地域の印象に影響を与えるプロモーションの意味を考える
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地域の印象に影響を与えるプロモーションの意味を考える

やっちまったなぁ。上田市観光協会…。

影響がなければ「フーン。」で終わってるのですが、某所で進めている付加価値観光の足を引っ張る話を聞いたので、メモがてら「これやったらいかんやつ」として残しておきます。

リンク先に飛ぶのもアレなので、キャプチャー貼っときますね。

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1.文化破壊

シビック・プライドにもつながることですけど、残ってしまっているものと、残しているものは違う

レトロと銘打ってますが、ようするに黒歴史を公開拡散されるようなもの。企画の根底は、なんか昭和っぽいものが残っているから、それを消費してしまおうって浅はかな考えだけでスタートしている。

これ、文化背景と合わせて看板や風景を残していくことまで頭が回ってないです。下手をすると、悪乗りして「昭和レトロ」と言いながら、上田の文化を無視した看板や配色を使ったもので溢れるかもしれない。それもポスターやステカンなどの表面的なものだけで。

もっとまずいと思うのは、思慮の浅い市政担当者が「昭和を保存する」とか言い出しかねない。それも景観だけ。そもそもその景観が作り上げられた背景に地域的な特徴がどのように反映されているのか? 少なくとも昭和レトルト言われる景観に突飛な地域性は見られない。

その証拠に、昭和の浅草を舞台にした映画撮影が上田で行われている。つまり、ロケをしても地域感が出ないという裏返し。

2.昭和レトロは東京文化

グラフィックデザイン・ファッションデザインは昭和時代、一極集中で東京が発信源。インターネットなんて無かった時代だから、どうしてもどこかに情報が集積してしまう。

東京で生まれたデザインは、どうしてそのデザインになったのか? という意図を無視して、表面的な配色や形を真似されるだけとなって地方へ拡散していく。意味のあったものはその意図を読み取られずに、単純な記号と化していく典型でもある。

なぜこの形になのか? と意味がわからないまま、元がそうなっていたからといった理由で伝聞されたものは多い。
クリスマスやバレンタイン、近年だとハロウィンなどはその典型。

つまり、文化の劣化。

そんな高尚な言葉を使わなくても、中学時代に「カッコイイ‼」って思って持っていたものや着ていたもの、今見てどうですか? 晒せます?

それを保存されたり、公開されるわけなんで…考えただけでもゾッとする。

シビック・プライドはどこに行った?

上田の例は、観光協会が観光を勘違いしていることの現れで、市政もその間違いを見抜けない。

そもそも観光と地域設計は表裏一体であって、それはそのまま経済と直結する話になるのだけど、そのロジックがわかっていないとしか思えない。

今まで観光資源を消費してきて、メンテナンスを怠ってきた状態が現状。
資源は無限に湧き出さないので、メンテナンスをしなければいけない。そのとき、全く新しい資源を発掘する方法もあるが、そのためには過去の履歴が邪魔になる。それは地域の人の深層意識にすり込まれている行動原理。行事のサイクルや祭りのサイクル、自然風景の色味や空気の温度といったものが大きく影響してくる。

そのため歴史の長い地域では新しく資源を発掘しようにも、過去に引きずられる。つまり大規模な空想世界のテーマパークを作り上げたとしても、地域の現状と隔離させることは難しい。来客は興ざめである。

浦安や大阪此花区のテーマパークが埋立地など、歴史が浅いところで作られている理由の一つでもある。

しかしこの上田の観光協会ではじめている発想の根底はテーマパークと同じである。カネがないから現地調達をした材料で、空想世界を作り出そうとしているわけだけど、地域にしてみたらとても失礼な話でしかない。

だから今回、地域の観光従事者が怒っているわけで、積み上げてきたものを全部根底からぶち壊されている。

歴史を使えないとは、まさにこれ。

歴史とは年表のことではない。しかし、社会科で習うことはある事象が起こったことを記録したインデックスでしかなく、大切なことを学ばない。

歴史が大切なことは、なぜその事象が起こったのかに至るまでの過程と原因を推察することである。

インデックスは、そのとき原因となる事象を引き起こしたかもしれない関連した事象を参照するためのもの。名の通りインデックス。

上田という地名に比べて、真田幸村だけがなぜ独り歩きしているのか? といった疑問すら持っていないこと。じつはそれが観光行政が失敗し続けている根本的な原因でもあるのだけど、拒否反応だけが帰ってくると思われる。

根本原因がわかっていないから、資料館の展示が悲しいことになっていることに誰か気がついてあげてほしい。無理かもしれんけど。

そもそもそうしたことすら考えたことのない人たちが、そういう事を考えている人をちゃんと巻き込んで観光戦略を立てたことがないから、観光資源を無駄に消費してしまう結果になっていると、こればかりはきっぱり言える。

味噌と発酵食

上田は蚕糸産業を明治期に力を入れたこともあって、発酵に関する文化が根深いし、それらを元にした食も多い。

また味付けに関してもそうした背景を引き継いでいる。

味噌に関してはそれこそ真田の時代までかんたんに遡れ、その関連性は見つけやすいし、もっと古くまで遡ることも可能。少なくとも平城京までつなぐことができるし、なぜ平城京? がそこについてまわる。

少なくとも、奈良・京都との縁が強い地域でもあるので、今は止まってしまっているインバウンドに関して、京都・奈良から上田へと誘い込む企画が多く考えられる。インバウンドに限らず、国内旅行者に対しても同じ。

切り口はいくらでも考えられるが、それをしていない。

小さな町なので、大切なのは選択と集中だと思うのだが…。

まとめというか、あとがき

当地からは観光協会が現状になっている背景を詳しく聞けているので、思い切ってダメ出しというか、当地観光事業者側の目線でメモしておきました。

また文化破壊にまでつながるよ。という当地事業者への説明文です。

必ずしも合意形成によって行われるわけではないプロモーションですから、思慮の浅いこと、昭和の思考のまま思いつきで行うのはもうやめてほしいですね。資源を再構築している側からは、何かしていてもいいけど、足を引っ張るのだけは辞めてくれです。

追加情報(書き足し)。

観光協会の重鎮っぽい人が東急エージェンシーと関係があって、東急沿線でってなってくると、上田市観光協会じゃなくて、東急の観光部じゃないのかって思っちゃいますね。

この時期、安心安全を伝えたり、感染症対策についてPRしなきゃいけないはずなのに、東急へ協会費から支払われる広告費のこの企画、協会員すごい心が広いっすね。上田市観光課も。

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「ことほむ」ではゲームコンテンツ・アニメーション作品設定時代考証、観光プロモーション企画・マーケティング・デザイン企画をやってます。僕はWordPressとマーケティング担当。妻が和雪庵という茶室を開いており、茶書研究・茶道体験・お茶ゼミを開催していますが、流行り病で閉庵中です。