和装はきもの・小物 加藤

秋田県の大曲駅前に1920年創業、現店主で3代目となる。ぞうりやげたの台と花緒を別々に…

和装はきもの・小物 加藤

秋田県の大曲駅前に1920年創業、現店主で3代目となる。ぞうりやげたの台と花緒を別々に用意しており、お客様の用途、要望、意見を参考にお仕立てしている。

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最近の記事

ふりかえり ①

2003年1月はじめ、父が他界した。私は長男なので諸々な仏事を進めていくことになる。姉はお隣にの横手市に嫁いでおり、疲れ切った母を横目にいろんな決め事をしないといけない環境だった。 一家の主人が亡くなることは悲しみや辛さ以外のやらなくてはならない事が多く、かと言って他人にお願いすることも出来ず、淡々と日々が流れていくような感覚だった。 私は地元には居たが結婚してサラリーマンになり両親とは別居していたので、家のこと、店のことはまったく知らなかった。 そもそも父は家業を継ぐ

    • 線引き ④

      2018年6月、弘前casaicoさんでの鼻緒すげの実演は終日あっという間に終わった。はじめての所、はじめての実演、はじめてのお客さん。店主の葛西さん、こぎん刺しの鼻緒を作る夏次郎さんともゆっくり会話もできない程の盛況ぶりだった。 翌年2019年6月大曲でいぱだだを履く。展vol.5を開催。今年6月は2年ぶりに弘前casaicoさんでvol.8を開催、続けて7月は仙台PARCO2の東北スタンダードマーケットさんでvol.9を開催する。 弘前、仙台いずれも鼻緒すげの実演でお

      • 線引き ③

        今から3年程前、一本の電話がくる。弘前ギャラリーcasaicoの葛西さんからだった。葛西さんのことは以前にボタン研究所の企画「ブロウチな冬」で参加いただき、お名前と作品は知っていた。 電話の内容は翌年(2018年)6月に夏次郎商店というこぎん刺しの鼻緒をつくる作家さんの展示を予定しているが、その展示の中の鼻緒すげの部分をお手伝い出来ないかと。 夏次郎さんのことも知っていた。葛西さんからのお声掛けは心から嬉しかった。この仕事をしていて、なかなかご一緒に何かという機会もなかっ

        • 線引き ②

          お着物用のはきもの、ぞうりや下駄の取り扱いだけでは食べていけないと思っていて、では何だろう?と自問自答していた。性格的に無理をするタイプではないので、好きなものだろうなと思い、民藝にまつわるものを検討することに。 その時は売れる売れないは考えておらず、自分の納得するモノを店内に置きたい。それらがぞうりや下駄と整合性がとれれば良いと思っていた。 今から18年程前なので、ネットで検索という雰囲気ではなく、総合の展示会なんかも知ってはいたが、どこか違うだろうなと思っていた。

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        • 加藤のこと
          1本
        • はきもの
          4本

        記事

          線引き ①

          お店をはじめた時、はきものの仕入れ方法をゼロから見直した。父が営んでいる時はいわゆる地方問屋からの仕入れが多かった時代であり、それが通常だった。製造メーカーがあり地方問屋がある。ならば直接製造メーカーに出向き、作っている人やその背景を知ることが出来れば、もっとぞうりや下駄を好きになると思った。 その考えは個人的に陶芸やガラスなどに興味があり、時折作り手に出会うことがあったし、そんな人たちとの会話を楽しむ自分があったからだと思う。 スタートは浅草近辺の製造メーカーを訪れる。