見出し画像

観光学問と観光実業と文化財の間で。

Googleはこう言っていました。

「Know the user. Know the product magic Connect the two.」
(良いマーケティングとはユーザーを知り、商品に秘められた魔法を知り、その2つを繋げること)

商品に秘められた魔法は、その商品を扱う側が魅力的に感じていなければ、ユーザーにはその価値が伝わらないとも。

「Pain points, Motivations!」
(問題解決策を見つけるために、ユーザーはやる気を起こします!)

メーカーにいれば多かれ少なかれマーケティングのデータを目にしたり、話を聞いたりすることがあるはずです。あるんですよ。そりゃだって、開発部にも情報流してやるやつがいるから。(僕)

観光業のユーザーと観光地のユーザー

って、同じユーザーなんだけど、ターゲットがズレてる…。

で、観光をすごく粗雑に図式化するとこんな感じ。

画像1

文化財(城・神社仏閣・仏/神像・建造物など)はシンボル的に使われて、ユーザーはそのシンボルを見に行くことが目的となってるはずです。これが食いもんでも同じです。むしろ、食いもんのほうがガッツリ食いつくかも。

そして、そのシンボルの価値は「歴史が深い」ことと比例してます。なぜか新しいとそれほど価値を感じないようで、一回見たら終わり〜というパターンに陥りがちです。

京都を例に取ればその感覚はわかりそう。ちなみに、京都のお好み焼きは九条ネギが入っていてうまいっていうか、京都はB級グルメが良いですわ。学生の街だけあって。

おっと。脇道にそれてしまった。

話を戻しつつ、観光の主だった業者を加えたのが下図。

画像2

各々のユーザーからニーズを汲み取ってサービスを提供しているわけで、自ずとユーザーしか視点が向いていないわけです。なんせ、それ以外向く必要はないので。

だいたいこの3つがセットになっているんがパックツアー。

移動はバスだし、宿は手配済みだし、お土産もあったりして。ちなみにパックツアーってどのくらい変化したかって言うと…

画像3

令和3年版観光白書についてより

2019年ですでに2割を切ってました。(;´∀`) もう1割ちょっとが利用者なんですね。そりゃ大手さんは事業形態変えるよね。

観光白書は他にも面白いデータ満載なので、一読おすすめです。
特に、個人旅行が増えたっていうのがポイントかも。

と、まぁデータとかはそうなってるんですが…

世代別の売り込み戦略とか、そもそもの目的価値を高めるブランディング戦略とか、課金ポイントとか、ガチャの確率設定とかレアリティ設定とかバランスデザイン、…ん?

観光学ではわりと経営学を取り入れたりして、さかんにデータを見ながらサイクルを回すみたいなことを言ってるんですけど、実業側ってそれどころじゃなくなってません? っていうか、

地域全体をフィールドとみなしたプロデュースって…

誰がやってるんすか? 課金ポイントのデザインとかバランスが崩れたら、課金の偏りが出ますよね。ましてそれが首都圏本社の宿泊施設とか、地元外に本社のあるサービス提供業者なら、地方税稼げないですし。

神奈川大学の高井先生もこうおっしゃってる。

さらに、市場を動かす世代はズレてきて、X世代が思うオタク像とは全く違うオタク像と推し活があるのです。

画像4

これ、加賀温泉駅の観光案内所の一角に並べられている「加賀楓さん」コーナー。加賀さんの推しファンが

「この地に来る加賀さんファンのために、限定グッズを並べてくださいっ」

と持ってきたことがきっかけで、次第に増えていったもの。

近くで見せてもらえました。(^^)!

画像6

一日駅長をしたときのサインまで飾ってくれてあるこのコーナ−ですが…

画像5

観光案内所々長自らが設置してまして、所長曰く

「加賀さんの推しの子たち、凄い良い子たちばかりで、推しの子のファンになってますっ!」

と。加賀温泉駅にいったら、所長に気軽にお声がけください。(笑)

画像7

加賀楓さんの聖地巡礼で、全国から。

全体の人数こそ限られる推しファンですが、このために全国からやってきてくれている人たちが居て、現場でそれを対応している現状。

同様に「推し」の聖地巡りってそれなりの人数が存在する反面、〇〇の推しの〇〇が設定できてない地域観光プロデュースの地は多いっていうか、ほとんどでしょう。

やりきれないのが現状かもしれないですが、対応を誤ると怖いですね。

あれ? 文化財どこ行った?

たまたま取材中、推しの子が来てて、山代温泉を感じてから帰るような事を話してました。

ここで最初の図を思い出して!

画像8

目的が「推し」に変わったのだけど、「体感」部分は変わらないんですよ。つまり文化財をシンボルとして、その周りを形作る空気感、街の形などの文化体感として経験されるわけですね。

その文化と推しとの関連性が見いだされれば、ものすごく最強なわけですが、そもそも推しについて知らないと、文化財との関連とかうまく紐付けられないし、嘘はすぐバレます。(笑)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?