見出し画像

結局、私は『◯◯さんちのお姉ちゃん』を辞めたかっただけではないか

思いもよらぬ大反響

 上記の件が拡散されて大変驚いております。
定型文みたいな文章で恐縮なのですが、まさかこんなにRTされて人目に触れるとは……。
多くの方々から反応をいただいたお陰で気付けたことがありましたので、続きとしてこの記事を書いてみました。


【タイトルに関わる部分だけ読みたい方は、お手数ですが以下は飛ばしてください】

 お恥ずかしいことに私はもう10年もTwitterをしています。付き合いが長く私のことを熟知(?)しているフォロワーの中にはアホみたいな急さで結婚した私に対して、「男に騙されてない?」「お前が正気で結婚するわけがない…まさか宗教…!?」レベルの心配までして下さる優しい方もおりまして、さすがにこのままだとちょっと良くないなぁと、種明かしするつもりで公開した記事がアレでした。
 それを『フォロワーのフォロワーくらいまでしか読まないだろうけど、せっかく書いた長文だし知らない人にも読んで欲しいな〜』などとスケベ心を出してタグ付けてみたらとんでもないことに……。
こんなことならもっと真面目に書けば良かったと後悔しています。完全にキモいオタクの文章でした。
(なのに『この女全然オタクじゃないじゃん!』って言ってる人がいて謎。アイコンしか見てなかったのだろうか。文章キモいって言ってる人はちゃんと読んでくださったようで恐れ入ります)

 俗に言うクソリプラインのRT数を越えてからはTwitterの通知を切ってしまったし、はてブにいたっては酷いコメントが多すぎて逐一チェックするのをやめましたが、念のため誹謗中傷や名誉毀損にあたるものがないかは薄目で確認してます。人生経験として情報開示請求をやってみたいので。
 見ず知らずの他人に平気で酷い言葉を言ってくる人間よりも、感想や意見としてちゃんとした言葉を伝えてくださるしっかりした人間を視界に入れた方がインターネットは楽しいと思いますが、度が過ぎると笑って流して無かったことにするのは嫌ですね……。


長女病なる言葉

 長女特有の気質を拗らせている状態を指す『長女病』あるいは『長女症候群』という言葉があります。どちらも精神医学的に認められた正式な病名ではなく、いわゆる『長女にありがちなこと』レベルの話です。
詳しくは参考リンクをご参照ください。 

 私は3人姉弟の長女ですが、自分としては長女病にはそんなに当てはまらないなぁと思いつつ暮らしておりました。
父親は自由人で子供のやりたいことはなんでもやらせるタイプ、母親はただただ良い人。地方のサラリーマン家庭としては本当にごく平凡な生活レベル(むしろちょっと上くらいかもしれない)の中で、のびのびと育てて貰ったと思っています。親には感謝してます。
 『この女は家族をなんだと思っているんだ』系のコメントをチラホラ見かけましたが、そういう方にはお手数ですが以下の東日本大震災時の記録を読んでいただけたら嬉しいです。家族大好きです。


 ただ、結婚して実家を離れてみると少しだけ認識が変わってきました。
両親は好きだし、弟たちも好き。祖母は正直ちょっと……って感じだけど、この人より酷い姑はいくらでもいるなって、ある程度の年齢に達した際に納得してました。
 納得したと、自分で自分を騙していたようです。

のんびりな嫁、気が強い姑、そして長女の私。

 田舎という場所は(このクソデカ主語を許して欲しい)基本的に家単位で物事を見ます。
◯◯さんちのお兄ちゃん(父)がお嫁さんを貰ってきて最初に産まれたのが私です。そしてその後めでたく男の子が2人が産まれたので、私は『◯◯さんちのお姉ちゃん』という属性で見られます。

 母は少々のんびり屋さんで、子供3人を同時に相手にするのに常にてんやわんやしている状態でした。
私は比較的文字を覚えるのが早く、また生まれつき1人遊びが得意な性分だったため、弟2人で手いっぱいな母に負担をかけられまいと人生の早い段階からひたすら文字を読んで楽しむようになっていました。
「お姉ちゃんは1人でも大丈夫だから助かる」というのは私にとって褒め言葉でした。

 一方、祖母は夫に先立たれて女手一つで父と叔母を育てた気の強くて性格がキツい女。
この祖母が母とはものすごく相性が悪かった。「気が利かない」と母の悪口を言うのは当たり前。しかし、1人で遊んでる私に対しては割と優しい……というか、子供3人の面倒をキチンと見ていない母(と、彼女はみなしていた)への当てつけなのか、陰でこっそり私にだけお菓子やお小遣いを握らせて「お姉ちゃんにだけあげるから。内緒にしな」と言ってくる。
幼心に「これはよくないことなのでは」と思いつつ、受け取らないと祖母の機嫌が悪くなるためどうにもできず、誰にも言えないお菓子やお金を持て余す日々。 

上手なお姉ちゃんになれない

 思うに、祖母は家庭内に仲間を増やしたかったのでしょう。女が3人いると派閥が出来るというのはこういうことなんですね。
私が幼稚園に上がる頃に同居していた娘(叔母)が遠くに嫁いでしまい、寂しかったのかもしれない。
いわゆる親ガチャは当たりかもしれないけど、未就学児に変なプレッシャーをかけてコントロールを試みる祖母はハズレだなぁと、今では冷静に判断できる。

 母親に甘えることを諦め、祖母の機嫌を取ることに専念していたのは、無意識のうちに「お姉ちゃんだからなんとかしなきゃ」と思い込んでいたせいです。
別に父や母がそれを強制したわけではありません。親戚や近所の人からは当然『◯◯さんちのお姉ちゃん』と呼ばれてそのように扱われるし、絵本やアニメも別に押し付ける意図はないにせよ典型的お姉ちゃんキャラが登場するし、まあ自然とそうなっちゃうんでしょうね。

 でも、私の生まれ持った気質はどうもその『お姉ちゃん』に適さなかったんです。
ずーっと本を読んだり、アリの巣を眺めたり、そういうのが好きな子供だったので、典型的なお姉ちゃんとして必要な共感力とかコミュ力みたいなものが著しく低かったわけです。
そうなると自分の中で理想と現実のギャップが生まれて苦しくなってくる。祖母的に言うと「母親と同じで気が利かない」ってことです。
 昨今は女性のケア能力にタダ乗りするのは良くないという風潮がありますが、本当にそうだと思う。そもそも全ての女にケア能力が備わっているわけではありません。

お姉ちゃんから離脱するための結婚

 様々な方からご意見が聞けたお陰で、無意識のうちに家族とか戸籍とかに縛られていたなぁと気付けました。『新しいことしてるようでただの法律婚』『苗字を変えてる時点でお察し』『田舎から出たかったのなら事実婚で済んだのでは?』みたいなの、その通りです。
 苗字がダサいから変えたかったとは言いましたが、結局、私は『◯◯さんちのお姉ちゃん』を辞めたかっただけみたいです。
夫は私に女性的なケア能力みたいなものを求めてこないし、苗字が変わった上に私のことを知る人はここには誰もいないから◯◯さんちのお姉ちゃんでは完全になくなったし、そもそも誰も私のことなんかに興味がありません。とても生きやすいです。

 家族のことは好き、それはそうとして家の中はしんどかった。
そういう矛盾した気持ちを客観的に受け入れるために、全然知らない他人と生活する必要があったんじゃないかと思います。

この世は呪縛に満ちている

「異性を好きにならなきゃいけない」
「大人になったら結婚するべき」
「結婚したら子供を作るのが当然」

 これは全部しょーもない呪いです。気にしなくて良いです。そう思う人たちはそうしたら良いけど、思わない人はしなくて良い。
「子供を作らないと国が滅ぶ」みたいなのも全然気にしていない。これを子持ちの人が言っていると正直かなり引く。貴方は国が滅ぶのを防ぐために子供を育ててるんですか?それってちょっと怖すぎないか。
まあ、思想はあるに越したことないので犯罪にならない範囲でその主張を続けてください。私は賛同しません。
 とはいえ、呪いは気がつかないうちにかかっているから呪いなんですね。国が滅ぶのは良くないって漠然と考えるのも呪いなのかもしれない。


 インターネットを20年、Twitterを10年やっていますが、ここまで多くの知らない人から感想を貰ったのは初めてです。
近い感じだとポケモン剣盾発売時に書いたガラルサニーゴへのお気持ち表明も意図せずたくさん拡散されましたが、今回は結婚という多くの人に刺さる内容だったためか桁違いの量でした。

↓ほど良くオタクの狂気が詰まってるのでオススメです。


 いやぁ、細々とインターネット文字書きオタクを続けていて良かったです。
お姉ちゃんの呪縛はなんとか振り切ったので、今後もいらん呪縛はガンガン外して呪い返ししていきたいです。

 願わくば、今回の件で私にしょーもない呪いの言葉を投げた人たちの足の爪が腐って剥がれ落ちますように!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?