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#2 適応障害の療養期間をインタビュー形式で振り返る :田舎で療養(触知)

春先に体調を崩し、しばし会社をお休みすることに。医学的な病名は適応障害とのこと。療養期間を経ること4か月。人生の過渡期であったそんな期間をインタビュー形式で振り返りたいと思います。
それぞれの気づきにわけて。

(#1からの続き)

―療養期間について教えていただきたいんですが、どんなお休みの仕方ですか?
まずは群馬の実家へ1週間位戻りました。強制的に仕事のある日常から離れるというか。そこで、ゆっくり自分を取り戻していった感じです。

―具体的に教えてください。 
うーん、これといって特別な事はしてないですよ。
1日の3分の2を占めていた仕事から離れるわけです。それだけでもだいぶ違いましたね。

―一番印象に残っていることはありますか?
触知の感覚ですかね。とにかく五感の日々でした。頭ではなく、感覚的に日常を過ごしていたと思います。
畑の土の上を素足で歩いたり、焚き火をしたり、蒔作りをしたりと。両親の畑いじりを手伝ったり、家の風呂が昔ながらの蒔きで沸かすタイプなので、それもやったりと。
そういったある意味、仕事優先だった頃はタイパを意識して補足的に捉えていた日常や五感の些細なことに丁寧に触れる体験がすごい後押しになりました。


―触知の感覚ですか?
はい。「思考優先じゃない認知の仕方」とも言ってもいいかもしれません。
その時はまだ前頭葉が本調子じゃなかったので、何か難しい文章を考えたりとか難しい文章を読んだりするって言うモチベーションも湧いてこなかったですよね。
否が応なしに思考が働いていなかったこともあり、五感を便りに日常に触れている感じでした。

―自然に触れるというのも意味があったのかもしれないですね?
そうですね、自然ってありのままなんですよね。頑張っているわけでもなく、ただありのままに存在している。
その自然に抱かれている感じ。今までの役割(ロール)から離れる感じ。そういった場所、時間が最初に持てたのがすごい励みになりました。
思考を介在させずにただじっくりと味わう時間と空間をとってあげることは自分へ還る支えになったと思っています。

―温泉にも出かけたりしたんですよね?
そうそう。実家は温泉が近くになるのですが、住んでいるときはなかなかいかない。これは温泉地あるあるかもしれませんが笑
でも、改めて市がやっている日帰り温泉に行ったりしました。レジャーというよりは、お風呂に入る代わりにといった感じですね。
お湯に浸かり、その抱擁されている感じや緩んでいく感じを全身で味わって、ぼーっとしている。そんな時間がとても心地よかったです。

―じっくりと日常を味わうことで、自分へ還っていたんですね。
はい。思考が動かなくなったことをマイナスに思うのでなく、それゆえに触知の感覚が研ぎ澄まされたと思ったところもあって。
そんな感覚をゆっくり自分に許していった時間だったかもしれません。
きっと過渡期なんだろうと。

―ほかにどんな体験をしましたか?
すごい印象に残ってるのが、「りゅう」の感覚です。

―「りゅう」の感覚?
はい。なんかスピリチュアルな話になってしまうかもしれませんが、温泉に入りながら、雲を眺めていたんですよ。でも、雲という一つの個体をきちんと捉えようとするとなんだか疲れちゃう感じがして。まぁ雲だから当たり前かもしれないんですけど・・・・、そうしたら閃いたんです。

ー閃いた?何をですか?
物体ってすべて止まってるんじゃなくて動いてる、流れている、って。
そこに留まっているわけじゃなくて。

―どういうことですか?
諸行無常って言うじゃないですが、「あーそうか全部、流れてるんだ」と。そしたらすごい気分も楽になって、自分も流れの中にいるんだなぁって思ったんですよ。

その時、捉え方で見たときの雲はなんだか白龍のように見えましたね。
説明するのが難しいのですが笑

ほら、「波動」って言葉がありますよね?物質はすべて波動を持っているってどこかで聞いたことがあったんですよ。それがバシッと感覚的に腑に落ちた感じです。

―興味深い体験でしたね。ちなみに地元で誰かにあったりもしましたか?
そうそう、久しぶりに中学校同級生と会いました。
数十年ぶりに急にご飯に誘ったもんだから、離婚したんじゃないかって思っていたらしいですよ。二人ともいい年になり、また人の親になりと感慨深かったですね。
その友人は社長をやってるんですけど会って話して、酒飲んで記憶消してみたいな笑

―地元ならではの交流ですね笑
はい笑 久しぶりに記憶がなくなるほど吞みましたね。
でもその甲斐性ない感じが気持ちよかったです。バカしている感じが。

そう、それと知り合いのヒーラーさんともご飯を食べたりして。
いろいろ話したりはしたんですが、一番印象に残っているのは、「仕事」は「志事」だという言葉ですね。その言葉は今でも大切にしています。

―群馬の体験をひとことでまとめるとどうでしょうか?
丁寧にじっくりと日常を過ごしてみる。自然を味わってみる。
そこから浮かび上がってくる触知の体感に委ねてみる。
それが群馬の生活で、じんわりと自分の中を占めていた感覚です。

傍から見ればぼーっとしているように見えるかもしれませんが、そこには繊細なエネルギーが流れているっていう感覚と。

―群馬から戻られてからはどうでしたか?
そうですね。もう1ヶ月、療養延長になったんですよ。
そしたらふと屋久島に行ってみようと思ったんです。

―屋久島ですか?
そう、屋久島です。

To be continued

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