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「日本の美を子どもたちに(3)」〜Sense of Transience & DESIGN Thinking

保育の五領域を活性化するデザイン思考
 
 日本の保育所保育指針では、子どもの資質・能力を成長させる5つの領域として「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」が示され、この指針をもとに各施設で保育計画が立てられます。5領域は相互に影響し合うことで、総合的な発達を促すのが理想ですが、実際には領域ごとに分断されているケースが多いように思います。この5つの領域を結びつけるのに力を発揮するのが「デザイン(思考)」です。「デザイン」は環境・状況・他者といった客観的視点からスタートし、対話を通してより良い解(手法や表現)を導き出す行為であり、全ての領域の接着剤となり、また潤滑油として機能するものです。保育に「デザイン(思考)」を取り入れることで、保育が横断的・立体的なものになり、子どもたちの日常はより豊かになると同時に、保育者自身の成長にもつながります。しかし、多くの保育者は「デザイン」を単に「アート」や「表現」と結びつける傾向があり、「デザイン」の持つ真の価値を理解していないように思います。私は保育の現場に「デザイン」の理解を広めることで、子ども主体の対話的で探求的な保育の実現につなげたいと思っています。

※昨今、プロジェクト型保育やつながる保育の実践も増えていますが、これは正にデザイン思考を取り入れた保育と言えると思います。


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