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鳥人間と産後鬱

今日は2本目のnoteを書くことに挑戦してみる。

1本目は「わたし、狂犬日につき半休します。」というタイトルで、湧き上がる怒りを受け入れることについて書いた。

ちなみに、まだ怒りは収まっていない。

今までだと、この行き場の無いどうしようもない感情を、服・コスメ・雑貨を買うなどお金を使うことで発散していた。

だけど2022年の私は一味違う。
このエネルギーを書くことにぶつけてみようと思う。
(一味違うって自分で言えてることから、怒りが収まってきていることが推測される)

基本的にはいつもポジティブ変換が得意なので、ネガティブなことはあまり垂れ流したくない。

だって、後から後悔するって分かってるからね。

でも、1年に一度あるかないかの狂犬日なのだから、その強い感情のまま過去のことも書いてみたくなった。

あれは今から4年と少し前、息子が誕生して1週間が経った頃のこと。



私はベッドの上で、窓をぼんやりと見つめている。

擦りガラスなので外の景色は見えない。

腕には1週間前に生まれたばかりの、ちいさくてふにゃふにゃの我が子。

ベッドに寝かせようとするとものすごい勢いで泣くので、24時間中20時間はずっと抱っこをしている。

産後に無理をすると肥立ちが悪くなるから、1ヶ月は家事(特に水を触ること)をしたり外の風にあたらない方が良いと聞き、それを神経質すぎるほどに守っていた。

両実家が遠いこともあり里帰り出産はせず、その代わり、それぞれの母が1週間ほど交代で身の回りの世話をしにきてくれることになった。

これに関しては感謝しかない。

我が家には猫もいるのだが、生まれたばかりの免疫が弱い赤ちゃんにアレルギーが出て一緒に暮らせなくなっては困ると思い、1ヶ月経ってから会わせてみることにした。

こうして1ヶ月間、私は食事とトイレとシャワー以外、我が子と寝室に籠りきりの生活となった。


私はベッドの上で、窓をぼんやりと見つめている。


その日は、ものすごく楽しみにしている「鳥人間コンテスト」の、年に一度の放送日。

見たい。生粋のテレビっ子の私が、テレビをしばらく見ていない。見たい。

でも、我が子は母の私が離れると不安そうに泣いてしまうし、産後は視力もかなり低下するらしく、仕事復帰ができなくなると困るので諦めた。

そんな気持ちをよそに、下の階にあるリビングから聞こえてくる歓声。


「行け!行け!行け〜〜〜!!!!」


そう、夫と義母が鳥人間コンテストを見ていた。


なんでだよ。

普段テレビなんか見ないのに、なんでよりによって私が大好きな鳥人間コンテストを見るんだよ。

私はふにゃふにゃの我が子を抱きながら泣いた。

正直、この時の悔しさは一生忘れない。


このことをきっかけに、私が窓を見つめる回数が増えていった。

外の景色が見えない窓を見つめながら絶望していた。


「私はこのままこの部屋でこの子と一生を過ごすんだ」

「この子をこの部屋の中だけでどうやって育てていこう」


冗談ではなく、これしか選択肢がないと本気で思っていた。



産後1ヶ月が経って母達が実家に帰った。

寝室から出て自ら家事をするようになった瞬間、目の前にあった霧が晴れて、みるみる活力が漲ってきた。


「この子とこれからどんな楽しいことをしよう!」

「家族で美味しいものを食べて、綺麗な景色を見て、写真もたくさん撮ろう!」


自分でも驚くほどに別人だった。

嘘みたいだけど本当の話。


絶望しながら窓を見つめている時、診断はされていなくてもこれが「産後鬱」かもしれないぞ。と、冷静なもう一人の私がそこにはいて、そのおかげで何とか保っていられた気がする。


ああ、ずっと書きたかったことの一つが書けてスッキリした。

お迎えまでの1時間、美味しいコーヒー飲んでこよ!

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