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【読書記録】ナイフをひねれば(アンソニー・ホロヴィッツ)

【あらすじ】

「われわれの契約は、これで終わりだ」探偵ホーソーンに、彼が主人公のミステリを書くのに耐えかねて、わたし、作家のホロヴィッツはこう告げた。その翌週、ロンドンで脚本を手がけた戯曲の公演が始まる。いきなり酷評する劇評を目にして意気消沈するわたし。ところがその劇評家が殺害されてしまう。凶器はあろうことかわたしの短剣。逮捕されたわたしには分かっていた。自分を救えるのは、あの男だけだと。〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズの新たな傑作登場!

【感想(ネタバレあり)】

「ホーソーン&ホロヴィッツ」シリーズの最新刊。海外ミステリーって昔の名作(シャーロック・ホームズとか名探偵ポアロとかドルリー・レーンとか)しか読んでこなかったんだけど、数年前にシリーズ1作目の「メインテーマは殺人」を読んでハマって別シリーズ読んだり「自由研究には向かない殺人」読んだりと最近人気の海外ミステリーも読むようになった。

飄々とした謎多きホーソーンとそれに振り回されるホロヴィッツの組み合わせが面白い。ホロヴィッツに殺人の罪が着せられてもなおその関係が変わらなくて、ホロヴィッツはいつも以上に、はらはらいらいらしていた。

ホーソーンは最後の謎解きまで、予想とか推理の途中経過とか言わないから、読者もホロヴィッツと同様にやきもきしたはず。

一方で、嫌々ながらもホロヴィッツを警察から匿ってあげるために自宅に泊めてあげる優しさを見せたり、本を書きやすいように謎解きパートで容疑者を舞台上に集めたり、なんか憎めないんだよね〜。

ホロヴィッツのエージェントのヒルダとはいつの間にか仲良くなって本の執筆の約束を取り付けちゃったり、必要だったら社交的に会話できるんだろうな。

謎解き部分は、あっと驚くどんでん返しはなかったけど、そんな証拠がここに繋がっているんだ!という驚きがあった。ホロヴィッツの作品の出演を断っていたのはそういう理由だったのか〜

このシリーズはフィクションの中に事実も混ざっているので、現実世界とストーリーの境界がちょっと曖昧で没入しやすくていい。

ホーソーンの謎も本当にちょっとずつだけとわかってきたので、続きも楽しみ。


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