こんなに小気味いい自由律があっただろうか
自宅待機を二週間もしていると
やることがなくなってくる
ゲームもしたしYoutubeにも
取り立てて見たいものがない
ならばと思い立ち
自由律俳句を作ることにした
基本的にぼくが思い立ったときは
人生に不必要なものに熱をいれる
黙って勉強でも読書でも
将来の為になるものに熱を入れた方が
いいのは百も承知で自由律俳句を作った
ぼくはピースの又吉が好きで
又吉がせきしろという方と
共著で出している自由律俳句の本を
読んで以来なんとなく自由律俳句の
魅力に取り憑かれていた
自由律俳句を作り出すと
なんだかいい句が詠めている気がし
誰かに発表したくなって
ネットで「自由律俳句 コンテスト」
と検索してみた
すると又吉と本を書いている
せきしろさんが毎月テーマに沿った
自由律俳句を募集している
これはチャンスだと思った
ぼくが送った句が最優秀賞を受賞して
せきしろさんに才能を見い出され
又吉、せきしろ、ぼくの共著で
自由律俳句の本を出す未来まで見えた
善は急げだ
ぼくはテーマに沿った句を何個か考えて
その中で一番いい句を応募した
応募したことに満足して
なんだか幸せな気分になった
そして、なんとなく応募した句を
声に出して詠んでみた
素晴らしい句だ
実に小気味良いリズムだ
しかし不気味なほどに小気味がいい
何か嫌な予感がした
ぼくは自分の句を詠みながら
指折り数えてみた
綺麗な5・7・5だった
自由を微塵も感じないほど
5・7・5に綺麗に
ぴったりと収まっていた
募集要項にはこう書いている
「定型(五七五)でない自由律の俳句」
ぼくの句が世に出ることはなくなった
小気味良い自由律俳句は俳句だった
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