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自分と同じように暮らす子どもがいろんな場所にいることを知った娘と、裸で踊る人はどこにもいないと知った息子(仮暮らし:石川県能登半島穴水町①)

今回の仮暮らしは石川県能登半島穴水町。
家族で穴水町民に扮してきたことを少しずつ振り返りたい。

まずは初日。前夜に千葉を出て、長野、岐阜、富山をゆっくり抜け能登半島に到着。

楽しそう
これはボラ待ちやぐら。1日目にして天気がコロコロ変わる印象。

今回の家は海が一望できる一軒家。町の中心部から離れた静かな場所だ。
チェックイン後は地域おこし協力隊の方々に会い、まちを案内していただく。

町の保育園

まずは保育園。
通常通り開いている保育園の中まで見学させていただいたのは、この生活を始めてから初めてのこと。
園の子どもたちはお昼寝中で、起きている数人の子どもたちが物珍しそうに私たちを見ていた。

娘も息子も、自分の園しか知らない。自分の知らない土地の知らない園に通い、そこで自分たちと同じように日常生活を送る自分と同じ年くらいの子どもたちを初めて見て、不思議そうな顔をしている。

神社に隣接する園舎の中は、大きな二枚の窓が正面に見える。窓の前には絵本を読むための小さな机と椅子があった。窓から見える森の緑はとても綺麗で、季節の移り変わりを感じながらこの場所で絵本を読む子どもたちを羨ましく感じた。先生方はあたたかく、園の外ではキジがトコトコ歩いている。

いつの間にか馴染んでる

園からの帰り道、娘が「流山以外のいろんな場所に私と同じように暮らしている私の知らない子たちがたくさんいるってことだよね」と不思議そうに言っていた。

当たり前のことのようにも思うけど、不思議だよね。日本だけじゃなく世界にいるんだよ、と言おうと思ったけど「世界って?」から始まる質問攻撃に今日は体力的に耐えられそうにないからまた明日言おうと思い「ね、不思議だよね」と返す。

こういうタイミングを逃すと、私も娘もこの疑問を忘れてしまうからよくないのだけど、これからも旅は続く。ゆっくりと自分なりに感じ取ってもらおう。

息子が「流山じゃない場所にも裸で踊っているひとっていっぱいいるんだね」と言う。
ここからどんな質問攻撃が始まろうとも、それに対しどんなに体力的に耐えられそうになくともここはしっかりと答えなければならない。「また明日」が許されぬこの感想に、秒で返事をする。

「そんな人は流山にもいなければ穴水町にももちろんいない」

「運命だよ」と笑う兜ガーデンファームの小栗さん

続いてコワーキングスペースがあるということで伺った場所には、上品なヤギたちがいて、葡萄畑があって、バーベキューハウスがあった。

上品なヤギさんたち
ヤギが膝で抱っこされてる姿を初めて見た

ヤギのいる農家民泊であり、コワーキングスペースでもある「兜ガーデンファーム(体験型宿泊施設)」を営んでいる小栗さんは、退職後に横浜から移住してきたとのこと。

ご飯を食べたり交流したりするスペース
コワーキングスペース

地域おこし協力隊の皆さんに、穴水町はもっとこうした方がいい!となかなかに辛口な意見を伝える小栗さん。

後に会う方もそうなのだが、いや、今回出会った方がたまたまそうなだけかもしれないけど、穴水町の人ははっきり意見を伝える人が多いという印象だ。

地域おこし協力隊のみなさんも穏やかに話を聞き、自分の意見をちゃんと伝える。みんな、いい意味で全く繕わない。風通しの良い町なんだろう。

そんなこんなで葡萄畑なども見学させてもらった後は小栗さんの今後の展望などをひとしきり聞き、最後に「なぜ穴水町を選んだんですか?」と質問したところ「それを話すとかなり長くなるけどいい?」とのこと

葡萄畑
葡萄がないじゃないか、と呟く息子

現時点で中々に長かったので、自分で質問しておいてなんだが遠慮した。
小栗さんは、「あ、では次回で大丈夫です」と穴水町民を見倣ってハッキリ伝えた私に向かって豪快に笑い、「運命だよ」と一言だけ言った。

小栗さんに憧れのトラクターに乗せてもらった息子は、将来穴水で小栗さんの葡萄畑を手伝うと言う約束を安易にしていた。

一点を見つめたまま降りず。この後小栗さんを含むみんなで説得にかかりやっと降りる

余談だが、彼は奈良でユンボに乗せてもらった時は「ここで働く!」とこれまた安易に言っていた。

3日も過ぎれば聞こえなくなる町内放送、そして次回予告

その後、地域おこし協力隊の方おすすめのスーパーで買い物をしていると、さすがに疲れた娘が眠さでダウン。

息子は寝たふり

「疲れたね、明日はゆっくり起きよう」などと言って早々に眠りについたが、この時の私たちはまだ知らなかった。

穴水町には毎朝6時と7時に町内放送が流れるということを。

しかし大丈夫。穴水生活も3日を過ぎれば町内放送に耳が慣れ、もはや何も聞こえなくなる。つまり「無」だ。

いや、それじゃまずいのか。とにかく、心地よいものとなるから大丈夫。いや、この翌日は心地よいものではなかったとかでは一切なく。あせあせふきふきにこにこ。

このあと私がアレルギーで苦しみ、牡蠣以外の食べ物を受け付けなくなるというある意味では都合のいい体になったことはまた翌日以降の話なのでこの辺で。

つづく

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