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ハサミ男/殊能将之/講談社文庫

※注意※
この記事は私の感想なので口調や言葉遣い、あまり気を使いません。
文章も考えて打ちません。読みにくいでしょう。
そして見ている貴方の、好きなものを否定するかもしれません。
私は私のためにこれを書いているので、ごめんなさい。
それでもよろしければお暇つぶしに眺めてください。






私の、多分ほぼほぼ一番好きで尊敬した本だ。
どんでん返しとかラスト何行とかのシリーズだったら大体みんなこれ好きだよなっていう、私の中では大ヒット作だろうっていう本。みんな知ってるよな???っていう本だ。

今回この本を読んだのは二回目なので前回のような感動というか、
うはぁ…っていうのはまあなかったんだけどやはり面白かった。
うん。よい!



あらすじとしてはこうだ。
主人公は冴えない、都内に住む一人の人間でごくごく普通の人物だって感じで始まるんだけど、実は連続殺人犯なのだ。
最初の10ページとかで普通にわかる。

その殺人犯、JKを中々アーティスティックに殺しては世間を騒がしている"ハサミ男"と呼ばれるやつだったのだ。
既にタイトル回収って感じだね。早いね。

それでまあ何をするって、そのハサミ男既に次のターゲットを見つけてるのよね。
その次のターゲットであるJKを計画的に殺そうっていうのがものすごく前半の話だ。
起承転結の起だね。



この本の何がすごいって、ここまでで話がある程度できあがっているから読み始めた当初、あとターゲットのJK殺すだけで残りページこんなに使うの??なんて思った。
だって序盤も序盤で殺す相手は決まっているし、
そもそもハサミ男だいぶ用意周到だしあまり手間取らずに殺せそうじゃんって思ったから。

ここから何を展開するねんと。そう思うわけだな。


ところがどっこいここで普通に事件が起こるのだ。

ハサミ男さんはターゲットであるユキコ(漢字忘れた)を殺すのに今か今かと狙いをつけていて、
綿密に生活スタイルやら絶対に通る道やら家族構成やらを調べていて機会を窺っていたんですよ。
そして今日、殺しちゃおうかなと。
準備もして待ち伏せしてワクワクしていたら。




ユキコちゃん誰かに殺されちゃってたのよ。
自分が殺す前に。



そしてその死体を発見しちゃうわけですな。ハサミ男は困る焦る。
機会を窺って殺そうと思ってて張り込みまでしていたのにまさか先を越されるなんて。

しかも死に方が世間の言う"ハサミ男"と一緒の手口なのだ。
てかこれを見た人は"ハサミ男"の犯行だと言うだろうという状態だった。
でも、自分は殺していない。


どういうことだと?
そして自分のやっていない"ハサミ男"事件の遺体第一発見者になってしまってこれまた困る。
よく知っている手口なのに、自分じゃない。誰がやったんだ?




というのを解く話だね。これは。
もう結構出回っているのかもしれないけれど犯人視点で逃げきり、
走り抜けるって言うのが中々に斬新というか、いいと思う。

いやもう出回ってる手法なのかもしれないけどね。
面白いよ。






感想というか、
なんというかこの本割と好きすぎて殴り書きに近いものになるかもしれない。
後で自分で見て順序立ててなくてなにしてるのってなりそう。

というかものすごく書きなぐってしまっている。反省はしてないけどあまり見てほしくないぜ!




とにかくこの本はミートパイが食べたくなる。
私は梨のタルトってあまり興味がないから惹かれないけれど、
作者の出す情報、書き方、表現力に邪魔なものがなくて、
食べ物一つ書くにしてもこれはミートパイ。とだけしか書かないからいらん情報を受けなくて済む。
ゆえに自分の頭の中だけであーミートパイたべて~~~~~ってなるしタルト美味しそうってなる。

食べ物の表現をするにあたってあれだけじゃ簡素なのかもしれないけれど、
食べ物にさほど興味なくてその物体だけを知っている人ならそれだけで十分な気がする。
どうサクサクとかホクホクとか興味ないしね。
トマトソースいいなあ。



結局最後の、ハサミ男についてのオチはどうなのだろう。
文章中で普通と、サイコの違いみたいな話をしていたけれど結局ハサミさんは幼少期に何かトラウマがあったような感じで終わっている。

明言はされていないけれど母親が死んでいる…?
のかなんなのか、何か確執がある感じだった。
そして医師の姿も父親と似ている、というか父親の老けた姿っていうのがまたひっかかる。

普段見ているというか、記憶にある父の姿でないのが気になる。
そしてなぜハサミさんは頭のいい子を知りたいと思ったのだろう?
病室にいた女の子は頭がよい、っていう描写はなかったと思うけどどうしたのだろうか。


よくある考えというか、ありきたりなサイコ表現として、
中身を見たいから解剖してみたみたいな供述というか理由があるが、
大体幼稚ではない方面のサイコって解剖したって中身が見れないのはわかるじゃんね。

私はサイコでないのでその理屈というか理由付けがわからない。


発音が綺麗な舌が見たかった、とか。
頭のいい子の脳みそはどうなってるのかとか、
でもその子達が殺される瞬間の、表情や最後に残すものには興味ないと。

中々に理解できない、独特の世界だ。
ちょっとうらやましい。




物語中のマルサイとハサミさんのVSはサイコ対サイコだと思ってたんだけど
そういう感想を持ってしまう時点で私は普通の人間なのだろうかなんて考えたりする。
みんな落ち着いて理解すれば、上井田さんと同じ思考になるんじゃないかなんて思ったりする。

普通ってなんだろうねということだ。
ハサミちゃんは絶対でないにせよ家庭内に確執がある。
そしてサイコになってしまったのか、
普通になろうとした結果サイコ面が生まれてしまったのか。


うーん。
人はそれぞれ秩序があって法があって、
それに則って生活をするわけで、その法や秩序がぶつかり合ってしまうと喧嘩や戦争に発展するわけで。
そう考えるとサイコも普通であろう人間もそう大差はないわけで。


いやまあサイコには道徳っていうのがないのが大前提なのかもしれないけど。自然な形の情とか。
誤った認識だったら恥ずかしい。




ハサミさんとユキコは中々に近いものがあると思うのだけど、
ユキコがたまたま似てただけなのか、今までのJKもみんなちょっとどこかおかしかったのか。
どっちだろうと思った。


いやまあスタンド使いはひかれあうみたいな言葉があるように、
というか類は友を呼ぶという言葉があるように、
そもそもハサミさんの選んでいた子達はよくない芽を持っていたのだろうか。
なんて。


今までも確かに事前調査をして、
絶対に殺せる状態で殺していたけどユキコさんに関しては先に掻っ攫われたから今まで以上の調査となった。
だからユキコさんがちょっとだけ変わっている、というか普通から離れていっているのがわかったけど他の子はどうだったのでしょうという。


悲しいことに今作の普通、のシンボルはイソベなんじゃないかなと私は思う。
いやまあ警察いっぱいいたんだけど、あれはほぼモブというか、なんというか。
心理描写が書かれていないから私はモブとする。まったく書かれていないわけではないけど。


イソベ本人は自分を少し変わっていてロマンチストだなんて思っていそうだが私はそうは思わないし、そう書いていそうだ。
ミステリ好きの警察だっていそうだしその固定概念の押し付けも中々に自分勝手で面白味のないやつだなと思う。
私は面白くない人物、登場してくるやつを普通の人だと思っている。
普通って面白くないし飽きるから。行動も突拍子というものがないし。少なくとも私にとっては。



から、イソベは普通シンボルなのかなと思うのだけど、どうなのだろう。
読み終えた後は警視正殿が普通だったのかななんてことも思ったりする。
いやまあ普通だからサイコに負けたとかそういうのでもなく。


なのでまあ、巡りめぐって普通とはなんなのだろう。
という上井田を思い出すのだ。



ラストの作りに対して警視正殿の理由はあまりにもそれだけ?
なのだ。ハサミちゃんも言っていたけど。
いや気持ちはわからなくもない。弄ばれたおじさんは怖いぞ。

がしかしたかが、JKの。世間をほぼしらないJKにぶちぎれてそこまでするかと思うわけだ。わざわざ色々準備してまでね。
彼が中々に心理は幼稚なサイコだったというのならまあ、理解できなくもないが普通だからこそしょうもない理由で自分の法を侵されきれたのかなと。

それがハサミちゃんにとっても読者にとっても「それだけ?」になるのかなと。
ここで読者もそれだけ?と思ってしまうのがサイコと普通とはなんなのだろうのもやもやになったりするんじゃないかな。
だって思考がハサミ寄りなんだから。
どっちの思考によっていろというわけではなく。

警視正殿の思考を見て、あぁそれはやっちゃうわ…
ってなってしまう男性女性は私苦手かもしれない。だって自分勝手的な殺人をそれで容認するということだろう?
それに寄り添うということはそういうことだ。

なんだろう、あれだな。少し前のホストが刺された事件の女の子かわいそう~みたいな思考。
私はやるやん。と思ったが、可哀想だったら人さしてもいいわけではねえんだ。いやまあ報復ってあるけどね。報復がなしというわけでなくて、
全然関係ない人間が侵した側に可哀想っていうのが嫌い。その時点でものすごく他人だと思っているし下だと思っているよねその人を。
中々嫌い。うーん日本語むずかち。


もともとああいう、女性に勝手によりそって男性をだしてくる人が嫌いなので私はよりそえないというだけの話かもしれないがね!
私は中々に根暗でひきこもり気質の人間なのだ。


書きなぐりで書いているが、中々に書いてしまった。
中々っていっても普段よりだけど。
こういう、以前読んだけどもう一度読んだ本の感想を書くのも楽しい。


次は何を読もうか、まだ決めていないけど楽しいといいな。
全然関係ないけどちょっと前に読んでもうきっと二回は読まないだろうって本があったので、それの感想を先にあげると思う。


さよなら。おわり。



ついった→はとり

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