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てのひら小説作品集

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愛媛の作家によるてのひらサイズの短い小説。 500文字以下の小物に印刷したら映えるサイズ。 それが「てのひら小説」です。 1000文字超えてても2000文字以上でも「いや、これが…
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2021年7月の記事一覧

私は土に何かを埋めていた

◇◇ショートショートストーリー 私は夜になるのが本当に怖かったのです。暗闇から何か不思議…

あの日に帰りたい

◇◇ショートショートストーリー 雅子にとって故郷の愛媛は、苦い思い出の場所です。小学校時…

私は演じることで生きている

◇◇ショートショートストーリー みつ子は台本に何度も書き込みをしています。演出の是沢がそ…

ステンドグラスのオルゴール

◇◇ショートショートストーリー ルリ子はまるでバレリーナのような華奢なボディーでパープル…

日曜日の讃美歌

◇◇ショートショートストーリー 美幸はここ最近少しもいいことがありません。昨日はお気に入…

noteで空想◇イラスト人物図鑑vol.7

空想の時間がやって来ました。91歳のばあばが描くイラストから様々な人物像を空想なさってくだ…

忘れられない最後の会話

ショートショートストーリー 小百合のおばあちゃんは電話好き、ハキハキした通りのいい声で一日に最低二度はかけてきます。 その上メールも得意で、まるで若い女性のように、軽やかなタッチで楽しいコメントを打ち込み絵文字も付けてきます。小百合は気分が沈んでいる時おばあちゃんのメールに励まされることがあります。 おばあちゃんは何よりも人との会話を大切にしています。 「おばあちゃんのおしゃべりパワーは凄いわい、電話もメールも面倒くさがらんけんねー」と小百合が言うと 「小百合、ばあ

『コップの中の』

 コーラを飲み干して、自室を見回す。 「行ってきます」  他に人もいないのに、小さく声をか…

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愛ちゃんは絆創膏だった

◇◇ショートショートストーリー 愛ちゃんのお父さんとお母さんは最近同じテーブルで食事をす…

昭和の終わりにタイムトラベル

◇◇ショートショートストーリー サクラはこれだけは失くしたら大変だと携帯を握りしめていま…

友情はアジサイ色

◇◇ショートショートストーリー 雨を受けてよりいっそう青さが増しているアジサイを眺めなが…