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スタートアップCFOの今 #1 資金調達

このような方に読んで頂けるとうれしいです。

・ベンチャーCFOを目指している方
・ベンチャー CFOが何をしているか知りたい方
・コーポレート側から見たベンチャー企業のリアルを知りたい方

初めまして、株式会社UNCOVER TRUTHで取締役CFOをしている渡邊祐也(わたなべゆうや)です。
UNCOVER TRUTHは、ヒートマップツール「USERDIVE」とウェブサイト改善実行支援、最近ではTreasure dataやTealiumを活用したCDPの構築と運用支援を行っています。創業8年目のベンチャー企業です。メンバーの平均年齢は20代ですが経営陣は40代、業種的にもBtoBなので落ち着いたベンチャーの印象だと思います。
そのような中、自分は45歳で最年長ですが、若いメンバーに混じっていつも刺激を受けながら楽しく仕事しています。

この記事を書こうと思ったきっかけは、渡邊がどんな人間で、今何を考えているのかを、わかりやすくお伝えしたいためです。
人と話すのが好きで、大変有難いことに毎週新しい方との出会いがあります。そのような方に、自分の経歴を一からお話はもちろんしますが、予め知って頂いた方がよいと思った、という単純なきっかけです。もちろん、FacebookやTwitterもしていますが、忙しいみなさんが過去の記事を振り返って細かくチェック頂けるとは思いませんので、シンプルに「私はこのような人」というのは、noteが伝えやすいと感じてます。

1. ベンチャーCFOとは


「ベンチャーCFOの役割はなんですか?」
よく聞かれるこの問いに対して、一言で回答するなら「高度な雑用をこなす人」だと思ってます。
CEOや他の役員がやらない面倒なこと、でも非常に重要で会社にとってなくてはならないこと、時にはちょっとみんなには嫌がられるようなルール作るみたいなことをやっています。資金調達は雑用か?と言われれば、もちろんそうではありませんが、CEOやCOOにとってはちょっと面倒な小難しい業務かなと思います。
他にも、経理財務、請求書発行など営業経理、総務、情シス、法務、経営企画、SFA導入、会食のお店手配(一番得意かも)など。もちろん、実務を全部やっているわけではありませんが、チームメンバーと一緒になって、これらにまつわる大小意思決定を毎日行っています。
業務内容で言えば上記のような仕事ですが、それらの仕事をやる時に意識しているのが「自分の仕事がCEOやメンバーの業務を加速させているか」です。どれも会社にとって重要な業務ではあるものの、だからといって、管理がきつくなって事業のスピードを下げてはならないと思ってます(むしろ加速させて成長するためにコーポレートがあるべきと考えています)。



2. 資金調達のリアル


ベンチャーCFOとして最も重要な業務のひとつが資金調達です。
私はこの会社にジョインしたのが、2016年1月。これまでの調達総額は、エクイティ10億円、デットも数億円規模になりました。会社のステージや資金使途に応じて、かなり柔軟にかつ必要十分な資金を調達してこられたと思います。私が入社してからは、本当に資金がなくて苦しいという状況は一度も作っていません。
エクイティファイナンスが成功するスタートアップは本当に一握り、そして、シードマネーを調達できてもユニコーン企業(企業価値10億ドル以上)になれるかは、1%の確率です。STOCK OPTION COUNSEL®より

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http://stockoptioncounsel.com/blog/joining-an-early-stage-startup-negotiateyour-equity-wisely-with-stock-option-counsel-tips/2014/2/12

エクイティファイナンスは時間がかかります。特に、UNCOVER TRUTHに関しては、当初は東証上場のクロスマーケティンググループの子会社からスタートしてますので、「上場子会社としての大型調達」という側面がありましたので、ステークホルダーが多い分、調整業務はなかなか大変でした。
実際のところ、「エクイティファイナンスをしたい」と思ってから、実際に着金できるまではこれくらいの期間がかかりました。

- シリーズA
2016年1月 サウンディング開始
2016年8月 VCから入金

- シリーズB
2018年2月 サウンディング開始
2018年9月 VCから入金

いずれも7ヶ月かかりました。

ちなみに、お会いした社数も多く、シリーズBでは、76社面談して、投資に至ったのは8社です。

ベンチャーキャピタルの方とのコミュニケーション・折衝で最も意識していたことは、
質問に対する迅速な回答、なんですが、「相手の意図を踏まえてわかりやすい回答をする」というのが重要です。

UNCOVER TRUTHが過去に資金調達をしたときに記事がWantedlyにありますので、よければご参考に読んでみてください。


- シリーズA

- シリーズB


3. 今、何にもっとも比重を置いているのか


新型コロナの影響で、UNCOVER TRUTHでも、3月27日から原則出社禁止でWork from homeを実施しています。エンタープライズを中心に営業活動している弊社にとって、外出自粛のこの状態は少なくない影響があります。そのような中、メンバーの安全・健康管理は最も大事なことではありますが、シンプルに回答するなら、「資金確保」です。

資金確保については、今すぐ打てる手はデット調達です。セーフティーネット、日本公庫のコロナ対策、既存の借入があるなら返済猶予など、あらゆる手段に取り組んでます。もともと昨年から「幅広い金融機関に口座を持ち、いざというときにお願いできる関係性を作る」という方針でやってきましたので、今、相談できる先が多いのが強みになっています。なお、新宿区のセーフティネットは緩和措置が使いやすかったです。5月中にぜひ区の認定を取得しておいてください。

そして、金融機関の担当者は、3,4月は相当多忙だった上、情報が外に持ち出せないためすぐにはリモート勤務ができず、交代勤務で自宅待機をしていたようです。
最近では、交代勤務の体制が整ってきたようで、ある程度の情報が外に持ち出せるようになったため、今が相談しやすいタイミングだと思います。

資金調達について、ご相談ごとがありましたら、惜しみなく情報シェアしますので、お気軽にご相談ください。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!