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過去の恋人の話をネタに何か創作をする奴はイカレているのではないか

 過去の恋人の話をネタに何か創作をする奴はイカレているのではないか、と思う時があるが、如何せん自分の好きなバンドがまるまるそんな感じなので、何も言えない。

 ただ、本当に正気か? 実はイマジナリー恋人だったりするか? とはいつも思っている。だって、後から読み返して、特定の人間の顔が浮かぶのはどうなのだ。元恋人たちは、「実はこれ俺~」とか余所で言うのだろうか。使われてしまった時点で言えるような歌詞ではないのか。
 そもそもどの曲からどの曲までが同じ人間の話だ、とかにもなってくる気がする。創作をした本人の恋愛遍歴が凄いのは周知の沙汰だったりもするわけだし、そこに不倫とかアウトローなパワーワードが飛び込んできた日にはもう大混乱である。曲数が凄かったりするともう手に負えない。もしかして記憶を共有した分身でもいるのか? と思う。週七で七人と浮気をする人間が存在するらしいと眉唾の如く聞いたことがあるが、恐らくその人間は就く職を間違えているような気もする。最近ホストの斡旋(?)をしているアカウントからフォローされたが、目を付けるべきは絶対に私ではない。
 どっからホストが出てきたんだ。要するにそういうのが、全部他人の想像の余地を残したうえで丸裸になるのだ。地雷原である。しかも創作の中でも特に音楽は、一度リリースしてしまえば言わずもがな回収できない。他だって世に出した創作は、現代このインターネットの海において全て漂流物と化す。手元には戻って来ない。アメーバの如く分裂し、知らぬ間にどえらい編集が加えられることだってある。例え著作物が法で守られていたとしても知ったこっちゃない。本家が乗っかって遊び出せばもっとどえらいことになる。何の話だ? これはただの杞憂だ。

 しかし、余談としてもう一つ問題があって、それは意味が分からんといいつつ私がそうであることである。こそあど言葉で誤魔化したが、作品を読み返せば言わずもがな過去の恋愛の片鱗が、都度いたるところに散りばめられている。でもやり過ぎたら絶対に後悔すると分かっているから、憧れのようなものだけを集めて、混ぜて、何とか捏ね直して小説にしている。推しが実は結婚していたらしいと聞いた時は、流石に全ての作品を下げようかと思った。人間というのは、常々結婚をする社会的な生き物である。調子に乗っていた一年前の自分はとりあえず百回ぶん殴っておいた。ネットの海は怖い。私の好きだった人たちも、自分のことが書かれていると気がついた瞬間に「実はこれ俺~」って言い出すのかな。それはもはや、私の好きだった人なのかな。

 ※写真は一切話と関係ないです。悪しからず。

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