占領下の抵抗(注xxii)
人工言語エスペラントの創案者ザメンホフは、エスペラントを完璧なものと思っていた訳ではなく、それが変化していく事を全面的に否定してはいません。しかしザメンホフが認める変化はとても限定的です。
エスペラントの改造案による混乱とエスペラント運動の分裂の危機のあと、以前の著作から編纂された「エスペラントの基礎」への序文(1905年)のなかでザメンホフは
国際語の順調な前進のためには
が必要であると述べています。
そしてその上で
とその基礎への変更の可能性を、限定的にだけ認めています。
そしてエスペラントについて
と述べています。
しかし「自然の道」にしたがったときに、その変化が言語の基礎にまで及ばないという保証はないのではないだろうか?拙論で引用したソシュールの指摘はその事を示しているように私には思われる。
引用文献: 「国際共通語の思想 エスペラント創始者ザメンホフ論説集」L.L.ザメンホフ[著・述]水野義明[編集・訳]
1997年6月10日第1刷発行
著者: Lazaro Ludviko Zamenhof
訳者: 水野義明
発行所:株式会社 新泉者
参考文献:: 「ザメンホフ |世界共通語《エスペラントを創った医師の物語」
2005年1月24日 第1刷
著者: 小林司
発行所: 株式会社 原書房
この記事は↓の論考に付した注です。本文中の(xxii)より、ここへ繋がるようになっています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?