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パブリナ・チャーネバ「雇用保障プログラム(JGP)が正しく、ベーシックインカム(UBI)が駄目な理由」(2021年5月22日)

〔訳注:本エントリは、MMT派の経済学者の中でも、特にJGP(雇用保障プログラム)に詳しい、パプリナ・チャーネバ教授へのフランスメディアのインタビューを翻訳したものである。訳者はフランス語に堪能でないため、あくまでも意訳・要約となっていることを考慮した上で読んでいただけると幸いである〕 ニューヨークにあるバード大学の経済学教授のパブリナ・チャーネバは、現代貨幣理論(MMT)に影響を与えた人物であり、『社会兵器としての「緑のニューディール」』の著者だ。JGP(雇用保障プログラ

    • ジョセフ・ヒース“The Machinery of Government(行政機構)”要約:第1章:行政を真面目に考える_1/3

      ジョセフ・ヒース“The Machinery of Government(行政機構)”要約:1章:行政を真面目に考える 1章:行政を真面目に考える 1.1 機構に内部潜入してみる 1.2 裁量権の逸脱 1.3 行政権力 1.4 常設の〔立法・司法・軍以外の〕官公庁 1.5 政治的中立性 1.6 リベラリズム(自由主義)か民主主義か? 1.7 結論 1章:行政を真面目に考える 1.1 機構に内部潜入してみる ・トマス・ホッブズは、国家を人工的な創造物として説明したことで

      • レミー・トワイルワ他連名公開書簡「勇敢なる道:カナダにおける人種の歴史を理解するために、BIPOC/IBPOCが不可欠な理由 ジョセフ・ヒースに抗議する」(2021年6月9日)

        〔訳注:本記事は、ジョセフ・ヒースによるBIPOCに関する記事(邦訳版はここで読める)を受けて、カナダ一部知識人達が抗議のために行った連名の公開書簡を意訳・要約したものである。〕 [この記事は、オンタリオ州ロンドンで起きたイスラム教徒差別主義による襲撃事件を前にして書かれたものです] 。 トロント大学教授でピエール・エリオット・トルドー財団(PETF)のフェロー〔特別研究員〕のジョセフ・ヒースは、5月28日に発行されたグローブ・アンド・メール紙に論説を発表し、頭文字「BI

        • ジョセフ・ヒース「ドナー賞最終ノミネート記念インタビュー:公務員の倫理について書かれた本“The Machinery of Government(行政機構)”について」(2021年5月17日)

          私達は、選挙で市長、州首相、首相を選ぶ。選ばれた政治家は法律を作り、私達を統治する。しかし、実際に権力を保持しているのは何者なのだろうか? 私達の日常に影響を及ぼす決定を実際に下しているのは誰なのだろう? 権力の多くは、選挙で選ばれた議員にはなく、官僚や行政官(public administrator)にあるとジョセフ・ヒースは考えている。 トロント大学文理哲学科とムンク国際・公共政策大学院の教授であるヒースは、政治哲学についての新著“The Machinery of G

        パブリナ・チャーネバ「雇用保障プログラム(JGP)が正しく、ベーシックインカム(UBI)が駄目な理由」(2021年5月22日)

        • ジョセフ・ヒース“The Machinery of Government(行政機構)”要約:第1章:行政を真面目に考える_1/3

        • レミー・トワイルワ他連名公開書簡「勇敢なる道:カナダにおける人種の歴史を理解するために、BIPOC/IBPOCが不可欠な理由 ジョセフ・ヒースに抗議する」(2021年6月9日)

        • ジョセフ・ヒース「ドナー賞最終ノミネート記念インタビュー:公務員の倫理について書かれた本“The Machinery of Government(行政機構)”について」(2021年5月17日)

          ジョセフ・ヒース「エンパシー(共感)では世界を救えない」(2021年4月9日)

          「エンパシー(共感)を“広めていって”も世界を救うことはできない理由」(2021年4月9日) 〔訳注:本インタビューは。カナダのラジオメディアが行ったヒースのインタビューを中心とした気候変動問題への特集記事の意訳・要約である。ヒースのインタビュー部分のみ訳出している。〕 哲学者は言う「社会において最適に行動するためのルールは、その社会の規模にほぼ間違いなく左右されるのです」と。 キャンプ場でみんな仲良くなるのと、大規模な社会で市民が協力する方法とは根本的に異なっている。

          ジョセフ・ヒース「エンパシー(共感)では世界を救えない」(2021年4月9日)

          ジョセフ・ヒース「フェイクニュースの蔓延について」(2021年4月2日)

          〔訳注:本エントリは、カナダのフランス語メディアによるジョセフ・ヒースへのインタビュー記事の要旨翻訳である。投稿者(WARE_bluefield)はフランス語に堪能でないため、基本的に意訳・要約となっている。以上を考慮の上、読んでいただけると幸いである〕 ジャン-フィリップ・ウォーレン(以下ウォーレン):フェイクニュースが増えています。なぜなんでしょう? ジョセフ・ヒース(以下ヒース):フェイクニュースは、SNS(ソーシャルネットワーク)によるダイナミクスと、SNSで報道

          ジョセフ・ヒース「フェイクニュースの蔓延について」(2021年4月2日)

          グレーム・ウッド「この先の10年はさらに悪くなるかもしれない:ある歴史学者は『社会の興亡を予測する鉄則』を発見したと信じてる。彼は、悪い知らせを携えている:ピーター・ターチンとは何者か?」(アトランティック誌2020年12月号):要約&意訳

          〔本エントリは、アメリカの著名な雑誌『アトランティック』に掲載された、ピーター・ターチンの取材記事の意訳・要約である。重要な部分はなるべく拾って文章化しているが、あくまでも意訳・要約であることを留意した上で読んでいただけると幸いである。 なお、この記事に関して、ターチン本人は、自分の研究を紹介してくれたことに感謝を示しつつも、「自分は預言者と呼称したことはなく、予言を行ったこともない」「私は歴史学者を敵視していない」等々の理由から困惑を示している。〕 The Next De

          グレーム・ウッド「この先の10年はさらに悪くなるかもしれない:ある歴史学者は『社会の興亡を予測する鉄則』を発見したと信じてる。彼は、悪い知らせを携えている:ピーター・ターチンとは何者か?」(アトランティック誌2020年12月号):要約&意訳

          ジョセフ・ヒース&アンドルー・ポター「カウンターカルチャーはシステムへの脅威ではなく…システムそのものだとしたら?:『反逆の神話』フランス語新版発売記念インタビュー」(2020年3月4日)

          〔訳注:最初に。本エントリは、『反逆の神話』のフランス語新版の刊行を記念して、フランスメディアによって行われた、ジョセフ・ヒース&アンドルー・ポターへのインタビュー記事の翻訳である。訳者(WARE_bulefield)フランス語に堪能でない為、基本的に意訳となっている。インタビュー内容は、ポターとヒースの過去の執筆記事や別のインタビュー記事と重複しているものが多く、本意の8割以上は翻訳できていると思われるが、あくまでも意訳であることを留意して読んでいただけると幸いである。〕

          ジョセフ・ヒース&アンドルー・ポター「カウンターカルチャーはシステムへの脅威ではなく…システムそのものだとしたら?:『反逆の神話』フランス語新版発売記念インタビュー」(2020年3月4日)

          ジョセフ・ヒース“The Machinery of Government(行政機構)”要約:目次&序文

          ジョセフ・ヒース“The Machinery of Government(行政機構)”要約:目次&序文 〔最初に。本エントリはジョセフ・ヒースの最新著作“The Machinery of Government(行政機構)”の読書記録を兼ねた要約である。要約者による補足は〔〕で示している。できる限り正確に著者ヒースの論旨を読み解くことを試みているが、あくまでも要約であり、要約者(=WARE_buefield)の主観によって元の書籍の要旨から逸脱している可能性がある。 固有名詞

          ジョセフ・ヒース“The Machinery of Government(行政機構)”要約:目次&序文