ワルツを踊ろう/中山七里/幻冬舎
※注意※
このブログ記事は私の感想なので口調や言葉遣い、あまり気を使いません。
文章も考えて打ちません。読みにくいでしょう。
そして見ている貴方の、好きなものを否定するかもしれません。
私は私のためにこれを書いているので、ごめんなさい。
それでもよろしければお暇つぶしに眺めてください。
この本は銀行エリート街道だったクラシックが大好きな39のおじさん(と呼ぼう)が、
リストラされて親の住むかろうじで都内のド田舎に引っ越すみたいな話だ。
区とかじゃない、村に住む話。
村に住んでいる人間は自分を含めて九人。
親がこの時期に重なって死んで、持ち家がド田舎にできて、リストラされたけど田舎暮らしみたいなものをしてみるかと淡い期待を抱いて過ごすみたいな。
んで田舎の村八分と戦うみたいな。
そんなあらすじっていうか導入だ。
私はこの本を読んで最初の方に教訓っていうかこうしようと思ったのは絶対に田舎には住まねえと思ったことだ。
こういう村八分って絶対にあるし、田舎が優しいなんて限らない。
都会者は冷たいなんていうがそんなのは個々の人間性だし都会者を冷たいと言うのは田舎者だからあてにならないと思っている。
確かに小説冒頭にあったような井戸水が飲めることやその水がとてもおいしいこと、野菜がぶかっこうだが美味しいことなどはとてもうらやましい。
がしかし私は食べることが根本的に嫌い(水を飲むのは好きだけど)なのでまあ田舎に行かなくても困らない。
さて、この本は最初から四分の三までずっと不快になるような内容が続いている。
主人公のおじさんは浅はかだし、村の人間は傲慢で老人特融の頑固さというか頭の固さというか。それがずっと続く。
どうにか主人公が仲よくしようなんてこれまた浅はかな思いを抱いてもことごとく失敗に終わる。(仲よくしようの方法が奇行だからね。)
まあそりゃ当然だ。なんて言ったってこの主人公のおじさん客観性がとても養われていない。人を見る目がない想像力が乏しい。やることなすこと自分勝手で都会にいても多分結婚できないしこの人を好きだという人あまりいないんじゃないかな。
だから犯人というか悪人に使われるんだよ。と思った。
まあきっとこれは読んだ人みんながそう思うように七里さんが書いている。さすがの表現力だなと思った。読んでてずっと不快だったもの。
まあだがこの表現力のせいでこんなおじさんが身の回りにいたらやだなとか、
こんな田舎行きたくねえよなんて思った人は多分、本の半分くらいで読むのやめるんじゃないかな。何にもならなそうな小説だななんて思って。
かくいう私もそう思った。だしもうこの小説はきっと二回も読まない。
(その証拠というかなんというか、私はこの小説を家の文庫を入れる箱。もう読まないと書いてある方に入れたからだ)
でもこの小説、いいところがあって。
まあ、いいところというのは最後の四分の一のどんでん返しシーンというか、主人公が覚醒するところだ。
結局このおじさん、まあストレスが溜まりに溜まり、一緒に住んでいた可愛いお犬様を殺されてしまうのだ。そこは可哀想だね。
そして意地悪であろう村人の中で唯一相談に乗ってくれていた人以外を殺しちゃうのだ。仇だと言ってね。
一軒一軒回って、凶器たくさんもって、頭の中にはクラシックが大音量で、
その惨殺のシーンはとてもよかった。
いつもはちょっとこいつ普通に関わりたくないなと思う人間性も覚醒することによってとても魅力的になっている。
こういう言葉は似合わないかもしれないがこの主人公が性的に思えた。
そのくらい惨殺のシーンは男性的魅力が溢れていて、ちょっと素敵だなあなんて思った。覚醒すごい。
自分を迫害した老人達一人一人を尋問をかけるように、自分が裁きをするといった動きがとても不安定でよい。
決断された意志っていうのはいいよね。
書いている七里さんも楽しかったのだろうか、
惨殺シーン戦闘シーンはとても細やかで、想像とかしやすくて面白かった。
かといってその前半全てを補えるほどではないし、
ここ最近の惨殺映画によくある感じだし(クラシック流れてるとことかね)めっちゃ面白い~~~~~ってわけではない。
あくまで主人公ええやん…ということだ。
ほいでまあ、相談してた村人を残し全員殺すんだけど、
まあこの主人公がアホなのは変わらないんだね。
本好きの老人がいたんだけど、そいつを殺した後に可哀想だから(まあ嘲笑的な意味で)一緒に本と燃やしてあげますねっつって火をつけるのさ。家に。
それで村で火事おきて、消防隊とか来ちゃうんですよね。
速攻犯罪ばれて追われる、みたいな。アホ(笑)
凶器いっぱい用意したり頑張って殺すまではいいけどそういうとこだぞっていうね。
そして主人公は普通に捕まります。
ただ、クラシックで頭をハイにしてたので情状酌量?心神喪失?で捕まるかわからないねというのが主人公の最後。
そしてどんでん返しというのが、まあそんなに大きい感じでなくて、
相談役として、この小説唯一のいい人みたいな位置の人が実は裏で主人公の村人友達計画を潰してたみたいな事。
犬を殺したのもその人だし、主人公の家や本人に嫌がらせしていたのもこいつ。
まあかといって他の村人が何もしていないのかっていうのはわからない。
陰険な村だったからやってたかもねとは思ってる。
過去、というかそいつも村八分をされていたし過去に村のせいで妻と娘が亡くなっているので、馬鹿な若いやつが引っ越してきたしそいつの父親もカスだったから頭使って全滅させよう、みたいなことを考えていたみたいな話だった。
うーーーーーん。
まあこの後にも井戸水が怖いみたいな話がちょろっと出るんだけど、これは何がしたかったのかよくわからない。や、言っている意味はわかるし真犯人の精神は通常ではなくなっていたのか?みたいな表現というか、それに値するのもわかるんだけど。
終わり方っていうか、全体的に以前読んだ同作者の「魔女は蘇る」の方が面白い。これはもう一度読んでもいいのでそのうち読むとしよう。
個人的にはまた製薬会社…?なんて思った。
終わり方が魔女の方が面白かったので、ちょっとだけ残念。
年季のある作者だから書くのは上手だけど、ネタはやはりセンスが光ってしまうのでもうちょっとひとひねってほしかった。ぜ。
次はとても大好きなハサミ男を読もうと思う。
本当はそれを記事の一個目にしたくて、一度読んだからこそまた感動できるのかという感じだったのだけど、
「ワルツを踊ろう」はきっともう読まないうえに、まだ記憶に新しかったので書いてみた。
お疲れさまでした。
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