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水面に映るわたし

空を見上げた

青く澄んだ光がどこまでも続く影のない空
ただただ、揺れ動く波に従って
途方もない地平線の彼方へ連れ去られる
私はここにあとどれくらい居たらいいのだろう

揺れる波と頬を伝う感情は同じ味がする

私はまだ、あの時のまま、時を止め、あの場所にいる
激しく心を揺らしながら

彼はいつだったか、
ー今は落ちててもきっと君を見つける光がある、それと同時に君が見つける光もあるさーー
そう言ってた。

青春時代なんでもできた頃のように
希望に溢れていて輝く未来を夢見ている
今もまだそう信じている彼の言葉が妙に私の心に波風を立てた
私にとって彼は通過点であり目指して越えていくべき存在で、いつでも光り輝いていた

あの時の笑顔も真剣に話し込んでる顔も
無邪気な笑い声も遠くを見つめる眼差しも
勉強熱心な姿勢も考え方も全てが私の手本だった


大きな喧嘩は何度もした
自分の主張が正しいと言わんばかりに心の内をぶつけた
そして何度も泣きながら仲直りをした
お互いに解り合えたと思って


最後に喧嘩した日は、
もう何を話しても解り合う事はできなかった
解ったフリをすることすら出来ないほどに
お互いがお互いを邪魔に思っていた
互いが互いを苦しめ、縛り付け傷つけ合うことしか出来なくなっていた
挽回の余地は既になく、
それから私たちは二度と会うことは無くなった


連絡を取らなくなって3年経つ
大切にしていた関係が崩れるのは一瞬
いまだに思い出す声がある
もう、会えないのに


私は今も荒波の中を
激しく心を揺らしながら漂っている

何処にあるかもわからない楽園を目指して

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