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てのひら小説作品集

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愛媛の作家によるてのひらサイズの短い小説。 500文字以下の小物に印刷したら映えるサイズ。 それが「てのひら小説」です。 1000文字超えてても2000文字以上でも「いや、これが…
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2023年10月の記事一覧

しっぽ

化け猫は尾が9つあるという では5つ目の尾が生えた ミケはなんになるんだろう もう何年 一緒…

水川ぽとす
8か月前
2

カーテンの隙間から 明るくなってきたのがわかる また、夜が明けてしまう 眠れないまま ベッ…

水川ぽとす
8か月前
4

【極短編】冬の休日

いつもの時間に目が覚める 今日は布団から出ない 一日中、絶対に出ない 「一日を無駄にする」…

10

北の工作員

 私は、羽田空港から島根出雲空港に向かっていた。取引先の工場に、あいさつがてら営業活動を…

stominaga
8か月前
7

疾走

おへそのあたり からだのぐんと内側の方が 煮えたぎるようにあつい トットットットッ 早歩き…

水川ぽとす
9か月前
2

突然ですが文学賞に入選です。

◇◇ショートショート 幸はその日メールを開いて驚きました。 「この度あなたの応募作品"恋し…

冬眠

今とは比べ物にならないくらい冬が寒かった頃、夕子の望みは冬眠だった。 酷暑の最近では夏眠が望みで、「目が覚めたら冬だった」というような体質になりたいと思いながら生きている。 昔の石油ストーブは、今のファンヒーターではなく上部が熱くなるタイプのものしかなかったので、やかんや鍋を上に置くことも多かった。 夕子の部屋にも上が熱くなるストーブがあったが、必要じゃないので上にやかんなどを置くことはなかった。 ある夜、いつもは北側に置いているストーブを、「南側に移動させよう❣」と思った。

一歩

涙が出そうになって 下を向いたら かわいらしく咲いてる 花を見つけた 紫色で小さくて 丸くて…

水川ぽとす
9か月前
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