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隣の芝生は常に青い

人は常に自分にないものを欲しがるものだ。

アイドルグループ「嵐」は2020年いっぱいで活動を休止した。

ある試算によると彼らの2020年の経済効果は約1000億円だったそうだ。

一般のサラリーマンの生涯賃金が2億円だとすると・・・。

その差に圧倒される。

活動休止の理由について彼らは、

「この世界に入って経験していない、普通の生活での景色を見てみたい。」

と話したそうだ。

櫻井翔君とは同じ年で誕生月も一緒。私は世間一般の生活を送っている。

私も若いころは、自分が特別な存在だとどこかで信じていて、

人より何かで目立ちたい、有名になりたいと思ったものだ。

しかし大学4年生の時、その自信は完膚なきまでに打ちのめされた。

ITバブルが崩壊した就職氷河期時代。

毎日エントリーシートを書き、企業に送る。

その数、約300枚。

大抵はそのエントリーシートの時点で採用が見送られた。

自分という存在が、

「採用を見送らせてい頂きます。」

というメールの一文で、全て否定された気がした。

やっと勝ち取って就職した営業の会社。

研修の3か月後から、本格的に営業活動。

想像を越えた。

就職面接では幾度も「人と話すことが好きなんです。」

と答えていたが、人と会うのが嫌いになった。

「今週もやっと終わった・・・。」

ボロボロになりながらテレビを付けると光り輝いている華やかな世界。

自分の人生と眩しいテレビの世界をの隔たりに、絶望したものだ。

時は過ぎ、20年。

テレビの向こう側の彼らはいう。

「普通の景色を見たい。」と。

なんと滑稽な話だろう。

今思うと昔の自分は、「自分が幸せな人生を送ること」より、

「他人から見られて羨ましがられる人生」を目指していたんだと思う。

他人から羨ましがられるものは、正直手に入れられていないと思う。

しかし等身大の「自分が幸せだと感じる人生」は送れていると思う。

教員という仕事に就けた。結婚もできた。両親も健康だ。

そんな「普通」が実は「特別」なのかもしれない。

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