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デザイン/漫才/コント

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最近の記事

ぺこぱが生んだ新しい漫才を考える

M-1グランプリ2019において、その場の空気を大きく変えたのがぺこぱ(サンミュージックプロダクション所属、11年目)である。ツッコミ・松陰寺太勇から発せられる言葉は「誰も傷つけない優しいツッコミ」と評され、新しいスタイルの漫才が注目を浴びた。では、彼らネタはこれまでの漫才と何が違うのだろうか。 ・ぺこぱは常識を拡張する まず、漫才において観客は平均的な認識=【常識の基準線】の上にいる存在であり、ボケはその線から【非常識】か【超常識】のどちらかに向かってとぼけていると考え

    • モノマネにみる日本人の「個」の統一

      ひと昔前まで、モノマネといえば有名人・芸能人を真似ることがほとんどであった。コロッケが美川憲一、原口あきまさが明石家さんまを真似るなど、いわゆる大御所と呼ばれる人物を誇張して表現することが流行していた。 もちろん、それらは現在も多数存在するが、一方でここ最近のSNSを見ていると、不特定の一般人を真似るお笑い芸人が急増したように思う。たとえば、おたまじゃくし・中西は【今日の一変化】と称して、「昼休憩に近所の定食屋行くサラリーマン」や「全くやる気ない田舎のコンビニ店員」などに外

      • コント漫才と観客

        最近の【コント漫才】の中で、最も有名なのは和牛であろう。 『M-1グランプリ 2017』での《ウエディングプランナー》をテーマにしたネタは次のように始まる。 川西 どうも!和牛と言います。よろしくお願いします。 水田 お願いします。…あの、僕ね、この間テレビ見て思ったんですけど、ウエディングプランナーさんってすごい素敵な仕事やなって。 川西 ウエディングプランナー?まあ、ゆうたら、結婚式にいろんな提案をして、ご夫婦の一生の思い出を作るっていう仕事ですもんね。 水田 ……初め

        • しゃべくり漫才と観客

          今回から数回に渡って、【しゃべくり漫才】、【コント漫才】、【混合漫才】についてそれぞれ考えていく。まずは、【しゃべくり漫才】から。 前回(「漫才の種類について」)で、ミキの漫才は【しゃべくり漫才】であると述べた。 基本的に彼らの漫才は、ボケ・亜生の無知から生まれる非常識な言動に、ツッコミ・昴生が異を唱えるという形で2人の会話が進んでいく。 _____________ それでは、このミキの【しゃべくり漫才】を観客はどのような視点で観ているのだろうか。 『M-1グランプリ

        ぺこぱが生んだ新しい漫才を考える

          漫才の種類について

          「どうもー、ミキです。(中略)僕、スターウォーズ大好きで。最新作出るやん、ちょっと観に行けへん?……」 『M-1グランプリ 2017』(2017年12月3日放送、テレビ朝日系列)最終決勝でのミキのネタはこのように始まる。ツッコミ・昴生は新作のスターウォーズを観に行こうとボケ・亜生を誘うが、亜生はスターウォーズを全く知らないと言う。漫才の内容は、スターウォーズのキャラクター、テーマ曲へと展開していくが、亜生の無知から生まれる非常識な言動に昴生は怒りながらツッコんでいく。 つまり

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