見出し画像

コンディションとコンディショニングの違いとJSPO-ATの役割

こちらは本務校での授業資料の一部です。

アスリートのサポートを行うとき、またその勉強をするときに、結構な頻度で耳にするのが、この「コンディション」と「コンディショニング」です。

違いについては、上記のスライドで一目瞭然ですかね。
この表現は、AT教本(JSPO-ATの資格テキスト)からの抜粋です。

少し噛み砕いて。
コンディションは、「要因」としていますが、追記するとしたら、
『ピークパフォーマンスの発揮に必要な全ての要因』のある時点の状態
とでも言えるかもしれません。

コンディショニングはそんなコンディションを、ある目的に向かって望ましい状況に整えることを指します。


なぜこれらが叫ばれているかというと。
おおもとはこの二つの目的からです。

❶パフォーマンスの向上
❷傷害の予防

一緒じゃないの?と思う方もいるかもしれませんが、この方針は観点が全く異なります。
パフォーマンスとは、競技自体の勝敗に関わる、「プレーの質」とも言えるものです。
対して、傷害予防はそのプレーを支える土台である、"身体"のコンディションを著しく害さないようにすること、が主眼となります。


我々JSPO-ATとしては、この傷害予防とパフォーマンス向上をつなげること、その橋渡しをすることが求められています。
コーチがパフォーマンス向上偏重であると、傷害予防の観点が抜けて怪我人が続出します。
逆に、安全策だけとっていて、傷害予防偏重であると、いつまで経ってもパフォーマンスが上がらず、勝つことができないままになります。

そんな状況を、コーチと選手の間に入ってとりもち、チームに関わる全ての人が一丸となることができるための緩衝材となる。
これがJSPO-ATとしてのとても重要な役割の一つだと思っています。

コンディショニングには、とても多くの人が関わります。
どの立場から何を見るのか、言うのか、行動するのか。
それぞれの思惑も、背景も、状況も異なる中から、自分が緩衝材としてどう動くのが適切なのか、どう動いたら好転するのかをいつもアンテナをはってみること。
それが現場で重用されるトレーナーの条件かもしれません。

今後、トレーナーを目指す学生さん、いま選手で頑張っている方、指導者を目指す・実際に指導を行っている方、このような観点でトレーナーを捉え、一緒に歩んでいただければ幸いです。

トレーナー・コーチ・教育者・研究者に役立つ情報を日々発信していきます! サポートしていただけると、それが活力になってより楽しく内容の濃いものが発信できるかと思います^^