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短編小説

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短編集です。
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#純文学

駄作の書き方

駄作の書き方

この悪辣たる世には最早、純文学の居場所はないのです。人はもう、美しく、繊細な表現や、回りくどい晦渋で不器用な文章に興味をそそられなくなってしまったのではないでしょうか。

この一文にどうか目を通してみて下さい。

『貴方のことが好きです。付き合って下さい。』

色恋の甘美な匂いに魅了された男女がよく用いる不純な常套句。双方の未だ煮え切らない関係を、ここで、一新、キッパリと、決定付けようと編み出され

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