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Vol.8:広島と秋田とランスが繋がった話

フランスのランスという町でまさかの出会い。
広島と秋田を感じた。

まずそもそもなぜランスに4日も滞在することになったのか。

  1. ベルギーとパリ間で安いAirbnbがあったから

  2. 都会でなく自然と近い田舎町にいたかったから

という理由だったからこそ町自身に特別期待していた。「〇〇を必ず見る」というものもなかった。

しかし、ネットサーフィンをするうちに「フジタ礼拝堂」を見つけた。
日本名と礼拝堂というミスマッチに惹かれ行くことに。

礼拝堂自身は小さなものだが、室内の壁画は全部藤田嗣治 (つぐはる)という画家が描いたものだった。

本当に綺麗だったのでもっと写真を撮っておけばよかった


秋田


このタッチになぜか親近感を感じた理由が後々分かった。
藤田は秋田県立美術館にある「秋田の行事」という巨大な絵を書いた張本人だったのだ。

日本にいた際に、秋田の資産家と個展で知り合い、絵画を描くことに至ったらしい。
横20mもある巨大な絵画を描くために何度も秋田に出向いたらしい。

広島

礼拝堂のステンドグラスには広島の原爆投下を思い起こす作品もあった。

右上には原爆の熱風により焼けた人が描かれている


このグラスは戦争の悲惨さを表現したものとなっており、特に広島にスポットライトを当てたとのこと。
礼拝堂にこのような作品があるのは、藤田自身が平和を強く希求する人物だったことに由来するらしい。

旅が連れて行ってくれるもの

このような稀有な接点を知ると、自分たちがランスを旅先に選んだのは何か必然的なものがあったのかもしれないと感じさせられる。

藤田が秋田の絵や礼拝堂の絵を手がけるようになったのも、自分が秋田に行くことになったのもきっと些細なきっかけ、インスピレーションを感じたからに違いない。

そう思うと、藤田が秋田のどのような点に魅力を感じたのか、広島の惨事をどう捉えたのか、ものすごく気になる。
いずれにしろ、秋田と広島には有名な画家の心を動かす何かがあるということ。

ランスは自身の広島と秋田の結びつきをより強めてくれた。そして広島、秋田を見るための新しい観点をくれた。

旅とは、自分の中にある点と点を結びつけることで自身を形作るプロセスそのものなのかもしれない。


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