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学校に行かなくなった子に。

「母親はいつも太陽でなくちゃ」


子どもを宿した時、
知人は母親にそう言われたそうだ。


人から聞いた話なのに、


「そんなことできますか?」と苦笑いはしてるものの、


ぶらぶらと胸のどこかにフックで引っかかってる。


知人がいつ会っても
笑顔のかわいい「いい子」だからかもしれない。


下の子が算数がわからないと泣く、
漢字テストでピンが多いと泣く。



しこたま遊んでも憂さを晴らし切れなかった残りカス。

夕飯前に泣く。


「よしよし、1つずつやるしかないからね」


これは太陽ではなくて、夕日かな。


背中をさすりながら、カレーで稼いだ時間を割り算に充てる。


今はお陽さまに変われる私。

変われる時もある私。



離婚前後は、

海に沈んで自分が陽(ひ)であるか
海底の石なのか判らない時間が長くあった。



あの子はそんな私に何か求めていたはずだ。



子どもが弱さを差し出してくれる時期は短い。


海から這い出ることで精一杯だった。



陽になってやろうと、


浜に埋もれた弱さの破片を集めている。


たまに鋭く足に刺さる。



拾い疲れてこぼして
振り出しに戻ることもある。


終わりも先も見えないけれど、



1つずつやるしかないからね。


苦笑いしながら、


立派でない

太陽になろうと思う。


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