ふりかえり ①

2003年1月はじめ、父が他界した。私は長男なので諸々な仏事を進めていくことになる。姉はお隣にの横手市に嫁いでおり、疲れ切った母を横目にいろんな決め事をしないといけない環境だった。

一家の主人が亡くなることは悲しみや辛さ以外のやらなくてはならない事が多く、かと言って他人にお願いすることも出来ず、淡々と日々が流れていくような感覚だった。

私は地元には居たが結婚してサラリーマンになり両親とは別居していたので、家のこと、店のことはまったく知らなかった。

そもそも父は家業を継ぐ継がないの判断は自分(父)が決めるのではなく、本人(私)に任せていた。私がデザインの学校に入り、そのままそのような関係の仕事をしていたことを認めてくれていたし、それでよしとしてくれていた。

1月の凍った朝、一行は、店のある商店街を通り、父の好きだった雄物川と西山を通り、火葬場へ。翌日は葬式と決め事のように進んでいった。

葬式が終わり、参列された方が帰られる時、数名の方から声をかけられた。

「お店継がないの?」

「花緒すげる人いないのよね!」

「あなたやりなさいよ!」 などなど。

はじめは、あーはいはい的に受け流していた。その時勤めていた会社での位がひとつ上がり、給料が約4万円上がったからもあったかも知れない。葬式最後のお見送りの時も流れるような感情で終わっていった。早く終わらせたい思いもあった。




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