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今までやってきたことを手放さないといけない時の心の向け方

私は趣味で楽器をずっと続けてきました。コロナ禍によりスタジオ練習やライブが年単位でできない可能性があり、「楽器をやめる」という選択肢を考えました。
同じように、今までやってきたことをやめるかどうか迷っている方へ、何かヒントになればと思い心の持ち方について書きます。

自分にとっての楽器

私は小さい頃からピアノを習い、中学からは吹奏楽部でクラリネットを始めました。大学ではジャズ研究会に入ってサックスに転向し、社会人になってからもOBバンドなどで音楽活動を続けていました。人生の9割は楽器を触っていることになります。

自分が何者かを語るのに、「私はプログラマーです。」と職業を語るよりも先に「私は趣味でサックスを演奏ます。」という言葉が先に浮かびます。それほど、楽器は自分のパーソナリティの一部でした。

30代になってからは友達とバンドを立ち上げ、40を過ぎた今も続いています。職業は何度か変わりましたがこの趣味は死ぬまで続けるんだろうな、とぼんやりと考えていました。

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感染症が広まるにつれて考えたこと

2月末から感染症の拡大が報じられ、3月中旬の合奏を最後に、4つあったバンド活動の全てが停止となりました。
はじめは、季節性のものであれば夏には収まるだろうと憶測して深く考えてはいなかったのですが、そうは問屋がおろさず、あれよあれよと東京都に緊急事態宣言が出るまでになっていました。
メンバーによっては事態の状況を見てからライブの実施を考えよう、というポジティブ案もありましたが、状況を見るに年内のイベントは中止せざるを得ない状況になりました。

趣味でやっていたとはいえ、今までできたことが突然できなくなる喪失感がありました。職業ミュージシャンや、その他休業せざるを得ない方々は想像を絶する不安があることかと思います。

感情を抜きにして事実を捉えると、答えは明らかでした。
感染症が収まるには治療法が確立する必要がある。
↑ そのためにはワクチンの開発が必須。これが流通するには18ヶ月はかかる。
↑ それまでは感染リスクを下げながらクラスしかない
↑ 三密を満たしやすいライブやスタジオ練習は当面できない。

再開できる日は、まさに「神のみぞ知る」です。

感染症は過去にも地球に存在し、世界中の行動を変えたことは歴史でも習う常識であり、たまたま、私たちがその時代に当たっただけのこと。これに逆らうのか、この流れに乗るのかを考えると、後者を選ぶしかないという考えに至りました。


バンド活動のどこが好きだったのか?を考えた

ただ昔を惜しんでも仕方ないので、「人が集まれない」バンドはどこに向かうのが良いか、考えるようになりました。

バンドとは一見「ライブを開催して演奏を聴いてもらう。そのために定期的に練習を行う。」ことが目的のように見えます。

しかし、これはあくまでただの"行動"であり、そこに人間の感情は含まれていません。

「ライブがやりたいからバンドに入っている」というメンバーも、さらに深掘りすると、「ライブに人が集まって盛り上がる空間が好き」とか「自分が作った曲(メロディ)を共感してもらいたい」とか、感情のレベルの言葉が必ずあります。

ライブやバンド活動が楽しいのはもちろんですが、「盛り上がる」「共感」の方が必要な要素だったりします。この人で言えば、仕事や友達との過ごし方でも「盛り上がる」ことや「共感」を得ることが好きな場合が多いです。
これが、その人の価値観になります。
逆に、この価値観が満たされるからこそ、バンド・音楽を選んだ、とも言えます。

大事なのは、ライブや楽器といった形のあるものではなく、どんな部分に心が揺さぶられるかという抽象的な価値観の方にあります。


形への執着を手放すこと

私にとっては、楽器演奏の楽しみは、「楽器という道具を使いこなすこと。」「何人もが特技を持ち寄り一つのものを作ること。」にありました。プログラマーの仕事でもその楽しさは通じるものがあることに気づきました。

一旦、楽器やライブからは離れ、演奏とは違う形でバンドメンバーと「みんなで持ち寄って何かを作る」ことで楽しめないか、と考えています。とは言え、メンバーそれぞれの価値観があると思いますので、その話を聞きながら、みんなで相談するつもりです。

私のバンドでは、練習予定日にオンラインミーティングをすることにしました。これを機会に、楽器を持たずともお互いのことを深く知ることで、次にライブをする時には以前にも増して強いチームワークが発揮できることを信じています。


写真:次の桜が咲く頃には、また新しいことを楽しめていますように。


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