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てのひら小説作品集

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愛媛の作家によるてのひらサイズの短い小説。 500文字以下の小物に印刷したら映えるサイズ。 それが「てのひら小説」です。 1000文字超えてても2000文字以上でも「いや、これが…
運営しているクリエイター

#ショートショートストーリー

沈む夕日が美しい駅で

◇◇ショートショートストーリー 取りあえず乗った列車は瀬戸内海の海岸線を緩やかに走って日…

古本屋「さらだ」で出会った

◇◇ショートショートストーリー 自由が好きな次郎は休みの日は自転車に乗って、心の赴くまま…

木の精のことばが聞こえた

◇◇ショートショートストーリー 木の一本一本がやさしく語りかけてくるのです、森にいると不…

私は土に何かを埋めていた

◇◇ショートショートストーリー 私は夜になるのが本当に怖かったのです。暗闇から何か不思議…

あの日に帰りたい

◇◇ショートショートストーリー 雅子にとって故郷の愛媛は、苦い思い出の場所です。小学校時…

私は演じることで生きている

◇◇ショートショートストーリー みつ子は台本に何度も書き込みをしています。演出の是沢がそ…

忘れられない最後の会話

ショートショートストーリー 小百合のおばあちゃんは電話好き、ハキハキした通りのいい声で一日に最低二度はかけてきます。 その上メールも得意で、まるで若い女性のように、軽やかなタッチで楽しいコメントを打ち込み絵文字も付けてきます。小百合は気分が沈んでいる時おばあちゃんのメールに励まされることがあります。 おばあちゃんは何よりも人との会話を大切にしています。 「おばあちゃんのおしゃべりパワーは凄いわい、電話もメールも面倒くさがらんけんねー」と小百合が言うと 「小百合、ばあ

愛ちゃんは絆創膏だった

◇◇ショートショートストーリー 愛ちゃんのお父さんとお母さんは最近同じテーブルで食事をす…

昭和の終わりにタイムトラベル

◇◇ショートショートストーリー サクラはこれだけは失くしたら大変だと携帯を握りしめていま…

友情はアジサイ色

◇◇ショートショートストーリー 雨を受けてよりいっそう青さが増しているアジサイを眺めなが…

お祖母ちゃんと僕の夏越し

◇◇ショートショートストーリー 僕は小さい頃からお祖母ちゃん子で、お祖母ちゃんと色々な所…

ホタルブクロとゆきちゃん

◇◇ショートショートストーリー 「ほー、ほー、ほたるこい」「あっちの水はあーまいぞー、こ…

金曜日のピアノの調べ

◇◇ショートショートストーリー リエは潮風を感じながら歩くこの坂道が大好きです。自宅まで…

とっておきの水を飲んだ受験生

◇◇ショートショートストーリー 義幸は大学進学のために自分なりに頑張っていました。塾には行かないで自分の力で合格したいと思っていたのです。 義幸のお父さんは3年前に、突然くも膜下出血で帰らぬ人となりました。下の弟と二人、お母さんを助けながら、コンビニエンスストアなどでアルバイトをしながら高校に通っています。 お母さんは、夫が亡くなるまで、働いた経験がありませんでしたが、今は清掃会社で朝早くから昼頃まで、働いています。 大学進学を諦めようとしていた義幸でしたが、母はとに