくる女性と目があった。 一目惚れだった。 中高6年間男子校で過ごした私は、女子に話しかけることが特別苦手になっていた。 それどころか、ほとんど顔なじみの人たちと6年間過ごしていたため、新しい友達を作る方法がすっかりわからなくなっていた。 声をかけ
アメリカから日本に引っ越してきたとき、私はまだ小学生だった。 慣れない日本の小学校のシステムに戸惑いながらも少しずつ友達が増えていった。 一つ、いくつになっても慣れなかったことがある。 それは「周りに合わせること」だった。 仲間はずれにされないように、当時流行っていたものに少しでも追いつこうとした。興味のないゲームを一緒に遊んで、興味のない漫画を読んで、興味のないテレビ番組を見た。 でも、興味のないものは、とことん興味を持てなかった。 興味のない話についていけず、
多くの人にとって「人道支援」という言葉は馴染みがないかもしれない。 その馴染みのない言葉が私の仕事。 そう、私は人道支援家だ。 分かりやすい言葉に言い換えると、NGO、国連、赤十字といった国際協力を担う組織の職員である。 人道とは、人として守るべき道のことをいう。 簡単に言ってしまえば、人が人らしく生きることだと思う。 つまり、人道支援家とは、人が人らしく生きることができるよう支援する人のことを指す。 それは、尊厳を守ることであり、人権を守ることであり、命を守る
年を取ることが怖くなる。 死に1歩近づくことへの恐怖もある。 でも、別の恐怖もある。 若い時に抱いていた情熱を失うことだ。 20代前半、私は国際協力業界への関心から、社会問題改善に強い情熱と関心を抱いていた。 大学時代、タイでNGOインターンを経験してから初めて知る「社会」に衝撃を受け、自分の指針を決めた。 「紛争の影響を受けた人々へ教育の機会を届けて心の傷を癒すこと」を自分の人生のミッションとして掲げた。 大学を卒業してすぐに、イギリスの大学院に進学した。 タ
生まれはアメリカ。 両親は日本人。 小学校は複数の日本人が通うアメリカの現地校に通っていた。 当時私が通っていた現地校では、日本人のための英語の授業が、英語をネイティブとする子どもたちとは別に用意されていた。 日本人向けの授業の時間は、現地の生徒が学ぶクラスを抜けて、日本人だけで集まって英語を勉強していた。 日本人向け英語の授業で、英語の成績がある程度認められると、現地の子どもたちと同じ授業を受けることができる仕組みだった。 1年生の時、私の学年には、私の他に3人ほ
自分で言うのもなんだけれども、 私は「内向型」である。 昔からシャイな性格で、小学生の時にはレジに立つ女性に「遊戯王のカードをください」と一言いうことすらできず、母親に何度も呆れられた。 特に私の英語と日本語への苦手意識は、シャイな性格を助長するだけだった。 現地校で「自分の意見をクラスみんなの前で述べるように」と言われ、赤面してただ黙っているだけの木偶の坊になることはよくあった。 内向きな性格にさらに拍車を掛けたのは、中高一貫の男子校だった。 成績順で決められる
初めての投稿で自己紹介をしなかったので、自己紹介。 私は平成生まれのアラサー。 生まれたときから今日まで、人生の半分近くを海外で過ごしている。 そう、私は所謂「帰国子女」。 帰国子女と呼ばれることは個人的には好きではない。 だって、生まれたときから海外なんだから、両親の母国に戻ったからといて、私にとっては帰国でも何でもない。 私にとっての日本は、異国の地だった。 それでも日本語的には帰国子女であることは間違いない。 帰国子女だと言うと、多くの人から「羨ましい!」と
はじめてnoteを書きます。 はじめての何かはいつも緊張する。 同時に、ワクワクする。 買ったばかりの新品の真っ白なキャンバスの上に、自分だけの絵を描く。 なにから描き始めよう、 どこから描き始めよう。 最初の一筆を間違えれば、全てが台無しになりそうな気がしてドキドキする。 描き始めると、 「これでよかったのかな?」 「こうすればもっとよかったかな?」 と、戸惑いながら少しずつ、少しずつワクワクしてくる。 「そう、これを描きたかったんだ。」 「ここは、もっとこ