見出し画像

結局いちばん「食」がすき

たべることが本当に大好きで、でもたべることが本当に怖い。

高校生になって痩せるまでずっと太っていたことを周りからからかわれていた。比較的明るい性格だったから笑いに変えて気にしてないふりをしながら生活していたけど、本当は言われるたびにすごく恥ずかしくて心が痛かった。
そんな自分を変えたくて、高校で陸上部に入って毎日過酷な練習をして、合わせて食事制限をして減量をしたおかげで体重は標準体重以下になり、数年経って現役を引退した今でも、周りから太っているといわれるような体型にはならないまま暮らしている。

でも、コンプレックを無くしたにも関わらず、私の中には何十年も蓄積した自分の体型への後ろめたさが鍋底のコゲみたいに綺麗に取れないままこびりついている。それは気持ちだけじゃなくて、過度な食事制限でできた禁止食が減量が終わり部活を引退しても食べられない。少しでも太ると周りの目が怖くて写真を撮れなくなったり服が着られなくなる。過度に運動をしてしまう。そんな食事に対する態度や気持ちもまるっきり変わってしまったままだ。食べる行為自体が目的になり、それ以外に楽しく食べることをどうすればいいのかを忘れてしまっていた。

食材を選ぶこと、食器を選ぶこと、調理すること、美味しいものや好きなものを食べること、食に関する写真や本を見ること、食事に関わる全てのことが大好きな私は、食べることを楽しむために、食べるということについてずっと考えてきた。どうやったらポジティブな気持ちで食事ができるのか、食事に思考を支配されることなく自然にご飯が食べられるのか。大学生になり一人暮らしが始まり本格的に自炊をし始めてから4年間考えてきたことを書いてみたい。

まず、満足にたべるというのはどういうことなのだろうか。
私は、「美味しいものを好きなだけ、お腹いっぱい食べたい」という思いがすごく強かった、というより今も強い。でも、どんなに美味しいものを食べていても、腹8分目を超えると、美味しいに加えて、作業の要素が出てくる。味わう、というより詰め込むという要素が強くなる。美味しく食べるということを第一にするならば、美味しいものこそ八分目で終わらすのがいいと思う。惰性で食べて作業にしてしまうのは、美味しく食べるという本質的なものに反している。その分よく噛んで、一口一口を味わって大切に食べる、ながら食べしないで食べることに集中するなど目の前にある食べ物を食すことに最善を尽くす。満足に食べるということは、量を食べることではなく、美味しく食べられる範囲で美味しく感じられるように食べるということだと思う。

食べたいものを食べることも食事を楽しむ上で重要だと思う。
最近惰性で食べることや代替食品を食べることをやめた。何か食べたいじゃなくて〇〇を食べたいと思う時にそれを食べるようにした。特に食べたいものがないけどお腹が減っている時は、五穀ご飯と鶏胸肉と野菜を蒸したものを固定して食べる。食べたいと思ったときは、SNSに影響されてないか、お腹は減っているか、美味しく食べられるかを一回自分に確認してから食べるようにした。そうすると、罪悪感なく禁止食が少しずつ食べられるようになった。

あとは、身体状態を把握することも大事だと思う。
食欲は脳で作られるけど、食は最終的には身体に働くので、脳の話を聞いたあと、身体にも意見を聞いてあげる必要がある。「昨日食べ過ぎたから今日は減らして」「たくさん動いたから今日は食べて」「大好きな人とのご飯を楽しみたいから今日は好きに食べよう」という身体の状態を尊重して食べることも毎食を美味しく食べるコツだと思う。

最後は美味しく食べられる土台を作ること。
今までは食べた後にたくさん運動したり絶食したりしていたのだが、最近は毎日運動して食べるときは食べて、その次の日は体と相談して食事を決めたり、運動したいならする切り替えた。食べたから動くのではなくて、動いてお腹が減ったから食べる。至極真っ当で当たり前なことだけど一番大切なことだと思う。美味しく食べられるよう生活を整えることは、身体だけじゃなくて心も健康に保ってくれる。

SNSでは、NG食とかコンビニの新作とかとにかくたくさんの情報がある。禁止されると食べたくなるし新しいものは食べたくなる。
食べちゃいけないものなんて本当になくて、食べたいなら食べればいい。太ってもいいし幸せならなんでもいいと思う。でも、心が不健康になる食事をするのは間違っている。食事はどんな時も人を幸せに元気にしないといけない。それが私の食事に対する答えだ。

これからもまだまだ食べることは怖いし、太ることはもっと怖い。でも食べることが大好きで、これからもずっと楽しんでいきたい。食べるのを好きだと思っている自分も怖いと思っている自分も受け止めて、今日もキッチンに向かってご飯を作る。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?