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笑得る古代ローマ珍史 vol.3 「希少な王女」

Warning

本シリーズに登場する人物及び事象の一部は、フィクションである。ゆえに、古代ローマ史の正確な知識を得ることは期待できないこと、何卒ご了承いただければと思う。

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ローマ建国神話


Summary

都市アルバ・ロンガの財宝を受け継いだアムリウスは、兄であるアルバ王ヌミトルから王位を剥奪。ヌミトルはアルバから追放され、ヌミトルの息子は処刑。娘のシルウィアは生涯処女を貫かねばならないヴェスタの巫女みこにされ、アルバの神殿で慎ましく暮らしていた。しかしある日、そんなシルウィアの元に<神>が現れる———。


希少な王女


 本稿では、ヌミトルの娘シルウィアに焦点を当て、物語を進めていく。ゆえに、シルウィアの名前はここで確実に覚えておきたい。

 歴史上の人物名を覚える際、vol.1で行った「エゥッ、そして損失」のようなユーモア溢れる方法もなくはないが、もう少しまともな暗記法はないだろうか(顎をしゃくらせ、人を舐め腐った顔で「エゥッ」などと連呼していては、その場に1人だけならまだしも正面に誰かいたら顔面をぶん殴られる可能性が非常に高い)。
 今後のためにも、試行錯誤してみよう。

 シルウィアは、本名を「レア・シルウィア」という。一見、容易に覚えられそうではあるが、油断は禁物である。
 まず、この「レア」という言葉は、「ああ、ええと...どうする? レア? え? ミディアム? ああじゃあ私もミディアムで」のレアや、「っしゃぁ!!レアきたぁ!!」というレアカードのレア、「激レアさんを連れてきた(テレ朝)」のレア、社会人であれば知らないと恥ずかしいレアアース及びレアメタルのレア、レアチーズケーキのレア(筆者は俄然ベイクド派だが)、悪魔の左足を持つ男ロベルト・カルロス(通称ロベカル)が所属していた銀河系集団レアル・マドリードのレアなど、我々の日常の至る所に蔓延はびこっている。
 ハイレベルな小学校のお受験では、次のような問題が出題されるかもしれない。

「上記で挙げた『レア』の中で、共通しているものはどれか答えよ」

 無論、正解は...

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4,726字
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苦笑、失笑、嘲笑、爆笑必須の古代ローマ史。各回4000〜6000字程度。

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