鳥人間と産後鬱
今日は2本目のnoteを書くことに挑戦してみる。
1本目は「わたし、狂犬日につき半休します。」というタイトルで、湧き上がる怒りを受け入れることについて書いた。
ちなみに、まだ怒りは収まっていない。
今までだと、この行き場の無いどうしようもない感情を、服・コスメ・雑貨を買うなどお金を使うことで発散していた。
だけど2022年の私は一味違う。
このエネルギーを書くことにぶつけてみようと思う。
(一味違うって自分で言えてることから、怒りが収まってきていることが推測される)
基本的にはいつもポジティブ変換が得意なので、ネガティブなことはあまり垂れ流したくない。
だって、後から後悔するって分かってるからね。
でも、1年に一度あるかないかの狂犬日なのだから、その強い感情のまま過去のことも書いてみたくなった。
あれは今から4年と少し前、息子が誕生して1週間が経った頃のこと。
*
私はベッドの上で、窓をぼんやりと見つめている。
擦りガラスなので外の景色は見えない。
腕には1週間前に生まれたばかりの、ちいさくてふにゃふにゃの我が子。
ベッドに寝かせようとするとものすごい勢いで泣くので、24時間中20時間はずっと抱っこをしている。
産後に無理をすると肥立ちが悪くなるから、1ヶ月は家事(特に水を触ること)をしたり外の風にあたらない方が良いと聞き、それを神経質すぎるほどに守っていた。
両実家が遠いこともあり里帰り出産はせず、その代わり、それぞれの母が1週間ほど交代で身の回りの世話をしにきてくれることになった。
これに関しては感謝しかない。
我が家には猫もいるのだが、生まれたばかりの免疫が弱い赤ちゃんにアレルギーが出て一緒に暮らせなくなっては困ると思い、1ヶ月経ってから会わせてみることにした。
こうして1ヶ月間、私は食事とトイレとシャワー以外、我が子と寝室に籠りきりの生活となった。
私はベッドの上で、窓をぼんやりと見つめている。
その日は、ものすごく楽しみにしている「鳥人間コンテスト」の、年に一度の放送日。
見たい。生粋のテレビっ子の私が、テレビをしばらく見ていない。見たい。
でも、我が子は母の私が離れると不安そうに泣いてしまうし、産後は視力もかなり低下するらしく、仕事復帰ができなくなると困るので諦めた。
そんな気持ちをよそに、下の階にあるリビングから聞こえてくる歓声。
「行け!行け!行け〜〜〜!!!!」
そう、夫と義母が鳥人間コンテストを見ていた。
なんでだよ。
普段テレビなんか見ないのに、なんでよりによって私が大好きな鳥人間コンテストを見るんだよ。
私はふにゃふにゃの我が子を抱きながら泣いた。
正直、この時の悔しさは一生忘れない。
このことをきっかけに、私が窓を見つめる回数が増えていった。
外の景色が見えない窓を見つめながら絶望していた。
「私はこのままこの部屋でこの子と一生を過ごすんだ」
「この子をこの部屋の中だけでどうやって育てていこう」
冗談ではなく、これしか選択肢がないと本気で思っていた。
*
産後1ヶ月が経って母達が実家に帰った。
寝室から出て自ら家事をするようになった瞬間、目の前にあった霧が晴れて、みるみる活力が漲ってきた。
「この子とこれからどんな楽しいことをしよう!」
「家族で美味しいものを食べて、綺麗な景色を見て、写真もたくさん撮ろう!」
自分でも驚くほどに別人だった。
嘘みたいだけど本当の話。
絶望しながら窓を見つめている時、診断はされていなくてもこれが「産後鬱」かもしれないぞ。と、冷静なもう一人の私がそこにはいて、そのおかげで何とか保っていられた気がする。
ああ、ずっと書きたかったことの一つが書けてスッキリした。
お迎えまでの1時間、美味しいコーヒー飲んでこよ!
興味を持ってくださりありがとうございます♡良い循環をさせていきます!